仏ヶ浦
秘境の地と呼ばれる、海辺にたたずむ異形の断崖群
長らく世に知られなかった秘境
仏ヶ浦は下北半島の西岸に位置する、佐井村が誇る景勝地。遥か遠い昔、海底火山により噴出した火山灰が押し固められ、長い年月をかけて荒波や雨で削り取られてできたとされている。仏ヶ浦は、90mを超す断崖や天に突き出した奇岩が約2kmにわたり連なっている。その地形から、陸路から近づくことが困難な地であったため、地元の人たちの間でひっそりと伝え知られるのみの場所だった。1922年(大正11)、仏ヶ浦を訪れた詩人の大町桂月(おおまちけいげつ)がこの景観に驚嘆。「この世のものとは思えない」といった和歌を詠んだことで、徐々に世に知れ渡ったといわれている。また、ここは下北半島にある「霊場恐山」の奥の院とも呼ばれ、霊界への入り口と紹介されることもある。あまりに長大な景観のため、海上からでないと全体像の把握が難しく、船で上陸するのがいちばん安全なルートだ。
青緑の海面に映える岩肌
仏ヶ浦の奇岩群は「五百羅漢」や「屏風岩」「帆掛岩」など、おもに12の見どころや名前のつけられたスポットがある。その一つひとつが独創的で、上陸するものを迎え入れようとする岩、逆に人の侵入を拒むかのような岩がそびえ立ち、角度や気分などによっても印象が異なる豊かな表情を見せてくれる。時折、波の音が聞こえるだけという静寂が訪れると、外界との接触を断たれたような異世界を思わせる空間を前に、鳥肌が立つのを感じる人もいる。仏ヶ浦はその奇岩群にばかり目が行きがちだが、奇岩をより際立たせるのが、この岩の性質。空気中では白く見えるが、水中では青緑色に見えるため、仏ヶ浦の海面が鮮やかに彩られ、そびえ立つ岩々をいっそう浮かび上がらせるという。
陸上からのアクセスは覚悟を要する
仏ヶ浦へのアクセスは、もっぱら船での上陸が主流かつ安心安全。いくつかルートはあるが、仏ヶ浦と大間崎の間に位置する佐井村の交流施設「津軽海峡文化館アルサス」前の佐井港を発着する船、下北半島の南西部にある脇ノ沢港を発着する船、この2つが一般的なルートだ。海上ルート以外に、陸路からのアクセスができないわけではない。車の場合、駐車場から約300mの遊歩道を下っていくのだが、高低差が100m以上もあるため、帰りの上りが相当きつく、覚悟が必要。時間にすると行きの下りは約20-30分、帰りは人によって1時間近くかかる場合もある。特に徒歩でアクセスする場合、仏ヶ浦には店や自販機などがないため、上りの水分補給用の飲み物は必ず用意しておこう。
スポット詳細
- 住所
- 青森県下北郡佐井村 地図
- エリア
- 八戸・下北半島エリア
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- 滞在目安時間
- 120分以上
情報提供: ナビタイムジャパン
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