狐の嫁入り屋敷

自由な発想でお面のデザインを考えて塗ってみよう

最初に訪れたい阿賀町の観光情報発信拠点

かつて代官所のあった場所に建つ「狐の嫁入り屋敷」は、人がいないはずの山の中で火が点滅するように燃える「狐火」の伝説から生まれたイベント「狐の嫁入り行列」をテーマにした施設だ。イベントに関する展示にとどまらず、体験コーナーや農家レストラン、お土産コーナーなど阿賀町の魅力がここに集約されており、館内の阿賀町観光協会では観光や飲食など地元ならではの情報を入手できる。地元阿賀町産の建材がふんだんに使われた開放感あふれる空間は、そばに流れる常浪川(とこなみがわ)と阿賀野川、そして麒麟山(きりんざん)の雄大な眺めを楽しめる、心地良くのんびり過ごせるスポットだ。

狐の嫁入りをモチーフとしたアート作品や狐のはく製も展示されている

地域に伝わる幻想的な狐の文化に触れる

施設の名前にもなっている「つがわ狐の嫁入り行列」は30年前に始まり、毎年5月3日に開催されているふるさとイベント大賞優秀賞も受賞した一大イベントだ。狐のメイクをした白無垢姿の花嫁が、同じく狐のメイクをした108人のお供を連れて、提灯が照らし出す幻想的な街中を練り歩き、麒麟山公園で待つ花婿との披露宴が執り行われる。人口1万人ほどの町だが、この日は全国から5万人もの参列者が祝福に集まる。また、この日は行列参加者だけではなく警察や鉄道職員にも狐のメイクが施される。狐の嫁入り屋敷では当日の写真や花嫁衣装、由来となった江戸時代の嫁入り行列のジオラマなどが展示されているほか、全国の狐関連イベントの資料も展示されているので、違いを見比べるのもおもしろい。

狐の嫁入り行列で花嫁が身に着ける白無垢

ひと言で「狐」といっても、地域によって顔つきが異なる

オリジナルの狐のお面作りに挑戦！

同館の人気プログラムが「狐面の絵付け体験」だ。会津の職人が作った真っ白な張り子の狐のお面に自由に色をつけることができる。アニメのキャラクターからオリジナルのデザインまで好きなように模様を描けるので、旅の思い出としても、個性的なお土産としても魅力的だ。着彩前に練習用の紙に練習ができてていねいな説明も受けられるので、初心者でも安心。会場となる2階の座敷から望む雄大な景色もまた気持ちいい。また、狐の嫁入り行列の際に施される狐のメイクをプロにしてもらうのもここならではの体験だ(要予約)。ホテルのチェックイン前にメイク体験をして非日常のひとときを楽しみ、夜、宿泊先の温泉で落とす人が多いとのこと。

平均すると1時間、長い人だと5時間くらいかけて描くことも

「狐の面づくり体験」の部屋からは、麒麟山を中心としたパノラマビューが広がる

豊かな自然に親しむアクティビティの数々

館内では、ほかにも狐の嫁入り行列を詳しく紹介する映像スペースや、地域の食材を堪能できる農家レストラン、地元のおじいちゃんやおばあちゃんと交流ができる藁細工体験コーナー(※土曜限定)などさまざまな形で地域の文化に触れることができる。屋上の展望台からの雄大な山河の眺めも必見だ。町内に8つある温泉郷の湯巡りや春の山菜採り、夏のキャンプ、秋のきのこ採り、冬のスキーなど、周囲には四季折々のアクティビティがあふれている。地域の文化と季節を味わいながら、オフのひとときをゆっくりと過ごしてみては。

手前の常浪川と合流する阿賀野川流域では、鮎やヤマメ、イワナなどが釣れる