五劫院
圧倒的な存在感を放つ仏像の髪はアフロヘアにあらず
創建は鎌倉時代
近鉄奈良駅から北東方面へ約2km。バスを利用する場合は、奈良交通バスで約13分の「今在家」停留所から東へ徒歩5分、北御門町の閑静な住宅街にたたずむ。五劫院の創建は鎌倉時代。東大寺を再興した俊乗坊重源(しゅんじょうぼうちょうげん)上人が、浄土教の高祖・善導大師の作「五劫思惟阿弥陀佛(ごこうしゆいあみだぶつ)」を中国の宋から持ち帰り、東大寺の北門にお堂を建て本尊として祀ったのが始まり。本尊を拝めるのは、毎年8月1日から11日の特別公開期間と、東大寺勧進所にもう1体ある五劫思惟阿弥陀佛の特別公開にあわせた10月5日のみで、これらの日は予約不要。そのほかの期間は境内と墓地の見学のみ可能となり、予約が必要だ。
五劫思惟阿弥陀佛とは?
阿弥陀如来が悟りを開く前の菩薩時代、人々を救うために「五劫」の間修行に励んだ。3年に一度、天女が巨大な石に舞い降りて羽衣でそっとひとなでし、それを繰り返して石がすり減ってなくなるまでの時間の単位が「一劫」で、「五劫」はその5倍。五劫思惟阿弥陀佛は、菩薩が気の遠くなるほど長い時間をかけて思考と修行を重ねた末、ついに悟りを開き、阿弥陀如来になった瞬間の姿が表現されている。ボリューミーな髪型はアフロヘアではなく、渦を巻く「螺髪(らほつ)」が幾重にも積み上げられるほど髪が伸び、長い期間が経過したことを示している。東大寺勧進所にも同様の五劫思惟阿弥陀像が安置されているが、勧進所の像は合掌した姿、五劫院の像は衣の中に弥陀の定印を結んだ姿で、いずれも国の重要文化財に指定されている。
五劫院の境内を巡る
五劫院の本堂北側にある墓地には、公慶(こうけい)上人の墓がある。東大寺の大仏殿が1567年(永禄10)、2度目の火災に遭って焼失して大仏の頭部も焼け落ちてしまったが、その大仏を復興させたのが公慶上人だ。尚、寺を開いた重源上人の墓は、東側の山中にある伴寺跡にあるという。墓地入口横の祠に立つ2体の石仏のうち左側は「見返り地蔵」といって、うしろにいる者を導くかのような慈悲あふれる表情をたたえ、うしろを振り返った姿をしている。寺から500mほど離れた北山十八間戸にある石仏が西にあり「夕日地蔵」と呼ばれるのに対し、五劫院の見返り地蔵は東にあることから「朝日地蔵」とも。五劫院、東大寺ともにゆかりの深い京都の永観堂に「見返り阿弥陀」が祀られていることも何か関係があるのではと語り継がれている。
スポット詳細
- 住所
- 奈良県奈良市北御門町24 地図
- エリア
- 奈良公園エリア
- 電話番号
- 0742227694
- 時間
-
9:00-15:00
要事前予約(8/1-8/11は事前予約不要) - 休業日
- 1/1-1/15、8/12-8/31
- 料金
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[拝観料]志納
※要事前連絡 - 駐車場
- あり(10台)
- クレジットカード
- 不可
- 喫煙
- 不可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 重文の仏像等は次回の楽しみに・・・
- 短期間に二度目の参拝です。今回は事前に了解を求めた上での参拝なので、前回のような門前でさようなら、と云うことはありませんでした。目的の涅槃図や仏像は来年2月に一週間だけ特別公開されるとのことでした。
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- 全く同一同字同音の寺院が京都にもありますが・・・
- 寺院としてはこちらの奈良の方が良い(と、感じた)。ここの注目は何と言っても、五劫思惟阿弥陀如来坐像、変わったヘアスタイルをした仏様です。8月上旬の一定期間以外は事前に予約しておかないと拝観出来ません。「劫」とは極めて長い時間を表している言葉。ヘアスタイルがこのようになっているのは、この極めて長い時間を考え続けた姿とのことでした。ここは東大寺の北側にあって、重源上人が宋から請来したと伝わる重文の五劫...
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- 大寺院に負けない存在感
- シルバーウィークに拝観。お目当てはもちろん五劫思惟阿弥陀仏坐像。前日に拝観予約を入れるのを忘れ、当日に電話。諦めモードで電話したところ、お彼岸でお忙しいはずなのに、快くお引き受けいただきました。到着後、早速本堂へ案内していただき、「アフロの彼(笑)」とご対面。第一印象としては「思ってたより大きい」ってことでした。想像を絶するほどの長い年月をかけて人々のことを思い考え続けた御姿がそこにはありました...
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