渡邉邸
庭と建物の調和が美しい「庭屋一如」で優雅な時間を
200年以上前の建築を間近で感じる
渡邉家の初代が関川に家を構えたのは350年以上前の1667年(寛文7)。渡邉邸は、広い土間と石を配置した屋根が特徴的な建物で、基本的に直火の禁じられている重要文化財のなかで、火を焚くことが許されているという珍しい屋敷だ。江戸時代、渡邉邸に米俵を運び込む荷車がすれ違えるように土間を広く設計したといわれている。また、強い風で飛ばされないようにと杉の板の上に石を設置。柱と屋根は緩くつながれていて、地震が起きても屋根の動きが少ない仕組みになっている。重要文化財指定を受ける際、「防虫殺菌のため、家の木材を燻したい」と許可を願い出たため、現在も直火で囲炉裏に火を入れることができるのだという。
多いときで100人以上の小作人を抱え、屋敷内では75人が働いていた
2度の火事に見舞われ、1817年(文化14)に再建された現在の母屋
大工と庭師が作り出した「庭屋一如」の考え
庭と建物の調和がとれて一体となる様子を表す「庭屋一如」。特に大座敷からの景色は圧巻だ。3本の柱が重なる対角線上から見ると屋根が額縁のような効果となり、庭がぐっと寄って見える。また、柏崎市出身の庭匠、田中泰阿弥の手が入った池泉回遊式庭園の名勝は、訪れる人誰をも魅了する。庭園には鶴と亀のように見立てた松や石があり、それらはおもてなしの精神を表している。座敷の中から味わうのも、縁側で庭を眺めるのもまた一興だ。
いたるところに見える大工の遊びごころ
渡邉邸にはいたるところに大工の遊び心が表れている。たとえば、釘の頭を隠す「釘隠し」。大座敷には渡邉家の家紋が、座敷にはコウモリや雁、真向兎(まっこううさぎ)が施されている。また、2階の奥の部屋に入ると左手には朝日が、入ってきた襖には新月が描かれる。そして、入って右手には庭があり、その上には広い空が見え、日が沈む夕焼けを眺めることができるのだ。なんという遊び心だろう。縁起物を重んじた江戸時代ならではの装飾を存分に楽しむことができる。
江戸時代の家屋では大きな釘を見えないようにするため、よく釘隠しを使用した
関川村の歴史を紡ぐ越後米沢街道
関川村の歴史を伝える建物は、渡邉邸のほかにもある。渡邉邸のある表通りは越後米沢街道と呼ばれ、名前のとおり、越後と米沢をつなぐ重要な道だった。1765年(明和2)に建築された大地主の佐藤邸(非公開)や、1789年(寛政元)に建築された商家津野邸(非公開)、1905年(明治38)に建築された渡邉家の分家東桂苑などがある。東桂苑はカフェ利用が可能だ。土・日曜、祝日は地元野菜を使ったスイーツを提供しており、明治の建築技術を集めた建物の中で庭園を眺めながら、ほっとひと息つく時間も心地良い。
スポット詳細
- 住所
- 新潟県岩船郡関川村下関904
- エリア
- 村上・新発田エリア
- 電話番号
- 0254641002
- 時間
- 9:00-16:00
- 休業日
- 年末年始
- 料金
- [観覧料]大人600円、小人250円、未就学児無料
- 駐車場
- あり
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり(簡単なパンフレットあり)
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可(土間のみ入場可)
- 乳幼児の入店
- 可
- ペットの入店
- 可(キャリーケースまたは抱っこすれば同伴可)
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン