粉河寺

寺院

秘仏が見守る美しい庭園

近畿2府4県と岐阜県、約1000kmに及ぶ観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を巡礼する旅として知られる「西国三十三所」。およそ1300年前に起源をもつ日本最古の観音巡礼は、今もなお多くの人の心をひきつけてやまない。一番から順に巡って和歌山県内最後となるのが、第三番札所・粉河寺だ。

ダイナミックな石組みの庭園は国指定の名勝 ダイナミックな石組みの庭園は国指定の名勝

奈良時代開創の古刹

718年(養老2)、徳道上人が冥土で閻魔大王に三十三の宝印を授けられた伝説に端を発するのが西国三十三所巡礼の起源だ。徳道上人が開き、平安時代の花山法皇が巡礼を再興。花山法皇御製とされる巡礼歌「ちちははの恵みも深き粉河寺仏の誓ひたのもしの身や」が粉河寺のご詠歌として現在まで親しまれている。粉河寺は770年(宝亀元)、猟師の大伴孔子古(おおとものくじこ)が光輝く地を見つけ、草庵を結んだことから始まった。しだいに信仰を集めて栄え、今では約11万5000平方メートル超と広大となった境内は、威風堂々とした大門をくぐるところからスタート。1706年(宝永4)に総欅(けやき)造りで建立された三間楼門で、左右に金剛力士像がにらみを効かせる。参道をしばらく歩くと、繊細な意匠が目を引く中門に到着。門をくぐるごとに期待が膨らみ心洗われる構成となっている。

朱塗りの大門 朱塗りの大門

仏師春日の作と伝わる迫力満点の金剛力士像 仏師春日の作と伝わる迫力満点の金剛力士像

絶対秘仏の御本尊をしのんで参拝

中門をくぐると、いよいよ現れるのが国指定名勝の庭園。龍門石など紀州産の名石を含む数々の大きな岩が3mの高さで多層的に組み重ねられ、岩と岩の間がツツジやソテツを中心に植栽されている他に類を見ない様式。桃山時代に、上田宗固が作庭したと伝えられている。庭園の向こうにそびえるのが、西国三十三所のなかでも最大級を誇る本堂。御本尊として祀る千手千眼観世音菩薩は絶対秘仏とされ、史上一度も公開されたことはない。どっしりと重厚感のある本堂では、8代将軍・徳川吉宗が寄進した、名匠・左甚五郎作の彫刻「野荒らしの虎」を内陣に見ることができる。夜な夜な寺を抜け出しては田畑を荒らしたため、目に釘を打ち込んで動きを封じたという、甚五郎の腕のよさを表すエピソード。本堂向かって左側には千手堂が立ち、千手観世音菩薩が祀られている。こちらの観音像も秘仏だが、2008年(平成20)には1か月間、217年ぶりに開扉された。

重厚な本堂は1720年(享保5)の築 重厚な本堂は1720年(享保5)の築

千住観世音菩薩と紀州歴代藩主らを祀る千手堂 千住観世音菩薩と紀州歴代藩主らを祀る千手堂

見どころ満載の参道歩き

見どころの多い粉河寺。大門から200mほどある参道沿いも、楽しんで歩くことができる。釈迦(しゃか)の足形を石に刻んだものとされる「仏足石(ぶっそくせき)」は、1863年(文久3)の作。そのまま受け取るととても大きなサイズの足に見えるが、これは人徳の偉大さを表したものであるという。仏足石後方の石碑は、江戸時代の傑僧・願海上人による筆。また、1679年(延宝7)に建立された童男堂には、粉河寺の縁起となる千手観音の化身とされる童男大士を祀る。童男堂に隣接して、童男大士がヤナギの枝を手に持ち白馬に乗って登場したとされる「出現池」がある。童男大士の石像が配された庭園で、立ち入りはできないが柵越しに拝観することができる。病気平癒のご利益があるとされ、柵を挟んで手を合わせる人も多く見られる。ほか、聖徳太子を祀る太子堂や阿弥陀如来座像(露座仏)など、参道を歩くだけで多くのご利益が得られそうなラインナップだ。

2基の石碑の前に鎮座するのが仏足石 2基の石碑の前に鎮座するのが仏足石

粉河寺創建のきっかけとなった「出現池」 粉河寺創建のきっかけとなった「出現池」

歴史と文化にパワーをもらおう

粉河寺へはJR和歌山線の粉河駅下車。歴史を有する名刹だけあって、駅から粉河寺までは800mほどの典型的な門前町が形成されており、まっすぐ道なりに歩けば到着する。この門前町は通称「粉河とんまか通り」。この風変わりな名称は、毎年7月に開催されている「紀州三代祭」のひとつ「粉河祭」の太鼓の音に由来するそう。祭り当日はこの通りにきらびやかに装飾されただんじりが曳行される。ほか、3月3日には流し雛(びな)が行われる。祈願祭後に時代衣装をまとう参列者たちが紀の川まで行進し、雛に厄を託して流す様は壮麗だ。駅から通りを15分ほど歩くと赤い橋と大門が出迎えてくれる。参道を歩き切った本堂のかたわらには寺の開基から今日までを見守り続けてきたという大きなクスノキが立ち、参拝客をねぎらってくれる。駅から本堂までの道行きは、全身で歴史と文化を感じられる時間となるだろう。

開祖の大伴孔子古が狩りをしていたと伝わるクスノキの大木 開祖の大伴孔子古が狩りをしていたと伝わるクスノキの大木

スポット詳細

住所
和歌山県紀の川市粉河2787
電話番号
0736734830
時間
8:00-17:00
休業日
年中無休
料金
[入山料]無料
[本堂内陣拝観料]400円
駐車場
あり(100台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
可(PayPay)
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
可(指定場所のみ可)

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 枕草子等数々の古典にも登場する古刹
    4.0 投稿日:2022.06.19
    粉河観音宗の総本山です。秀吉の紀州攻めで大半が消失、現在の本堂などは江戸時代に再建されたものとのことです。重文の大門や本堂、総檜の念仏堂や国の指定名勝の枯山水の石庭等見所も多く、楽しみながら参拝できました。
  • 粉河寺/和歌山県紀の川市[ウォーキング]770年に創建された古刹を巡る
    5.0 投稿日:2022.02.22
    風猛山粉河寺(ふうもうざんこかわでら)は、和歌山県紀の川市粉河(わかやまけんきのかわしこかわ)にある粉河観音宗(こかわかんのんしゅう)の総本山だ。西国三十三所第3番札所で、大伴孔子古(おおとものくじこ)により770年に創建されたと伝わる。本尊は、千手千眼観世音菩薩(せんじゅせんげんかんぜおんぼさつ)平安時代に書かれた清少納言の『枕草子』や西行の『山家集』に粉河寺への言及があるなど、古くから観音霊場...
  • 境内に駐車して早朝参拝
    4.0 投稿日:2021.06.28
    今回は和歌山線利用をやめマイカー利用とし、境内に駐車して参拝しました。少し早目の時間帯だった所為もあって観光客を含め参拝者は少なく、静かな寺院を拝観出来ました。猶、駐車場の位置関係から大門は横を通り過ぎてしまい、歩いて戻る必要がありました。

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