尾山神社

神社

金沢に近代の到来告げた独創的デザインの社

目抜き通りから少し入った場所に鎮座する尾山神社は、街の中心部にありながらも静寂さを保つ神域。江戸から明治へ大転換する時代に、伝統と文明開化それぞれの影響を受けて造られた社は、兼六園と並ぶ金沢のシンボルとなっている。

国重文の神門は日没から22時までライトアップされ、ギヤマンの五彩が美しく輝く} 国重文の神門は日没から22時までライトアップされ、ギヤマンの五彩が美しく輝く

ギヤマンが煌びやかな神門

近江町市場から百万石通り(国道157号)を南へ歩いて約8分、通りからもよく見えるのが尾山神社の正面入り口にあたる神門だ。加賀藩の藩祖・前田利家公と正室のお松の方(芳春院)を祀る同神社の建立は1873年(明治6)と比較的新しく、伝統的な神社とは趣を大きく異なるデザインを随所に見ることができる。なかでも象徴的なのが神社の2年後に建てた神門で、和洋に中国風も加えた和漢洋混合デザインの3層楼門は、国の重要文化財に指定されている。1層目が城の石垣と同じ戸室石を積み上げた3連アーチで、内側の壁は白漆喰を施した煉瓦積み。3層目の大きな窓には4色のギヤマンをはめ込み、ここに明かりを灯し、かつては灯台の役目を担った。頂上の避雷針は現存する国内最古のものだ。このように神門のデザインは当時あまりにも斬新だったため、西洋かぶれと批判する声も多く、その後、数度にわたって改築計画が持ち上がったという。

本殿を囲う玉垣も近代の神社ならではの煉瓦造りになっている} 本殿を囲う玉垣も近代の神社ならではの煉瓦造りになっている

勝負運や子宝など夫婦神のご利益は多彩

神門を抜けて境内に入ると、正面すぐに拝殿がある。祭神の利家公は、織田信長配下だった青年期に「槍の又左」の異名をとり、その後も戦えば必ず勝ち、一戦ごとに領国を拡大、壮年期には日本に伝来したばかりの算盤を使いこなしたことから勝負運や文武両道のご利益があるとされる。さらに、もう一柱のお松の方との間に2男9女をもうけたこともあり、縁結び、夫婦円満、子宝のご利益もあるとされている。ちなみに、お松の方を祀るようになったのは1998年(平成10)と平成に入ってからだ。拝殿ではお参りだけでなく、極彩色の天井や欄間にも注目したい。尾山神社の敷地はもともと金沢城の一部で、隠居した藩主が住む金谷御殿の跡地だった。そうしたこともあって、拝殿は天井や欄間を金谷御殿から移築して建てられている。

もともとは卯辰山麓の卯辰八幡宮で祀っていた利家公を、尾山神社の建立にともない遷座した} もともとは卯辰山麓の卯辰八幡宮で祀っていた利家公を、尾山神社の建立にともない遷座した

背中に母衣を着け十字槍を掲げる、「槍の又左」の異名を誇った頃の利家公像} 背中に母衣を着け十字槍を掲げる、「槍の又左」の異名を誇った頃の利家公像

お松の方は、徳川家康が天下を取り前田家が危機に陥った際、みずから人質となって夫とともに築いた前田家を守った} お松の方は、徳川家康が天下を取り前田家が危機に陥った際、みずから人質となって夫とともに築いた前田家を守った

隠居藩主が愛でた美しい庭

お参りが済んだら境内を少し散策してみよう。拝殿から右に進むと祭神の利家公の像とお松の方の像があり、さらにその奥が神苑になっている。この神苑は金谷御殿の庭園で、通称は「楽器の庭」。古代舞楽の楽器を模した池泉廻遊式庭園で、橋や島、滝を楽器に見立て、「琴橋」「琵琶島」「響音瀑(きょうおんばく)」などと名づけている。さらに奥に進むと、かつて若衆が力比べに使った力石や歴代藩主を祀る金谷神社があり、境内の最奥にはお堀通りに抜ける裏門の東神門と金沢城公園の玉泉院丸庭園と直結する鼠多門橋(ねずみたもんばし)が架かっている。尾山神社の散策を終えたら、そのまま玉泉院丸庭園へ向かってもいいし、長町エリアも徒歩約7分と近い。

神社にかかわりの深い雅楽を象徴的に表現する神苑} 神社にかかわりの深い雅楽を象徴的に表現する神苑

金沢城二の丸の唐門を移築した東神門} 金沢城二の丸の唐門を移築した東神門

スポット詳細

住所
石川県金沢市尾山町11-1 map map 地図
電話番号
0762317210
時間
[境内]24時間
[事務所]9:00-17:00
休業日
無休
料金
無料
駐車場
あり(15台)
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • 河北潟メタセコイヤ並木 石川県河北郡津幡町湖東395
    4.0 投稿日 : 2023.06.12
    河北潟メタセコイヤ並木 石川県河北郡津幡町湖東395.5名で(女性4人)と金沢に行きました。あいにく雨が降り近江町市場/井ノ弥さんで海鮮丼の食事のあと近江町市場近くフルーツパーラーむらはたで一服して街並みの散策は止め、河北潟のメタセコイヤの並木道に行きました。車で並木道を往復しただけですがよかったと思います。近くには桜の並木道もあり桜の季節に再度訪問したら綺麗だと思います。
  • なかなかの神社
    4.0 投稿日 : 2023.04.04
    前田利家公とお松さまを祭らており歴史を感じる国指定重要文化財の神社です。建物もさることながら庭園も素敵です。一度は訪れる価値があります!
  • 由緒ある神社
    4.0 投稿日 : 2023.03.26
    金沢城のすぐ西にある神社で、前田利家と正室お松の方を祀っていることからもわかる通り、金沢を代表する由緒ある神社です。境内にも立派な前田利家公の像があったりもしますが、やはりインパクトではステンドグラスも使われている独特の神門で、興味深かったです。

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました