丹生都比売神社
高野山参拝前のお参りはここ
深い歴史がしみ込んだ輪橋を渡って参拝
丹生都比売神社自体の創建年代は不詳だが、1700年以上前と伝わるほどの古社。11-12世紀に著された『金剛峯寺建立修行縁起』を最古に『今昔物語集』などさまざまな文献で、空海が2頭の犬を連れた狩人に導かれて高野山に至ったとされている。この狩人は丹生都比売大神の御子である高野御子大神が化身した姿で、この縁起によって今も高野山と丹生都比売神社の関係は深い。高野山から車で約30分と近い山あいに立ち、木々の緑と朱色の社殿のコントラストが参拝者を魅了する。外鳥居をくぐった参拝者がまず出合うのが、静かに水をたたえる鏡池と、そこに架かる輪橋。輪橋は別名を太鼓橋ともいい、本来は神様が渡る神橋だが、ご利益をいただくために誰でも渡ることができる。豊臣秀吉の側室で「浅井三姉妹」のひとりとして知られる淀君(茶々)の寄進で建立された。一歩ずつ、歴史を感じながら渡ろう。輪橋は冬季は安全のため通行不可。
「朱」をつかさどる女神を祀る
社名およびご祭神である「丹生都比売」の「丹(に)」とは、朱砂(しゅしゃ)の鉱石から採れる朱色の鉱物。辰砂(しんしゃ)、丹砂(たんしゃ)とも呼ばれ、日本では古来「丹」として珍重されてきた。邪馬台国(やまたいこく)の記述で知られる『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』にも「丹」についての記載があり、丹生都比売大神はその頃から日本全国の朱砂を支配した一族が祀る女神とされている。丹生都比売大神を祀る、あるいは社名に「丹生」を冠する多くの神社の総本社が、この地の丹生都比売神社だ。輪橋を渡ると目に入るのが、ひときわ鮮やかな朱に塗られた禊橋(みそぎばし)と中鳥居が現れ、美しい額縁のように楼門を彩る。楼門の向こうの本殿は四殿からなり、室町時代に再建されたもの。一般の参拝は、楼門越しから本殿に向かい行う。
愛らしくも力強い御神犬たち
弘法大師空海を狩人に化身した第2殿の神・高御子大神とともに2頭の犬が高野山へと導いた伝説に由来して、今も丹生都比売神社は犬との関わりが深い。2022年(令和4)現在は白い「すずひめ号」と黒い「大輝号」の紀州犬2頭が御神犬として奉仕。毎月16日の月次祭にはすずひめ号が神前に参拝し、公開されており、この日は特別に御神犬の印が御朱印に添えられる。ほか、季節ごとにデザインが異なる限定の御朱印には白黒2頭の犬が描かれていたり、授与所でキュートな「みちびき犬みくじ」が頒布されていたりと、愛犬家なら見過ごせないスポット。もちろん絵馬も御神犬や紀州犬がモチーフになっている。重要文化財に指定されている鎌倉時代作の木造狛犬(非公開)とともに、すずひめ号と大輝号、そしてあまたの犬モチーフたちが神社を守っている。
神仏習合を実感させる石塔群
禊橋から楼門・本殿向かって左手に見えるエリアは、元は高野山の仏堂が建っていた場所で、現在は修験にまつわる碑がまとめられている。なかでも4基の石塔は「大峯修験者の碑」といわれるもので、県指定有形文化財。鎌倉から室町時代にかけて修験者(山伏)によって建造された五輪卒塔婆(ごりんそとば)で、丹生都比売神社が山岳宗教である修験道とも深く強く関わってきたことを示すものだ。古くは春に神様を笈(おい)に移して背負い、山を約2か月巡る修行があったという。帰還した神様を迎える儀式もあり、現在毎年7月18日の「神還祭(じんかんさい)」にその面影が残る。これら石碑群は、明治の神仏分離で移設されるまで輪橋を渡ってすぐの境内に建てられていた。大峯修験者の碑のかたわらには「光明真言曼陀羅碑(こうみょうしんごんまんだらひ)」も建つ。1662年(寛文2)に建立された石碑で、密教で宇宙を統(す)べるとされる大日如来のマントラを梵字で記したもの。丹生都比売神社参拝の際には散策がてらこちらに立ち寄って、歴史の息吹を感じてみてはいかが。
スポット詳細
- 住所
- 和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野230 地図
- エリア
- 高野山・龍神温泉・九度山エリア
- 電話番号
- 0736260102
- 時間
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[授与所]8:45-16:30
※参拝はいつでも可 - 休業日
- 無休
- 駐車場
- あり(50台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり(WAKAYAMA FREE Wi-Fi)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 車椅子での入店
- 可(境内まで車乗り入れ可、社務所に声がけのこと)
- ペットの入店
- 可(大型犬不可、中小型犬はカート使用又は抱っこしていただく)
情報提供: ナビタイムジャパン
- アニメスポット情報
※ナビタイム調べ
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クチコミ
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- 雨の中の厳かな参拝
- 雨で平日の朝8時ということもあり、誰もおらず静かに参拝することができました。高野山に行く途中に寄りましたが、世界遺産なだけあって素晴らしかったです。
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- 楼門(重要文化財)と淀殿寄進の輪橋(太鼓橋)が見事です
- ご祭神は丹生都比売大神、高野御子大神、大食津比売大神、市杵島比売大神で、名神大の式内社、紀伊国一宮、旧官幣大社とのことです。楼門(重要文化財)と淀殿寄進の輪橋(太鼓橋)が見事です。境内東に鎌倉時代から室町時代に建てられた石造の五輪卒塔婆である大峯修験者の碑(和歌山県指定有形文化財)があります。無料の駐車場があります。国道480号線を左折して、県道4号経由で自動車で訪問しました。
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- 秘境
- 小高い山里に少しひらけた天野の里。こんな奥まった街道沿いでもない山里に世界遺産に登録された立派な神社が有ります。反橋が印象的ですが、四つ並んだ本殿に施された装飾も鮮やかで、境内に植えてある紅葉も多く、秋の紅葉も良さそうです。
TripAdvisorクチコミ評価
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