白川郷

その他の史跡/建造物

村民の「結」の心がつなぐ日本の美しい原風景

100棟余りの合掌造りを守り続け、美しい日本の原風景を残す「白川郷」。重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、1995年(平成7)にはユネスコ世界文化遺産に登録された集落である。

かつては秘境と呼ばれた豪雪地帯に、茅葺き屋根の合掌造り家屋が現存する} かつては秘境と呼ばれた豪雪地帯に、茅葺き屋根の合掌造り家屋が現存する

世界に誇る日本独自の建築様式

合掌造りとは、「合掌」という名前のとおり、梁(はり)の上に手を合わせたように木材を組み合わせて建築されたもの。また、ススキを使用して造られた、耐久性の高い茅葺き屋根も合掌造りの要素のひとつである。茅葺きの建物は日本各地に分布しているが、養蚕業が主産業だった白川村では屋根が本を開いたような「切妻合掌造り」の茅葺き屋根を採用して、屋根裏で蚕を飼育できる構造になっている。日本の合掌造りが世界に知られるようになったのは、1900年代前半。ドイツの建築家であるブルーノ・タウト氏が合掌造りの建築的価値を評価し、著書に記述したことが始まりだといわれ、現在も世界各地から注目を集めている。

傾度が急な屋根は、豪雪地帯であるこの地ならでは。降り積もる雪の重さから建物を守る} 傾度が急な屋根は、豪雪地帯であるこの地ならでは。降り積もる雪の重さから建物を守る

懐かしい日本の原風景を体験する

白川郷に建つ合掌造りのなかでも、ひときわ目立つのが国の重要指定文化財である「和田家」。建造後、300年もの月日が経った今でも、そこでは生活が営まれている。現在も住居として活用されているが、和田家で代々使われた遺物や民具が並ぶ1階と2階は、見学することが可能。迫力のある合掌造りを間近に見たら、続いて「天守閣展望台」へ。「お食事処 天守閣」の展望台からは、白川村の合掌造りが一望できる。ひとくちに合掌造りと言っても、建物によって窓の形や造りが異なるため、それぞれの特徴を発見するのも一興だ。また、合掌造りの中で昼食を楽しめる食事施設もあるので、風情ある茅葺き屋根の下でゆっくりとしたひとときを体験しよう。

山間に広がる美しい日本の原風景は、今もなお村人によって守られている} 山間に広がる美しい日本の原風景は、今もなお村人によって守られている

昔話のワンシーンを思い起こさせる、のどかな風景が広がる} 昔話のワンシーンを思い起こさせる、のどかな風景が広がる

助け合いながら生活をする「結」の心

先人の知恵を受け継ぎ、現在まで守り続けられる白川郷の合掌造り。白川郷では、昔から住民同士の助け合い「結」の心を大切にしているという。厳密にいうと、「結」は労働を提供してもらった場合、同等の労働をもって返す労働交換のことで、厳しい自然環境の中で人々が助け合って暮らす先人の知恵である。冬は雪に閉ざされ孤立してしまうため、労働交換をしたり、共同作業をしたりと年間を通して村人たちはつながりを大切にしてきたのだそうだ。100人余りの村人がいっせいに屋根に上って作業をする茅葺き屋根の葺き替えは、その代表的な例。かつては冬になると、集落外との交流が途絶えていたが、今では道路交通網が整備され改善されている。それにより生活面や産業面も変化を遂げたが、現在でも村の住人たちが助け合い、結束しながら行われる葺き替えで「結」の精神と伝統が引き継がれている。その一方で地元の次世代の葺き替え師や、他の業者に依頼する家屋も増えつつある。

家屋の横には、屋根に上る際に使用されていた木のはしごがかかる} 家屋の横には、屋根に上る際に使用されていた木のはしごがかかる

白川郷ならではの祭りにも注目

山間部に位置し、独自の文化が発達した白川郷では、今でも歴史ある祭りやイベントが行われている。特に、毎年9月の終わりから10月にかけて開催される「どぶろく祭」は知られたところだ。五穀豊穰・家内安全、村の平和を山の神様に祈る歴史の長い伝統的な祭りで、祭礼には御神酒として古くから受け継がれた技法で造られた「どぶろく」が使用されることから、この名前がついた。祭りの期間には白川村の各地区の神社で、御神幸や白川村の民話にまつわる舞踊などの祭事が行われる。ほかにも5月に開かれる「田植え祭」など、白川郷ならではのイベントが多く開催されているため、訪問する際には、開催時期を確認してみよう。

黄金色にゆれる稲に囲まれた合掌造り。四季折々変わりゆく姿が美しい} 黄金色にゆれる稲に囲まれた合掌造り。四季折々変わりゆく姿が美しい

山並みを縫うように流れる庄川。川の色の白さが白川郷の名前の由来になったとも} 山並みを縫うように流れる庄川。川の色の白さが白川郷の名前の由来になったとも

スポット詳細

更新日:2024.03.19

住所
岐阜県大野郡白川村荻町1086 map map 地図
エリア
飛騨エリア
電話番号
0576961013
時間
8:30-17:30
休業日
無休
駐車場
バスターミナルはなし
※せせらぎ公園駐車場約200台(混雑時は臨時駐車場あり)
クレジットカード
電子マネー/スマートフォン決済
Wi-Fi
あり(SHIRAKAWA-goFreeWi-Fi)
コンセント口
あり(白川郷バスターミナル待合室)
喫煙
可(屋外)
滞在目安時間
120分以上(白川郷全体の所要時間)
車椅子での入店
可(各店舗に確認)
乳幼児の入店
備考
[一般社団法人白川郷観光協会]05769-6-1013(9:00-17:00)
※スポット詳細は白川郷バスターミナルの情報です。

情報提供: ナビタイムジャパン

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