寒風山

回転展望台から360度パノラマの絶景を望む男鹿のシンボル

男鹿半島の付け根に位置する標高355mの火山。山全体が緑の芝生に覆われた美しいフォルム。頂上まで続く寒風山パノラマラインをドライブしながら、眼下に広がる入道崎の海岸線や大潟村の田園風景を堪能。

天気が良い日は遠くに鳥海山や白神山地も見える

寒風山は、日本海に突き出した男鹿半島の入り口付近にそびえる標高355mの火山。山肌を覆う緑の芝生となだらかな曲面が織りなす美しい景観をつくり出している。かつてここを訪れた大正時代の地理学者である志賀重昴(しがしげたか)は「アメリカのグランドキャニオン、ノルウェーのフィヨルドに並ぶ世界三景のひとつ」と語ったともいわれる。2011年(平成23)には男鹿半島・大潟ジオパークとして認定され。定期的に芝刈りを行ってその美しい姿を保全している。

春にはアズマギク、夏にはヤマユリ、秋にはセンブリなどの花が咲く

寒風山のふもとから林道を走ること10分ほど。寒風山パノラマラインと呼ばれる気持ちの良いドライブコースを進んだ先に、目的地の回転展望台が見えてくる。手前の無料大駐車場に駐車して、なだらかな階段を5分ほど登ると山頂に到着。緑の芝生と背の低い草花しか生えていないため、視界をさえぎるものなく男鹿半島や八郎潟の干拓地、日本海の海岸線を眺められる。山頂付近には周囲6kmの穏やかなトレッキングコースがあり、お手軽登山も楽しめる。また寒風山は強い海風と安全な芝生山という条件がそろっているため、全国有数のパラグライダーのメッカとして知られている。

1階展望レストランでは男鹿の塩ソフトクリームが人気

回転展望台1階の入場無料ゾーンには秋田の名物土産が並ぶ売店と、絶景を眺めながら秋田の郷土料理を堪能できるレストランを併設している。1階奥にある受付で入場料を払ってから、いざ回転展望台へ。ちなみに2階は八郎潟を干拓した当時の写真パネルを観賞できる展示ホール、3階は男鹿半島の歴史、自然、地理にまつわる標本や文物を紹介する資料展示室になっている。4階の回転展望台に到着すると、ガラス窓の外に広がる絶景に目を奪われる。床が少しずつ動いており約13分間で一周する仕組みだ。

男鹿や秋田の名物グルメも買える1階「おみやげプラザ」

360度見渡せるガラス張りの4階回転展望台からの眺め

東側には八郎潟の広大な田園風景が、南側には秋田市内から男鹿半島へ美しい曲線を描く海岸線が続き、天気が良いと遠くに鳥海山も眺められる。西側には男鹿半島で最も高い本山やナマハゲ発祥の真山、そして入道崎。北側には世界遺産の白神山地が眺められるという非日常のひととき。ベンチに腰をかけたり望遠鏡を眺めたりと、まるで空中に浮かんでいるような浮遊感を感じながら360度見渡す大パノラマの風景を堪能できる。

日本海に沈む夕日を眺められる時間もおすすめ