北方文化博物館
日本の美に酔う、100畳敷の大広間から眺める庭園
8年の歳月をかけて建てられた豪農の館
新潟随一の大地主として名を馳せた伊藤家がかつて暮らしていた近代和風建築。1756年(宝暦6)から約250年続いてきた伊藤家は、1908年(明治41)には所有する土地が1385万平方メートル(東京ドーム約300個分)にまで広がり、約60人もの住み込みの使用人を抱えていた。1889年(明治22)、5代伊藤文吉の時代に8年の歳月をかけて完成した延べ床面積3967平方メートルの邸宅は、65もの部屋数を数える。1946年(昭和21)より戦後の私設博物館第1号として新たな道を歩みはじめ、7代・8代当主が収集した国内外の古美術品を多数展示する博物館として現在多くの人を迎え入れている。
大胆かつ荘厳なスケール感に息をのむ
邸内の大きな見どころが、100畳敷の大広間だ。かつては冠婚葬祭のみでしか使用されなかった空間であり、パノラマビューの庭園とつながる連続性と解放感が心地いい。建築には30mの一本杉の丸桁をはじめ、会津から取り寄せたぜいたくな材料がふんだんに取り入れられ、当時の伊藤家の勢いを感じることができる。邸宅と米蔵に展示されている古美術品のコレクションは、地域の歴史を知るものから縄文土器、さらには東アジアのものまで幅広い。敷地内にある茶室・三楽亭は、三角形の形をした非常に珍しいもので、見学の際は必見だ。
大広間と敷地中央の藤棚の風情がアニメのシーンと似ていると話題に
稀代の庭師が整えた庭園と樹齢150年の大藤棚
大広間の臨む庭園は、昭和20年代から約5年を費やし、新潟県柏崎市出身で全国有数の庭園修復を手がけた庭匠・田中泰阿弥(たなかたいあみ)の傑作と呼ばれる作品。茶会を開くのにふさわしい品格を備えた池泉回遊式の庭で、池や石、植栽や水の流れなど見る位置によって景色が変化し、パワースポットと呼ばれる御影石もある。敷地中央にどっしりと構えるシンボルともいうべき80畳もの大フジ棚は樹齢約150年を数えており、5月の初旬に盛大に咲き誇り、甘い香りを漂わせ訪れる人をもてなしてくれる。
新潟らしいのどかな田園風景に心が洗われる
農業の盛んな沢海地区にある北方文化博物館の西側に広がるのは、新潟らしい田園風景。肥沃な阿賀野川の土で育った甘いとうもろこしや根菜類も名産なので、お土産に新潟の農産物を買い求めてみるのもいい。周辺には荘厳な寺社が立ち並び、そのうちのひとつ隆明山大栄寺(だいえいじ)は新潟県唯一の曹洞宗の修行僧のための道場。一般の人も事前に問い合わせると、修行僧のお勤めの様子を見学し、参禅(座禅)に参加することができる。日本に受け継がれる建築美や精神をじっくりと堪能し、心を癒やす一日を過ごしてみては。
スポット詳細
- 住所
- 新潟県新潟市江南区沢海2-15-25
- エリア
- 新潟・阿賀エリア
- 電話番号
- 0253852001
- 時間
-
[4月-11月]9:00-17:00
[12月-3月]9:00-16:30 - 休業日
- 年中無休
- 料金
-
[入館料]大人800円、小人400円
※団体(20名以上)は100円引き - 駐車場
- あり(200台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 60-120分
- 車椅子での入店
- 可
- ペットの入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン