千畳敷海岸
なだらかな岩棚が一面に広がる絶景スポット
大地震で隆起した岩棚
津軽半島を日本海に沿って南下し、鯵ヶ沢町から西に17kmほど行くと、深浦町大戸瀬崎に到着。ここに広がるのが、1792年(寛政4)12月28日の大地震で、地盤が隆起してできた岩床の海岸「千畳敷海岸」だ。この景色を物珍しく思った当時の津軽藩主が、ここに千畳の畳を敷き詰めて大宴会を開いたとの言い伝えがあり、この名がついた。当時は藩主専用の避暑地であったため、一般の庶民は近づけなかったといわれる。実際に歩いてみると固い岩盤ではなく、踏み固められた砂地のような印象を受ける。波に浸食されてできた岩の亀裂から勢いよく波が噴き出すことがあり、高いときには2mもの高さに達する。また、日本海に沈む夕日がパノラマ状態で見られることから、「日本の夕陽百選」にも選ばれている。
海水浴をしたいなら「海水プール」で
千畳敷海岸付近は、太古より地盤の隆起が頻発していたと見られ、引き潮の際には周辺に似たような岩棚が数多く現れる。国道から岩棚の端までは100mほどもあり、近くの浜では最長で200mもの岩棚が見られることも。隆起海岸のため急に深くなる場所が多く、自然の状態では海水浴には適していないのだが、人工的にコンクリートで囲ったプールが造られており、ここで海水浴を楽しむ人も多い。海岸だけに夏の観光イメージが強いが、冬には駅側にそびえる丘の斜面に、しみ出した地下水が凍ることで「氷のカーテン」ができるため、それ目当てにやってくる観光客もいる。人気列車「リゾートしらかみ」も、この周辺では景色を楽しむために徐行運転をする。
新鮮なイカ焼きもオススメ
深浦町は、「ふかうらマグロ」や幻の魚「イトウ」で有名。しかし千畳敷海岸は、面積の広い深浦町のなかでもイカの産地である鰺ヶ沢町に近い。そのため、千畳敷海岸の周辺では、イカ漁の季節になると鰺ヶ沢町と同じようにイカをきれいに並べ干しているようすがあちこちで見受けられる。干されたイカは、まるでのれんやカーテンのようだ。イカ漁も盛んに行われていて、最寄りの道の駅ではイカ焼きが名物。旬の時期には多くの地元民や旅行者が立ち寄り、賑わいを見せる。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン