造山古墳
古代吉備国の繁栄を伝える国内4番目の大きさの前方後円墳
歩いて上り、墳頂からの眺めを楽しもう
造山古墳は5世紀前半の築造とされる。大和政権にも迫る存在だった古代吉備の力を感じさせ、歩いて上ることのできる国内最大の古墳だ。総社市にも同じ読み方の作山古墳(つくりやまこふん)があるので、地元の人は親しみを込めて造山古墳は「ぞうざん」、作山古墳は「さくざん」と区別して呼んでいる。宮内庁が管理する陵墓を除けば国内最大の前方後円墳だ。大和朝廷に匹敵するほどの大きな力をもった有力者の墓とされていて、日本遺産「『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま~古代吉備の遺産が誘(いざな)う鬼退治の物語~」の構成文化財のひとつになっている。陵墓ではないため立ち入ることのできるのが特徴だ。住宅地のなかを通って後円部へ上がっていく。後円部の高さは約30mあり、古墳への坂道のこう配は少しきついかもしれないが、頂上からの景色は格別だ。頂上部には、地域の住民が建てた荒神社があり、歩道が整備されている。
まずビジターセンターで古墳の下調べ
古墳に上る前に、駐車場の一角に2020年(令和2)に誕生した観光・歴史学習の拠点「造山古墳ビジターセンター」を訪れて事前勉強するのがおすすめだ。鉄骨平屋の建物は一部ガラス張りのモダンな外観。館内からは家並み越しに迫力ある巨大な墳丘を見渡せる。展示スペースでは古代吉備の王や時代状況をパネルや映像資料で紹介している。センターは地元住民が管理し、ボランティアガイドの活動拠点としても使われている。
造山古墳に従う陪塚の千足古墳にも注目
造山古墳に従う陪塚(ばいちょう)と呼ばれる古墳は6基あり、家来などを埋葬したといわれる。そのひとつが全長約81mの千足(せんぞく)古墳だ。本州では類例の乏しい九州系の横穴式石室をもち、直線と弧を複雑に組み合わせた精美な直弧文(ちょっこもん)で知られた石室装飾石材「石障」が設置されていた。しかし、劣化損傷していることがわかり、「石障」は取り出され、岡山市埋蔵文化財センターで保管されており、年に1度公開される。千足古墳近くには石障の実物大オブジェが展示されている。現在、千足古墳では復元工事が完了し、石室の上部に通じるトンネルを設け、内部を上から見学できるようになっている。また墳丘上には復元した埴輪が並んでおり、築造当時の姿を見ることができる。造山古墳のほか、近くには「こうもり塚古墳」「鬼ノ城」など、古代吉備の歴史ロマンを感じさせるスポットがあるので、ぜひセットでプランを立てて訪れるといい。
スポット詳細
- 住所
- 岡山県岡山市北区新庄下 地図
- エリア
- 岡山市・後楽園周辺エリア 吉備路エリア
- 時間
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[岡山市造山古墳ビジターセンター・千足古墳 石室]10:00-15:00
[墳丘]24時間 - 休業日
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[岡山市造山古墳ビジターセンター・千足古墳 石室]月(休日の場合はその日以降で直近の平日)、12/29-1/3
[墳丘]無休 - 駐車場
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あり(30台)
※ビジターセンターに付属する駐車場
情報提供: ナビタイムジャパン