吉備津神社
桃太郎伝説のルーツにもなった格式ある古社
横から見た本殿。入母屋破風(いりもやはふ)を2つ並べ棟で結んだ屋根はここだけに見られる様式のため「吉備津造」と呼ばれる
特徴ある比翼入母屋造の大屋根は全国唯一
岡山平野の中央部に位置する「吉備の中山」。かつてここが吉備の国と呼ばれた頃、その中心だったことからその名がついたという。吉備津神社は、そのふもとにたたずむ。JR吉備線の吉備津駅から歩いて約10分。参道に入ると本殿の優美で風格ある大屋根が見える。本殿は入母屋の構造を2つ並べた「比翼(ひよく)入母屋造」。天空を舞う大鳥の姿に例えられる独特の様式で「吉備津造」とも呼ばれる。約255平方メートルの本殿は京都の八坂神社に次ぐ広さで、出雲大社本殿の約2倍以上を誇る。創建は平安時代以前にさかのぼるといい、何度かの火災を乗り越え、現在の本殿と拝殿が室町時代の1425年(応永32)に完成した。大屋根は檜皮葺(ひわだぶき)で、約50年ごとに葺き替えられている。
授与所まで上がったところで振り返ると堂々たる北随神門が見える。屋根の広さに驚く
主神は桃太郎伝説のモデルになった
松並木の参道から石段を上がり北随神門へ。吉備津神社は、日本遺産「『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま-古代吉備の遺産が誘(いざな)う鬼退治の物語-」の重要な構成文化財になっている。本殿・拝殿ともに国宝。拝殿は本殿に接続した建物でもともと一体で設計されたもの。国宝目録にも「吉備津神社本殿及び拝殿」と記されているそうだ。北随神門をさらに上がるとお守りなどの授与所があり、その奥に拝殿・本殿がある。主神の大吉備津彦命は、都への貢ぎ物や婦女子を略奪する悪行を重ねる温羅(うら)という鬼神を討つために朝廷から吉備国へ派遣された。犬飼部(いぬかいべ)、留玉臣(とめたまのおみ)、楽々森彦命(ささもりひこのみこと)を率いて激闘の末、大吉備津彦命が勝利し、以後吉備国を統治したという伝承が残る。これが桃太郎伝説のルーツとされる。
拝殿に掲げられた額「平賊安民」。これも鬼を退治し、人々に安寧をもたらした「鬼退治神話」に由来するものだろう
「雨月物語」にも登場する神秘の鳴釜神事
優美で壮大な本殿・拝殿のたたずまいに圧倒されるが、それ以外にも見どころはたくさんある。1579年(天正7年)に再建された全長360mの屋根付き廻廊(県指定重要文化財)は、御竈殿(国の重要文化財)へ続いている。御竈殿は、江戸時代中期の上田秋成(うえだあきなり)の小説集『雨月物語』の「吉備津の釜」にも登場した「鳴釜(なるかま)神事」で有名だ。釜から出る音の大小や長短で吉凶を占うという。かまどの下には大吉備津彦命が退治した温羅の首を埋めているという伝説があり、すすで黒光りする建物の内部は神秘的な雰囲気。地の底から響いて来るような釜の音を聞くと神話の世界へ引き込まれそうな気持ちになる。御竈殿は、毎週金曜以外、拝観可能で、「鳴釜神事」の受付は9-14時。詳しくは問い合わせしよう。
鬼との戦いのとき矢を置いた岩が残る
ほかにも「南随神門」「北随神門」や「木造獅子狛犬」が国の重要文化財に指定されている。大吉備津彦命が温羅との戦いで得た矢を置いたといわれる「矢置岩」もあり、ここで矢を放って邪気を払う新春恒例の「矢立の神事」が行われる。また、吉備津神社では、2021年(令和3)に公開された幕末の新撰組を描く司馬遼太郎原作の映画『燃えよ剣』のロケも行われた。桃太郎伝説をたどって、温羅が住んでいたとされる「鬼ノ城」へも足を延ばしたい。また、吉備の国の壮大な歴史をひもときながら、「造山古墳」「こうもり塚古墳」「備中国分寺」などを合わせて訪れるのもおすすめだ。
スポット詳細
- 住所
- 岡山県岡山市北区吉備津931
- エリア
- 吉備路エリア
- 電話番号
- 0862874111
- 時間
-
[受付時間]9:00-14:30
[授与所]9:00-16:00 - 休業日
-
無休
[御竈殿]金 - 料金
- [拝観料]無料
- 駐車場
-
あり(450台)
※1/1-1/5は整理料500円必要 - クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
- アニメスポット情報
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アニメ・妖怪ウォッチ第213話にて、コマさんとコマじろうが日本全国もんげー旅で訪れた場所の一つ。
※ナビタイム調べ
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- 岡山地方で神社仏閣を訪ねるならここ。
- 岡山地方で神社仏閣を訪ねるならここ。社殿も回廊も見ごたえがあり、境内は荘厳さにややかけるが規模も大きい。
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- 桃太郎伝説にちなんだ神社
- この神社の御祭神が桃太郎の鬼退治伝説のモデルになったのではと言われている神社。国宝の本殿・拝殿をはじめ、広い境内には見所が多い。なかでも400m近い回廊は素晴らしい。ちょうど桜の季節だったので、映える写真が数多く撮れた。
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- 国宝本殿・拝殿
- 三備一宮・吉備津神社に参拝です。吉備津駅側の表参道から北随神門を経て拝殿へ、往時から本殿と一体として設計されているのだそうです。中庭側に回ってみると、本殿の凝った造りが一目瞭然、二つの入母屋を並べつつ同じ髙さの棟で結ぶ見事な構図です。拝殿・本殿はセットで国宝、南北随神門と木造狛犬、これまた見事な長い回廊の先にある「御釜殿」が重文指定です。鬼退治伝説のような文化的付加価値もさることながら、純粋に建...
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