美保神社
美保神社と出雲大社で「出雲のえびすだいこく両参り」
風待ちの港に鎮座する「えびす様の総本宮」
鳥取県境港から境水道を橋で渡り、大山を対岸に望む美保湾沿いを車で走って美保関まで約10分。島根半島の東端に位置する美保関は、江戸時代に北前船が行き交い「風待ちの港」として栄えた港町。今も往時の面影を残す町並みの背後に、「えびす様の総本宮」として知られる美保神社が鎮座する。「えびす様」は「商売繁盛」「漁業・海運」の神であるのはもちろん、「鳴り物・音楽」の神として多数の楽器が奉納されている。また、出雲大社と美保神社の両方に詣でる「えびすだいこく両参り」はご利益が倍増し、よりよい縁に恵まれるといわれる。祭神は事代主神(ことしろぬしのかみ)と三穂津姫命(みほつひめのみこと)の2柱。事代主神が「えびす様」で、三穂津姫命のほうは農業の神だ。どちらも音楽にゆかりのある神ということで、境内で奉納コンサートも開催される。
見ごたえのある巨大な拝殿と美保造の本殿
潮の香が漂う港の真ん前に、美保神社の一の鳥居が立っている。二の鳥居から先が結界となっており、うっそうとした森が神域を包む。神門には参拝者を清める紙垂(しで)がぶらさがり、スピリチュアルな雰囲気が漂う。そして神門の正面にある拝殿は、度肝を抜かれるほど大きく立派だ。壁がない拝殿は船庫をイメージした建物で、音響効果も意識した造りになっているという。「えびす様は鳴り物が好き」ということで、拝殿には太鼓や鈴が置かれている。本殿(国の重要文化財)は左右二殿連棟の特殊な形式で、「美保造」あるいは「比翼大社造」といわれる。どちらの社殿が男神か女神かは、屋根の千木(ちぎ)を見ればわかる。千木の先が水平なら女神、垂直なら男神。つまり垂直なほうが事代主神、水平なほうが三穂津姫命を祀る社であるわけだ。
国譲り神話と「出雲のえびすだいこく」
「全国3000えびす社」の総本宮とされる美保神社だが、創建年代は定かでない。しかし、733年(天平5)の『出雲国風土記』に記載が見られるからには、相当古い歴史をもつのは間違いない。国譲り神話では、父の大国主命(おおくにぬしのみこと)に代わって事代主神が返事をした。その事代主神が魚を獲っていたのが美保関で、美保神社の祭神となった。大国主命が出雲大社で、それが両参りにつながっているようだ。事代主神が日本古来の福の神である恵比須神と、そして大国主命がインド伝来の大黒と同一視され、あわせて「出雲のえびすだいこく」とあいなったのは近世の頃という。また、事代主神の事代(ことしろ)は「言を知る」に由来し、託宣神の意味があるとされる。美保神社で託宣をいただき、縁結びの出雲大社で祈願すれば、なるほど願いが叶いそうに思える。なお事代主神ではなく、別系統として「蛭子神(ひるこがみ)」を祭神とするえびす(戎、恵比寿、蛭子)神社が全国にあり、蛭子神系の「えびす宮総本社」が兵庫県の西宮神社(西宮戎)だ。
御船行事が行われる郷愁の港町を散策
美保神社には国譲り神話にちなんだ2つの神事、御船行事として有名な4月の「青柴垣(あおふしがき)神事」と12月の「諸手船(もろたぶね)神事」がある。いずれも美保関の港から船を出して盛大に行われ、ふだん閑静な港町美保関がおおいに盛り上がる。いずれも一度は見てみたい一大行事だ。また、港町美保関は散策するのも楽しい。美保神社の鳥居前には、「青石畳通り」と呼ばれるノスタルジックな通りが続く。石畳道の途中から少し山のほうに行けば、山陰最古の仏像が安置される仏谷寺(ぶっこくじ)がある。後鳥羽上皇や後醍醐天皇が隠岐へ配流され、美保関で風待ちした際に行在所となった由緒ある古刹だ。また車で5分走れば、岬の先端に山陰最古の灯台で「世界の歴史的灯台100選」に選定された美保関灯台が立つので、美保神社の参拝とあわせて訪れてみたい。
スポット詳細
- 住所
- 島根県松江市美保関町美保関608 地図
- エリア
- 松江市郊外・安来エリア
- 電話番号
- 0852730506
- 時間
- [授与所]8:30-日没頃まで
- 休業日
- 無休(夜間は消灯)
- 駐車場
-
あり(30台)
※地区無料駐車場利用
※神社前は駐停車不可 - クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可(ただし、バリアフリー設備なし、要補助者)
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
- 備考
- ※地図は美保神社駐車場の場所になります。
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 福種銭は戻るのか…
- 定期的に詣でている。宿泊の関係で、初めて昼頃参拝したからか、結構人がいた印象。コロナの扱いも軽くなるが、コロナ前に戻ることはできないのか、福種銭はまだ設置がない。新しい硬貨が手に入らないことを理由に授与がなくなっていたのだが、果たして元に戻る日は来るのか。手水は多分、杓なしスタイルが今後も継続されていくのだと思う。福種銭、復活して欲しい。
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- 荘厳な佇まいに心が洗われます
- 漁村を抜けると突然現れた美穂神社、ちょうど七五三のお祝いをされているところで、本当に地域に根差した神社なのだと感じました。
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- だんだん普通に戻りつつある?
- 手水復活。しかしまだ杓はない。手水があるのに、入口にアルコールがある不思議。福種銭はまだないが、人出は戻って来ているかなあ。早くコロナ前に戻りますように。
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