嚴島神社(宮島)
「日本三景」として天下に名高い宮島を象徴する優美な社殿群
海に浮かんでいるような朱塗りの社殿群の優美な姿が、昔も今も多くの人の心を魅了してやまない
特別史跡、特別名勝、国宝、そして世界遺産
松島、天橋立と並ぶ日本三景「安芸(あき)の宮島」として、天下に名高い厳島。「神を斎(いつ)き祀(まつ)る島」という島名の由来のとおり、古から島そのものが神として信仰されてきた。その島の全体が国の特別史跡であり、特別名勝となっている。その厳島の中心、いや「そのもの」といっても過言ではないのが嚴島神社。古くは「伊都岐島神社」とも記され、全国に約500社ある嚴島神社の総本社で、安芸国(あきのくに)の一宮。そして「宮島に行く」といえば、十中八九この「嚴島神社」に行くことを意味する。天然記念物に指定されている弥山(みせん)原生林を借景に、朱塗りの廻廊をめぐらせた華麗な社殿群が満潮時、海上に浮かぶ姿は、嚴島神社ならではの優美な景観だ。他に類例のないそれらの社殿群は、ほとんどすべてが国宝または重要文化財に指定。そして、それらの社殿群を中心に、「嚴島神社」としてユネスコ「世界文化遺産」に登録されている。じつは「単独の社寺」として世界遺産となっているのは、日本全国でもこの嚴島神社だけだ。
平清盛がプロデュースした雅(みやび)な社殿群
嚴島神社は593年(推古天皇元)、当地の有力豪族だった佐伯鞍職(さえきのくらもと)による創建と伝わり、その佐伯氏が神主家を務めていた。主祭神は、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を初めとする三女神。やはり世界遺産となった福岡県の宗像(むなかた)大社と同じ神々で、海の神・交通の神として崇敬を受けてきた。平安時代に安芸守(あきのかみ)となり、瀬戸内海の制海権を手にした平清盛もあつく信仰し、現在のみやびな寝殿造の社殿群は、1168年(仁安3)の清盛による大造営時の様式・構成が継続されているとされる。戦国時代には厳島一帯を支配下に置いた毛利元就(もうりもとなり)が、嚴島神社を崇敬するとともに、1571年(元亀2)に御本社本殿を改築したほか、大規模な社殿の修復工事を行った。その後も修復が行われたが、1241年(仁治2)の再建時の姿を残しているという。海水で床柱が腐食しやすく、また天災や火災にも見舞われてきたが、いつの時代にも多くの人々の崇拝を受け、信仰心に支えられ、平安朝をほうふつさせる優美な寝殿造の社殿が、その見事な姿を今もとどめている。
「日本三大船神事」のひとつ「管絃祭」
嚴島神社では、海上の社殿を一方通行になっている廻廊を通って巡る。海に向かって立つ御本社の東西に廻廊が配され、客(まろうど)神社ほかの摂社の社殿を結んでいる。御本社の前には高舞台・平舞台があり、そこで旧暦の6月17日に「日本三大船神事」のひとつ「管絃祭」の出御、還御が行われる。清盛が平安朝の「管絃の遊び」を移し、神を慰める神事として執り行うようになったのが管絃祭といわれ、海上で御渡りとともに管絃楽が催される嚴島神社ならではの雅な祭りだ。鳳輦(ほうれん 嚴島神社の神輿)が、平舞台から海に突き出た火焼前(ひたさき)から沖に浮かぶ大鳥居の御座船(ござぶね 管絃船)まで運ばれる。嚴島神社のシンボル「大鳥居」は東廻廊とともに、2019年(令和元)から大規模な保存修理工事が行われていたが、2022年(令和4)に工事も終了し、装いも新たになった大鳥居や廻廊の姿が見られる。参拝はもちろん、境内の廻廊を巡り、境内の外から眺め、海上から望み、嚴島神社の美しさを思う存分愛でたい。また嚴島神社では通年で毎日ライトアップが行われるので、宮島で1泊するのがおすすめだ。
スポット詳細
- 住所
-
広島県廿日市市宮島町1-1
地図
- エリア
- 宮島エリア
- 電話番号
- 0829442020
- 時間
-
6:30-18:00
※季節により変更あり - 休業日
- 無休
- 料金
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【昇殿料】
[大人]300円
[高校生]200円
[小、中学生]100円 - 駐車場
- なし
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 0-30分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- ペットの入店
- 可(条件あり)
- 備考
- ※新型コロナウイルス対策につきましては、ホームページの「行事のご案内・お知らせ」をご確認ください。
情報提供: ナビタイムジャパン