小峰城跡
戊辰戦争の激戦地として知られる名城が、平成の世によみがえった
南北朝期の14世紀半ばに築城された名城
JR白河駅の北500mに位置する白河小峰城は、優美な三重櫓を擁する城郭だ。白河は平安時代より陸奥国(むつのくに)への関所が置かれた重要な拠点である。小峰城は、平安末期、源頼朝の命を受け、奥州藤原氏攻めで功を挙げた結城朝光の子孫、結城親朝が14世紀中頃に築城したのが始まり。江戸時代になると、織田信長の重臣であった丹羽長秀の子・長重が初代白河藩主となり、4年の歳月を費やして城を大改修。1632年(寛永9)に石垣をめぐらした平山城が完成した。「寛政の改革」で知られる松平定信らが居城するが、1868年(慶応4)の戊辰戦争白河口の戦いで落城した。
復元された櫓と門は必見
本丸と二之丸を総石垣造りとした城は、東北を代表する近世城郭であり、盛岡城、若松城と並ぶ「東北三名城」に数えられる。明治維新から120年余り、石垣と堀の一部が残るのみであったが、平成に入り三重櫓が1991年(平成3)に、前御門が1994年(平成6)に、発掘調査や江戸時代の絵図をもとに木造で復元された。2010年(平成22)には国の史跡に指定されたが、翌年、東日本大震災で城郭各所の石垣が崩落するなどの甚大な被害を受けた。修復にあたっては、被災前の写真をもとに石材の元の位置を特定。石垣背面の構造も伝統的な工法で復旧作業を行い、2019年(平成31)に崩落したすべての石垣の修復を完了した。
城の歴史を紹介する「小峰城歴史館」
白河小峰城を知るために、まず城山公園の一角にある「小峰城歴史館」へ寄ってみよう。展示室1では、パネルや映像で城の歴史をわかりやすく解説している。興味深いのは、城主・松平定信時代、19世紀初めの城郭のジオラマ。小峰城は、丘陵を生かした梯郭式(ていかくしき)の城といわれるが、丘の最上部に本丸が位置し、本丸を守るように低い位置に二之丸、三之丸、堀がめぐらされ、まさにはしごのようになっているのがわかる。VRシアターではCGで復元した江戸時代の小峰城を270度の3面スクリーンで見ることができる。展示室2と3では、小峰城を居城とした歴代城主の歴史をものがたる古文書や、美術工芸品などが展示されている。
白河小峰城公園の見ておきたいスポット
復元された三重櫓は三層三階で、建っていた本丸の北東部の同じ場所に復元された。櫓はもともと武器や食料を貯蔵するために使われていたと考えられており、小峰城の三重櫓も江戸時代には書庫として使われていたようだ。隣接する前御門は本丸の正門にあたり、石垣の上に門櫓を渡した「櫓門」の構造となっている。また、本丸より東に延びる丘陵の北東には高さ5.6m、長さ240mの長大な石垣が築かれており、令和4年度に開通した国道294号線バイパスから一望することができる。
スポット詳細
- 住所
- 福島県白河市郭内 地図
- エリア
- 郡山・須賀川・白河エリア
- 時間
-
【三重櫓】
[4-9月]9:00-17:00
[10-3月]9:00-16:00
【歴史館】
9:00-16:30(入館は16:00まで) - 休業日
-
[三重櫓]年末年始
[歴史館]月(祝日の場合は開館)、祝日の翌日、年末年始 - 料金
-
[三重櫓]無料
[歴史館]一般300円、小中高生100円、障がい者100円 - 駐車場
- あり(100台)
- クレジットカード
- 可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
情報提供: ナビタイムジャパン