喜多方蔵の里

歴史的建造物

喜多方独自の蔵文化と町並み、郷土史を伝える資料館

貴重な7棟の蔵と、県の重要文化財である古民家2棟を移築した施設。蔵の内部は展示室になっていて、縄文時代からの喜多方の郷土史や喜多方出身の偉人について解説されている。

旧冠木(かぶき)家店蔵は受付兼土産物店として活用されている。赤べこグッズなど、福島の特産品も並ぶ} 旧冠木(かぶき)家店蔵は受付兼土産物店として活用されている。赤べこグッズなど、福島の特産品も並ぶ

喜多方の「蔵めぐり」はここから

蔵のまち喜多方で、じっくり「蔵めぐり」をしたい人も、コンパクトに短時間で蔵を見たい人にもおすすめなのが、喜多方蔵の里だ。「蔵めぐり」の定番スポットといえる「レトロ横丁商店街」の南端から西へ1kmほど行ったところにあり、喜多方の代表的な蔵と歴史的な古民家をいっぺんに観ることができる。かつて喜多方は会津の北にあることから「北方」と表記され、江戸時代は米や農産物、日用品などさまざまな物資の集散地であった。それらを保管するため随所に蔵が建ち、蔵はやがて倉庫以外の目的でも利用されるようになった。蔵の里では喜多方の郷土史を知ることもできて、町と「蔵めぐり」のオリエンテーションに最適。ここを見学してから町歩きを始めよう。

駐車場の西に面した旧東海林(しょうじ)家酒造蔵。郷土資料館になっていて、1階と2階を見学できる} 駐車場の西に面した旧東海林(しょうじ)家酒造蔵。郷土資料館になっていて、1階と2階を見学できる

喜多方に蔵が多いわけ

喜多方市内には4000以上の蔵が点在するが、倉庫としての蔵以外の用途が多いのが特徴だ。温度や湿度が安定している蔵は酒や味噌などの醸造所として、またうるし塗りの作業場としても適していた。1880年(明治13)に発生した大火も蔵が増えた要因のひとつ。約300棟の民家が焼失したにもかかわらず蔵は焼け残り、その耐火性が見直されたのだ。さらに喜多方ならではの気風が挙げられる。「40代で蔵を建てられないのは男の恥」とまでいわれたという。また蔵造りの職人が多かったことも好都合だった。これらの予備知識をもって「蔵めぐり」をすれば、蔵に対する喜多方の人の心意気が今でも脈々と受け継がれていることがわかるだろう。

右は母屋そのものが蔵になっている座敷蔵。中央に見える勝手蔵とは瓦屋根で連結されている} 右は母屋そのものが蔵になっている座敷蔵。中央に見える勝手蔵とは瓦屋根で連結されている

蔵の里は蔵のショーケース

クラシックな円筒形の赤いポストが目印の旧冠木家店蔵は明治初期のもので、三方に下屋がある二重屋根形式の建物。呉服屋として使われていた。座敷蔵には居間と書院座敷、前室があり、店蔵から座敷蔵、勝手蔵と続くのは喜多方商家の典型的なスタイル。中庭を囲む5つの蔵は展示室にもなっている。旧猪俣家穀物蔵は喜多方を代表する均整のとれた蔵で、内部は慈善活動に生涯を捧げた喜多方出身の瓜生岩子が紹介されている。旧井上家穀物蔵は会津型紙の資料室。喜多方は伊勢白子、京都、江戸と並ぶ染め型紙の産地だった。2階吹き抜けのある旧唐橋家味噌醸造蔵には、蔵を撮り続けた金田実氏の写真が展示されている。

旧猪俣家穀物蔵には瓜生岩子に関する展示がある。孤児や貧しい人のために施設を建設するなど慈善家として生きた} 旧猪俣家穀物蔵には瓜生岩子に関する展示がある。孤児や貧しい人のために施設を建設するなど慈善家として生きた

会津型紙に使われる和紙は良質で、柿渋を塗り重ねた渋紙は強度も防虫効果もあった} 会津型紙に使われる和紙は良質で、柿渋を塗り重ねた渋紙は強度も防虫効果もあった

県重要文化財・旧外島家と旧手代木家の住宅

蔵の里には江戸時代後半からの古民家も復元されている。郷頭屋敷旧外島家住宅の「郷頭」とは、ほかの地域では大庄屋と呼ばれる村々を統括した最上層の農民のこと。茅葺き屋根と曲がり棟の建物は1771年(明和8)の建造とされている。当時の建物をほぼ原型のまま再建できるのはとても珍しいそうだ。道路を挟んだ向かいには、白壁が印象的な旧東海林家酒造蔵と、肝煎(きもいり)屋敷旧手代木(てしろぎ)家住宅が見える。酒造蔵はかつて銘酒「白山」が醸造されていた蔵で、その後倉庫として使われた。肝煎屋敷の肝煎とは、江戸時代の村の世話役のことを指した。鍵型の造りで、1868年(明治元)に発生した農民一揆のときの柱傷が残る。

1990年(平成2)に復元された旧外島家住宅。豪雪地帯で冬に馬の世話をするために、曲がり棟部分が馬小屋になっている} 1990年(平成2)に復元された旧外島家住宅。豪雪地帯で冬に馬の世話をするために、曲がり棟部分が馬小屋になっている

スポット詳細

住所
福島県喜多方市押切2-109 map map 地図
電話番号
0241226592
時間
9:00-17:00(最終受付16:30)
休業日
年末年始
料金
[入館料]大人400円、小・中・高校生200円
駐車場
あり(喜多方プラザ文化センター駐車場)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
可(段差があるため、事前連絡が必要)
乳幼児の入店
ペットの入店
可(大型犬は不可、小型犬は抱いてください)
雨の日でも楽しめる
はい(備え付け貸出用傘あり)

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 民俗資料館
    4.0 投稿日 : 2020.04.11
    蔵の町喜多方の蔵について学ぶことができる民俗資料館です。実際の蔵に資料が展示されているため、より深く学ぶことができます。
  • 蔵に歴史を感じます。
    3.0 投稿日 : 2020.02.07
    さすがです。見事です。色々な蔵造りの街並みを見てきましたが,ここはみんな本物ですので、最高です。歴史を感じました。ラーメンも美味しくて最高ですけど、蔵の街並みも最高です。また、行きたいですね。
  • 昔の喜多方の街並みを再現
    4.0 投稿日 : 2019.07.17
    喜多方市の名家から移築した店蔵、味噌蔵、穀物蔵、座敷蔵など8棟の蔵と郷頭屋敷、肝煎屋敷の曲屋が立っています。蔵の中も見学でき、内装の立派さにも驚きました。ガイドによる施設の無料案内(約40分)がありますので時間に余裕があれば、是非利用することをお勧めします。

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アクセス

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最寄り

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