浦富海岸
変化に富んだリアス式海岸、鳥取のジオパークを行く
鴨ヶ磯の小さな入り江。遊歩道の木道から透き通った海中をのぞき込める
ダイナミックな景観が続く浦富海岸
浦富海岸とは、鳥取県東部の岩美町大谷から兵庫県県境までの東西約15kmの海岸部全体のこと。約3300万年前、日本海形成前の大陸であった時代の花崗岩でできた岩石海岸で、断崖絶壁、奇岩、洞門など、日本海の荒波や冬の季節風によって削られた海食地形が続く。透明度の高い海と白い砂浜、青い松のコントラストが美しい景勝地でもあり、国の名勝及び天然記念物に指定されている。西側のエリアには海岸線に沿って歩きやすい遊歩道が整備されているほか、遊覧船で海上から海岸線を観賞することもできる。
ジオパークトレイルコースにもなっている遊歩道。マップが各所に設置されている
3つのポイントを制覇しよう
浦富海岸西側エリアの観賞ポイントは、「千貫 (せんがん)松島」「鴨ヶ磯(かもがいそ)」「城原(しらわら)海岸」の3つ。網代港から城原海岸までの約3kmの遊歩道を歩きながら3つのポイントを巡るなら、片道約1時間半。時間がない人は車で回ることもできるが、最寄りの駐車場に車を止めてそれぞれ展望のきく場所や浜辺まで歩いて行くことになる。駐車場から浜辺まではかなり高低差があり、長い階段が続くので、歩きやすい靴のほうがいいだろう。浦富海岸のシンボルのひとつである「千貫松島」は、網代港から徒歩約10分とアクセスしやすい場所にある。断崖絶壁の展望台から海をのぞき込むと、1本の松が生えた花崗岩の離れ岩、千貫松島が見える。真ん中に貫通した穴は、花崗岩が節理(割れ目)に沿って侵食された海食洞門で、日本海の風と波の激しさが想像できる。
頂の一本松が目印の「千貫松島」。真ん中は奥行き約20mの海食洞門
澄んだ海と白い砂浜の入り江
「鴨ヶ磯」から「城原海岸」までの海域は、環境省の海域公園地区に指定されている。海水の最高透明度が25mと全国でも有数の美しい海だ。海中に光がよく届くために海藻が茂り、魚などの格好のすみかとなって豊かな生態系を育んでいる。澄んだ海に数多くの小島が浮かび、石英や長石の砂浜がキラキラと輝く「鴨ヶ磯」。「太郎兵衛島」などの小島や文豪・島崎藤村が命名したという「酒宴(さかもり)洞門」もあり、これらも花崗岩の海食地形だ。「城原海岸」は花崗岩の礫(れき)でできた礫浜と石英の白い砂浜からなる海岸で、菜種(なたね)島をはじめとするとする「菜種五島」や多くの海食洞門が見られる。ここも浦富海岸のなかで随一の景勝地として人気だ。
鴨ヶ磯近くにある「蜩(ひぐらし)洞門」。冬の季節風による荒波で北西方向に穴が空いている
複雑な入り江に多くの小島が浮かぶ「鴨ヶ磯」。透明度の高い海が美しい
東側のエリアはドライブで巡る
浦富海岸の東側エリアにも見どころは多い。白い砂浜の「熊井浜」、龍神洞のある「羽尾岬」、「寝覚めの佳境」とも称される「西脇海岸」など、西側に比べると穏やかな海の景観を楽しめる。「山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館」や「岩美町立渚交流館」にも立ち寄って、イベントや海のアクティビティに参加してみるのも一案だ。
スポット詳細
- 住所
- 鳥取県岩美郡岩美町浦富
- エリア
- 岩井温泉周辺エリア
- 電話番号
- 0857723481
- 備考
- ※電話番号は、岩美町観光協会に繋がります。
情報提供: ナビタイムジャパン
- アニメスポット情報
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Free!のオープニングや本編中に度々登場する。
※ナビタイム調べ