旧金毘羅大芝居(金丸座)

劇場

1835年(天保6)に建てられた、現存する日本最古の芝居小屋

江戸時代後期に建てられた芝居小屋で、舞台演出のためのさまざまな仕掛けや装置を見学。毎年4月に行われる「四国こんぴら歌舞伎大芝居」には県内外から多くの歌舞伎ファンが訪れ、四国に春を告げる風物詩となっている。

江戸時代の情緒あふれる姿を今に伝えている 江戸時代の情緒あふれる姿を今に伝えている

ことでん琴平駅から徒歩約10分

たくさんの土産物店が立ち並ぶ、金刀比羅宮の表参道。785段も続く石段の、最初の30段ほどを上ったら参道を離れて左へ曲がり、ゆるやかな坂道を歩くこと約3分。木々の間から、色とりどりののぼりとともに風格ある三角屋根の外観が目に飛び込んでくる。これが旧金毘羅大芝居「金丸座」(きゅうこんぴらおおしばいかなまるざ)だ。こんぴら信仰が全国的に広まった江戸時代中期頃から、ここ琴平では年3回の「市立ち」のたびに仮設小屋で歌舞伎などの興行を行っていた。しかし徐々に門前町の形が整ってくるにつれて常設の芝居小屋が必要となり、またそれを望む庶民の声も高まってきた。そこで、当時の「大阪三座」のひとつ大西芝居(後の浪花座)を模し、富籤(とみくじ)という現在の宝くじのようなものの開札場を兼ねた定小屋として、1835年(天保6)に建てられたという歴史がある。

外観だけなら無料で見学可。中に入る場合は管理事務所で入場券を購入(大人500円) 外観だけなら無料で見学可。中に入る場合は管理事務所で入場券を購入(大人500円)

歴史を感じるたたずまいに圧倒される

「金丸座」とはこの芝居小屋の名称で、所有者が変わるたびに変更されてきたが、1900年(明治33)に「金丸座」と改名してからは現在にいたるまでこの愛称で親しまれている。正面の木戸は3つ。中央には大人が腰をかがめてやっと入れるほどの鼠木戸(ねずみきど)、その左右には、見物料の高い観客が入る大木戸(おおきど)、身分の高い観客が入る御用木戸(ごようきど)があり、こうした造りからも当時の人々の暮らしの一端がうかがえるようだ。靴を脱いで中に入るとパッと明るい舞台が広がり、その迫力ある空間に思わず圧倒される。整然とした客席の木組み、黒く光る舞台の床、そして頭上には役者の番付を表す顔見世提灯。竹で編んだ格子状の天井はブドウ棚と呼ばれ、ここから花吹雪を散らすことができるそうだ。多くの人々の熱狂と役者たちの汗がしみ込んだこの芝居小屋は、1970年(昭和45)に「旧金毘羅大芝居」として国の重要文化財に指定されている。

客席の収容人数は740人。中央の平場のほか左右には1・2階に桟敷(さじき)席、ほかにも特別席の出席(でせき)などさまざまな席がある 客席の収容人数は740人。中央の平場のほか左右には1・2階に桟敷(さじき)席、ほかにも特別席の出席(でせき)などさまざまな席がある

2階の桟敷席から客席を見たところ。花道後方の幕の奥に「鳥屋(とや)」という部屋があり、ここが舞台下の奈落とつながっている 2階の桟敷席から客席を見たところ。花道後方の幕の奥に「鳥屋(とや)」という部屋があり、ここが舞台下の奈落とつながっている

今も現役で使われている舞台装置

舞台の脇にある階段を降りるとそこは「奈落」。奈落とは舞台や花道の床下の総称で、地獄の奈落を連想して名付けられた場所だ。ここには数多くの木造の舞台装置がある。舞台中央にある直径約7mの「廻り舞台」や、スライド式に奈落と舞台を上下できる「セリ」、花道から役者がせり上がる「すっぽん」などの仕掛けを人間の力で動かすための装置だ。驚くべきは、この仕掛けが今も現役だということ。金丸座では毎年4月に「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開催されているが、その際もこれらの装置をすべて人力で動かしている。日本で最も古い芝居小屋だというだけでなく、今でもこうした装置が現役で使われていることも、金丸座の文化財としての価値を高めているといえるだろう。

薄暗く、ひんやりとした空気に包まれる奈落 薄暗く、ひんやりとした空気に包まれる奈落

場面転換などに使われる「廻り舞台」は、足元に円形に置かれた36個の石を足がかりにし、4本の棒を使って人力で回している 場面転換などに使われる「廻り舞台」は、足元に円形に置かれた36個の石を足がかりにし、4本の棒を使って人力で回している

ボランティアガイドでより詳しく

客席に座って舞台を眺めていると、当時の人々の熱狂が伝わってくるようで、しばし時間を忘れてしまいそう。ここではボランティアによる無料のガイドも利用できるので、希望する場合は管理事務所で申し出を。歴史ある建物や舞台装置は見ているだけでも圧倒されるが、ガイドによる詳しい説明を聞けばさらに理解と興味が深まるだろう。金丸座の敷地内や周辺には駐車場がないので、車で訪れる場合は金刀比羅宮の参道周辺や駅の周辺の駐車場を利用しよう。芝居小屋を見たあとは、785段の石段を上って金刀比羅宮に参拝するもよし、参道沿いの店を巡って土産探しをするもよし。緑豊かな金刀比羅宮の裏参道は、野鳥や四季折々の草花を見ながら散策するのもおすすめだ。香川有数の観光地琴平を、ゆっくりと楽しんでほしい。

スポット詳細

住所
香川県仲多度郡琴平町1241 map map 地図
電話番号
0877733846
時間
9:00-17:00
休業日
無休(四国こんぴら歌舞伎大芝居やイベント開催時は見学不可)
料金
[入場料]500円
駐車場
なし
クレジットカード
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 歌舞伎好きでなくとも
    4.0 投稿日 : 2020.08.06
    楽しんで見学できます。市内から移設した際に整備もされたそうですが、全て人力という江戸時代そのままの構造です。
  • 最古の小屋
    3.0 投稿日 : 2020.01.04
    1835(天保6)年に建築された現存では日本最古の芝居小屋だ。有料だが、中に入って見学できるのがいい。〝超〟本格的な芝居小屋だ。歌舞伎がこんぴらさん参りの大きな楽しみの一つだったのだと昔に思いを馳せることができる。表参道から少しそれた琴平公園入口近くにある。
  • 役者の気分を味わえます
    5.0 投稿日 : 2019.12.28
    今も使われている歌舞伎小屋客との距離も近そうでここで歌舞伎を見てみたいです花道や舞台にも上がることができてテンションが上がりました建物のつくりが見事で昔ながらの芝居小屋の素晴らしさ感じましたガイドの方の説明もわかりやすくて良かったです参道から少し外れますが行って後悔なしです

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アクセス

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