三春滝桜

桜の名所

1000年の時を経てもなお生命力あふれる、日本を代表する桜

全国にあまたある桜のなかで岐阜の淡墨桜(うすずみざくら)、山梨の神代桜(じんだいざくら)とともに「日本三大桜」と称される。その巨大さ、枝ぶりの壮麗さ、樹勢と花付きのよさは、推定樹齢1000年以上とは思えないほどパワーにあふれている。

開花期にはライトアップされ、大勢の見物客が幻想的な姿に酔いしれる} 開花期にはライトアップされ、大勢の見物客が幻想的な姿に酔いしれる

3つの春が同時に訪れる町へ

福島県最大の都市である郡山市から東へ10分も車を走らせると、県道はうねうねと続く山道となって三春町へ入る。春に梅、桃、桜の花がいっせいにほころぶことから名付けられたという静かな山里は、毎年4月に入るとにわかに活気づく。観光バスやシャトルバスが行き交い、850台も停められる無料駐車場は連日満杯になる。お目当ては1本の桜の老木。今年の満開はいつになるか、天気はどうか、話題の中心は滝桜だ。全国各地のナンバープレートの並ぶ駐車場をあとにして、ゲートをくぐる。細い坂道の両側には軽食や土産物の屋台が出ていて、桜の苗を売る露店まである。3分ほど上ると周囲の人々から歓声が上がった。主役の登場だ。菜の花に囲まれた滝桜は、四方八方に伸びた枝を地面にまで垂らし、滝の水しぶきのごとく花があふれる。樹齢1000年以上ともいわれるが、老いを感じさせない樹勢は奇跡的。この木に惚れこみ、懸命に守ってきた人々のおかげに違いない。

背後の丘に咲く桜も必見。階段を上がると西側の展望が開け、晴れていれば残雪輝く安達太良山(あだたらやま)も見える} 背後の丘に咲く桜も必見。階段を上がると西側の展望が開け、晴れていれば残雪輝く安達太良山(あだたらやま)も見える

例年の見頃は4月中旬だが、過去6年間の満開日は4/1~19と幅がある。公式サイトなどで確認を} 例年の見頃は4月中旬だが、過去6年間の満開日は4/1~19と幅がある。公式サイトなどで確認を

老木は歴史を語らず

三春滝桜(みはるたきざくら)はエドヒガンの変異種で、花色の紅が強く枝垂れる形状のベニシダレ。1645年(正保2)にはすでに巨木であったとか、1835年(天保6)には全国に知れわたっていたといわれ、江戸時代には三春藩の御用木として手厚く保護された。一方、樹齢についてはいまだにはっきりしていない。昭和時代には根元に人の入れるほど大きな空洞が開いていたが、やがて気根が伸びてきて穴をふさいでしまったという。このことから通常とは逆に木の中心部が若い可能性が高く、年輪や炭素測定による樹齢の推定ができない。研究者によると、三春各地にある滝桜の子孫樹のなかに室町時代のものがあるため、その親である滝桜の樹齢は1000年程度と考えられるそうだ。

樹高13.5m、根回り11.3m。東西約25m、南北約20mに枝を広げ、枝垂れた枝先は地表近くに達する} 樹高13.5m、根回り11.3m。東西約25m、南北約20mに枝を広げ、枝垂れた枝先は地表近くに達する

100周年記念事業と滝桜の子孫巡り

滝桜は1922年(大正11)、桜の木として初めて国の天然記念物に指定され(登録名称は三春滝ザクラ)、皇居宮殿の正殿松の間を飾る杉戸絵のモデルにもなっている。2022年(令和4)は、天然記念物指定100周年を記念してグランドマッピング、町内7か所の桜ライトアップ、スタンプラリー、マラソン大会、クラシックコンサートなどさまざまなイベントが行われて盛り上がった。

2022年(令和4)に実施されたグランドマッピング。人が近付くと花びらとチョウがひらひらと舞う} 2022年(令和4)に実施されたグランドマッピング。人が近付くと花びらとチョウがひらひらと舞う

御朱印ならぬ御桜印(300円)。和紙を使用した天然記念物指定100周年記念版(500円)も発行された} 御朱印ならぬ御桜印(300円)。和紙を使用した天然記念物指定100周年記念版(500円)も発行された

三春町の内外には滝桜のほかにも数多くの枝垂れ桜があるので、車で回ってみるといい。郷土史家の調査によると、滝桜から半径10km以内だけでも根回り1m以上のベニシダレが420本以上あるという。その多くは滝桜の実を食べた鳥が離れた場所でフンをして、中にあった種が芽吹いたものと考えられている。また、人の手によって植えられた子孫樹もある。三春藩では滝桜を大切な資源ととらえ、挿し木や接ぎ木で増やすとともに、藩の外への持ち出しを禁じた時代もあった。現在では周辺の農家数軒が滝桜の繁殖を行っており、日本各地や海外へも植樹が広がっている。なお、桜以外の季節に滝桜の様子を見に訪れる人もいる。売店などは閉まってしまうが、滝桜のすぐ近くにある駐車場とトイレは年中使用できる。静寂の中に凛と立つ姿も味わい深い。

滝桜から車で約10分の「上石(あげいし)の不動桜」は樹齢約350年。不動堂は幕末に寺子屋として使われていた} 滝桜から車で約10分の「上石(あげいし)の不動桜」は樹齢約350年。不動堂は幕末に寺子屋として使われていた

さくら湖近くの丘にある「夫婦桜」。寄り添う2本の枝垂れ桜がヤマザクラ、ハナモモと咲き競う} さくら湖近くの丘にある「夫婦桜」。寄り添う2本の枝垂れ桜がヤマザクラ、ハナモモと咲き競う

スポット詳細

住所
福島県田村郡三春町大字滝字桜久保 map map 地図
電話番号
0247623690
時間
6:00-21:00
※観桜期間のみ
休業日
無休
※観桜期間のみ
料金
[観桜料]300円(中学生以下無料)
※観桜期間のみ
駐車場
あり(850台、大型駐車可)
※無料
※観桜期間のみ
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、nanaco、WAON、楽天Edy)
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円
滞在目安時間
0-30分
車椅子での入店
乳幼児の入店
ペットの入店
備考
※電話番号は株式会社 三春まちづくり公社宛て

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 滝桜は福島県の桜の名所の一つ。たくさんの観光客で賑わいます♪
    4.0 投稿日 : 2023.04.01
    滝桜は大きいけど裏からも見たい。駐車場をもっと多くしないと満車になってしまいます。フードコーナーも同じく。
  • 空間全体に桜が広がって見える、本当に立派な桜でした。
    4.0 投稿日 : 2023.04.01
    初めて三春の桜を見ました。これは本当に立派です。空間全体を覆い尽くすように桜の花が広がっています。どの角度から見ても素晴らしさを感じます。他の桜と比較しても大きいように感じます。日も良くあたる場所で、桜によっても良いと思います。地域の食事を楽しめる場所もあり、本当に良い場所です。混んでいましたが、バスを使うと便利内容に思います。
  • 開花4日目にして満開
    4.0 投稿日 : 2023.03.31
    開花には早すぎると思っていたら、温かい日が続き、開花4日目にして満開。テレビ中継において見頃との情報を得て、南東北花巡り最終日に急遽予定追加。人気故、来訪者が多すぎるのが難点ではありますが、人気なりのさくら名所100選です。

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アクセス

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