藍商佐直・吉田家住宅
「うだつの町並み」で一、二を争う豪商の屋敷
隆盛を誇った藍商人の店舗兼住宅は群を抜く広さ
南町通りを東に向かって歩いていくと、ひときわ目立つ「うだつ」と「虫籠窓(むしこまど)」を有する立派な屋敷がある。それが藍商佐直(さなお) 吉田家住宅だ。1792年(寛政4)に創業した藍商、吉田直兵衛(よしだなおべえ)が屋号を「佐直(さなお)」と称し、脇町に構えた店舗兼住宅で、俗に「間口が十一間(約20m)、奥行き三十間(約55m)」といわれ、敷地面積はおよそ1983平方メートル。脇町の商家のなかでも群を抜いた広さで、江戸中期から後期にかけて建てられた主屋・質蔵・中蔵・藍の寝床・はなれという5つが現存。また、かつては屋敷のすぐそばに吉野川が流れていたことから、雁木(がんぎ)階段を下った裏手側には、荷の上げ下ろしを行う船着き場が設けられていた。現在、その跡地は小さな公園となっている。
当時の生活様式を感じられる美しい空間
藍商佐直 吉田家住宅の魅力は、当時の富裕な商家の暮らしぶりのわかる屋敷内を見学できる点だ。2階建ての主屋には大小合わせて25の部屋があり、最盛期には通いや住み込みの奉公人を含めて40人前後が商売に従事していたという。1階には商談に使われた「みせのま」や「帳場」「主座敷」「台所(ダイドコ)」などがある。2005年(平成17)には「主座敷」で将棋の第46期王位戦第5局が行われたことから「王位戦の間」とも呼ばれ、そこに置かれた盤上には対局の様子が再現されている。階段を上がった2階には広い「板の間」があり、徳島県立貞光工業高校の生徒が中心となって製作した「南町復元模型」などを展示。太い梁や柱をぜいたくに使った構造からも、当時の藍商の潤沢な財力を感じられる。
3回にわたる大規模な改修を経て現在の姿に
約90年の間に3回の大規模な改修を行っている藍商佐直 吉田家住宅。最初の普請は1835年(天保6)。事業の拡大にともない、西棟に身分の高い客専用の「御成(おなり)玄関」と呼ばれる玄関と「中庭」「主座敷」などを改修。2回目は1860年(安政7)。取り扱う商品の量が増えたことから東棟の2階部分の屋根を上げ、使用人の寝場所や倉庫として拡張。3回目となる1865年(慶応元)の南棟普請は、家族の居住空間の改修だったと伝えられている。凝った意匠の欄間(らんま)や床の間なども見逃さないようにしたい。また、かつて藍の寝床として使用されていた蔵は、1階を地元特産品の販売スペース、2階をカフェスペースの「藍蔵」として改修。藍商佐直 吉田家住宅を見学したあとは、こちらもぜひ訪れてほしい。
スポット詳細
- 住所
- 徳島県美馬市脇町大字脇町53 地図
- エリア
- 脇町エリア
- 電話番号
- 0883530960
- 時間
- 9:00-17:00(最終受付16:30)
- 休業日
- 年末年始(12/27-1/1)
- 料金
-
【入場料】
[大人]510円
[小人]250円 - 駐車場
-
なし
※藍ランドうだつ道の駅をご利用ください - クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、QUICPay、PayPay)
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン