禄剛埼灯台
能登半島の最先端に立つ白亜の灯台
海から昇る朝日と沈む夕日を望む
狼煙(のろし)バス停すぐ近くの登り口から400m。やや急な坂を5分ほど登ると、視界の開けた広場が現れる。さらに奥に進めば、お目当ての禄剛埼灯台がある。どこまでも広がる青い海と空に挟まれ、高さ約12mの白亜の灯台はひときわ目を引く。能登半島の最先端に立つシンボルであり、息をのむほどの絶景を求めて多くの人が足を運ぶ。開放的な雰囲気の昼間はもちろん、早朝や夕方に訪れてみるのもおすすめ。ここは海から昇る朝日と海に沈む夕日が見られる数少ない場所であり、オレンジ色に染まる海と灯台が織りなす光景は、忘れられない能登の旅のワンシーンとなることだろう。
1883年(明治16)に初点灯、140年にわたって海を照らす
この石造りの灯台が建造されたのは、1883年(明治16)にまでさかのぼる。明治の面影を色濃く残すモダンなデザインが印象的だ。灯台の灯りは当初、灯油を燃やしていたが、1940年(昭和15)に電化された。さらに、1963年(昭和38)までは灯台守が常駐しており、無人となった現在も最果ての地で海を照らし続けている。禄剛埼灯台は140年近くにわたって航海の安全を守り続けてきた歴史から、経済産業省の「近代化産業遺産群」にも認定されている。
東京まで302km、上海までは1598km
"禄剛埼灯台の周辺には、さまざまなモニュメントや看板も設置されている。たとえば、ユニークなのがここを基点にした案内看板だ。東京や上海、釜山、ウラジオストクの各都市までの距離と方角を指し示しており、日本海でつながる""世界""を感じさせてくれる。ほかにも、日本の重心となる富山湾に最も近い陸地であることから「日本列島ここが中心」と刻まれたレリーフがあったり、1961年(昭和36)に奥能登を巡った俳人・山口誓子が詠んだ歌の碑が立っていたりと、一つひとつをじっくりと見て歩くのも楽しい。"
道の駅狼煙は豆腐が自慢
禄剛埼灯台の登り口周辺には、土産物店や飲食店などの施設もそろっている。すぐそばにある道の駅狼煙の看板商品は、この地域ならではの豆腐だ。地元で栽培する大浜大豆と、市内で続く揚げ浜式製塩法で生まれる天然にがりを使った逸品は、コクのある濃厚な味わいだ。また、禄剛崎と珠洲市高屋町までの10.7kmは岬自然歩道として整備されている。岩礁地帯や自然林、砂浜など変化に富んだ奥能登の自然を満喫できるルートで、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選ばれている。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン