長町武家屋敷跡
藩政期の暮らしが感じられる、中級藩士の生活エリア
小路を歩けば江戸時代にタイムスリップ
金沢の中心部・香林坊(こうりんぼう)の西側に、繁華街の近くとは思えないほど静かな空間が広がる。江戸時代に加賀藩の中級武士たちが屋敷を構え、家族と住んでいた長町武家屋敷跡だ。石畳の道を挟んで両側に黄土色の土塀と長屋門が並び、散策すると、まるで侍の時代に迷い込んだかのような気分に浸れる。敵に攻め込まれたときに備え、袋小路やカギ型に曲った小路が所どころにあるのも特徴。当時の兵法に基づいた町割りがされ、時を超えて今に受け継がれている。これらほとんどの屋敷に現在も人が住み生活しているのがいかにも金沢らしいところ。屋敷内や庭園を見てみたい場合は、一般公開している武家屋敷跡野村家を訪れるのがおすすめだ。
左側の土塀の屋根の上に屋敷内の木々がのぞき、反対側の土塀に影を映す。印象的な写真が撮れそうだ
用水が町に潤いをもたらす
景観の主役となっている土塀は、土に砂利を混ぜて突き固め、そこに板を張ってさらに黄土色の泥を塗り固めてある。美しさの下に、戦に耐える堅牢な造りが隠れている点は、まさに武家屋敷らしい。また、界隈を流れる大野庄用水が長町武家屋敷跡の情趣を引き立てている。同用水は、農地の灌漑(かんがい)や物資運搬、防火、消雪などを目的に犀川から水を引き入れて造られた。日用品などさまざまな荷物を舟で運んだことから、御荷川(おにがわ)とも呼ばれていた。その水音は心地良く、夏には涼を届けてくれる。また、用水を屋敷内庭園の曲水として引き込む家もあり、入場無料の旧加賀藩士高田家跡では、用水の水を生かした池泉(ちせん)回遊式庭園を鑑賞できる。
金沢で最も古い用水とされる大野庄用水。江戸時代初期に完成した
曲がり角にある不思議な石は雪国の知恵
水分を多く含んだ雪が降る金沢では、積雪によって土塀の土が傷む恐れがある。これを防ぐため、長町武家屋敷跡では毎年12月上旬に、薦(こも)と呼ばれる藁で編んだムシロを土塀に取り付ける「薦掛け」が行われる。雪吊りと並ぶ金沢の冬の風物詩だ。また、小路の曲がり角に目立つように立っている「ごっぽ石」も、実は雪国ならではの知恵だ。降雪時に下駄で歩くと、下駄の歯に雪が詰まり、歩きにくくなる。そこで、挟まった雪をごっぽ石を使って落とすのだ。このほか、長町武家屋敷跡には、武士や商人の暮らしを垣間見ることができる金沢市足軽資料館や金沢市老舗記念館などがあり、見学すればより立体的に金沢の魅力が見えてくるだろう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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