備中国分寺
四季を通して絵になる吉備路のシンボル
吉備路のメインイメージとなっている五重塔。周辺は遊歩道、サイクリング道が整備されている
細身のシルエットが美しい五重塔
疫病や天災から国を守ろうと備中国分尼寺とともに奈良時代に創建された備中国分寺。中世に入って廃寺になっていたが、江戸時代中期の1722年(享保7)から17年の年月をかけて、規模を縮小して再建された。本堂など主要な建物を除き、庫裏・裏書院は武家的な書院造りの構造をもつ。敷地の西に立つ五重塔は国指定重要文化財で、江戸時代に建立されたもの。当初は三重塔として計画されていたが途中で計画変更したため、三層まではケヤキ材が、四、五5層は松材が主材になっている。高さは約34.3m。相輪から床下の礎石までまっすぐ通った細身のシルエットが美しい。初層には須弥檀を設け、心柱を大日如来とし、北に不空成就(ふくうじょうじゅ)、西に阿弥陀(あみだ)、南に宝生(ほうしょう)、東に阿閤(あしゅく)、の五如来像が安置され、天井には花や鳥などの彩色画104枚が描かれている。全国の国分寺で五重塔があるのはここだけだという。ここを中心とした備中国分寺跡(東西約160m、南北約178m)は、国の史跡に指定されている。
映画『男はつらいよ』や平山郁夫絵画にも登場
備中国分寺の周囲には、春はレンゲ畑、秋には穂があかね色に変わる古代米・赤米の田。総社市は、長崎県対馬市、鹿児島県南種子町とともに全国3か所しか残っていない赤米神事の伝承地。ほかにも桜、菜の花、桃など季節ごとに美しい光景を織りなし、絶好の撮影スポットになっている。映画『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』のタイトルバックでピクニックをする寅さんらの背景に五重塔が登場。日本画家平山郁夫も大作『吉備路緑映』で五重塔のある風景を描いていて、備中国分寺の一帯にはスケッチに訪れた場所を示す道標が立っている。
東側から見た寺の景観。どこから見ても凛とした五重塔の姿が際立つ
周辺はサイクリングに最適
道の向かい、備中国分寺を正面に眺められる場所には地区の特産品の販売所、食事のできるスペース、ギャラリーを備えた「吉備路もてなしの館」があるので休憩に最適。また、平野が広がり起伏が少ない総社はサイクリングの適地。総社駅から岡山駅を結ぶ約25kmの吉備路自転車道が整備されているので、近隣の「こうもり塚古墳」や「備中国分尼寺跡」などものんびり巡りたい。
スポット詳細
- 住所
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岡山県総社市上林1046
地図
- エリア
- 吉備路エリア
- 電話番号
- 0866920037
- 時間
- 8:00-17:00
- 休業日
- 無休
- 料金
- 無料
- 駐車場
-
なし
※風土記の丘駐車場(県営 無料)をご利用ください
情報提供: ナビタイムジャパン