長岳寺
花、石仏、地獄絵図。空海が開いたと伝わる大寺の名残を今に
古道「山の辺の道」沿いにある長岳寺
長岳寺へは、JR桜井線柳本駅から東へ徒歩約20分。車の場合は、西名阪自動車道天理ICから国道169号を約6km南下。道路右わきに長岳寺の標識があるところを、山手に向かって折れ、道なりに進む。先に見えてくるのは、観光情報施設であり、食事や休憩のできる施設・天理市トレイルセンターだ。山の辺の道を歩く人にとって道標となる施設で、ここを古道歩きの基点とするハイカーも多い。この天理市トレイルセンターは長岳寺の門前にある。長岳寺と同センターの駐車場の目の前にあるのが長岳寺の大門だ。この大門から下り坂をしばらく行くと長岳寺の参拝受付へ行き着く。御朱印を希望する際は、この受付で申し出よう。
唯一残った塔中の旧地蔵院は庫裏(くり)となり
長岳寺受付で、もうひとつ申し込めるものがある。奈良県の特産品であり地域食の「そうめん」だ。受付のすぐ横に国の重要文化財に指定されている「庫裡」があり、なんとその庫裏で、夏は「冷やしそうめん」、冬は温かい「にゅうめん」をいただくことができる(2021年現在、庫裏改修工事中。工事終了後に再開予定、要事前問い合わせ)。素朴な雰囲気で食事させていただけるところもありがたい。この庫裏、元は長岳寺に四十八ヶ坊あったという塔中のなかで唯一残った旧地蔵院である。室町時代の書院造りの様式と美しい鶴亀庭園が、当時の息吹を今に伝える貴重な建築だ。
2つの「日本最古」を訪ねる
旧地蔵院の先にそびえるのは日本最古の鐘楼門。弘法大師が長岳寺を創建した当初から唯一残る建物で、こちらも重要文化財。鐘を吊った遺構があることから、鐘楼門と呼ばれている。ここを抜けると左手に本堂がある。本堂には本尊の阿弥陀三尊や増長天、多聞天が安置されており、すべて重要文化財に指定されている。阿弥陀三尊は中尊の阿弥陀如来と両脇侍の観世音菩薩、勢至(せいし)菩薩からなり、いずれも玉眼を用いた仏像として日本最古。本堂の目の前には、放生池があり、5月頃のカキツバタの花の盛りは、ことのほか美しい。
鐘を撞き、石仏を巡り、秋には地獄絵
ゆったりとした静かな時間の流れる長岳寺。約3万9600平方メートル(1万2000坪)という広い境内をぐるっと歩くと、石仏が多いことに気づく。境内の小高い場所にあるのは弥勒仏が彫られた大石棺仏。名前からも想像できるが、古墳の石材を利用したものとされる。そのほかにも謂われのある石仏や十三重塔などが点在し興味深い。十三重塔の近くにある鐘は「一願成就の鐘」とされ、誰でも心の内で仏様に何かひと言願いながら撞いてもいいそうだ。そして毎年10月23日から11月30日までの期間限定で本堂に掛けられる『極楽地獄図』は大変な人気。絵図に描かれている内容をご住職が解説する「絵解き」も行われ、現代に通じる話が満載。この時期はちょうど紅葉の見頃でもある。
スポット詳細
- 住所
- 奈良県天理市柳本町508
- エリア
- 山の辺の道・桜井エリア
- 電話番号
- 0743661051
- 時間
- 9:00-17:00
- 休業日
- 無休
- 料金
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【拝観料】
[大人]400円
[大学・高校生]350円
[中学生]300円
[小学生]250円 - 駐車場
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あり(乗用車40台、バス3-4台)
※無料 - クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 乳幼児の入店
- 可
- ペットの入店
- 可(他の方のご迷惑にならないようお願いします)
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 何度聞いても、地獄絵説法は絶妙の話術で迫ってきます
- 寺院堂塔や庭園は(個人的嗜好としては)余り大したものとは思えませんが、毎年、一定期間に挙行される「大地獄絵説法」は毎年,行っていますが、なかなかの物です。境内が紅葉に映える10月下旬から11月末まで、三悪道や修羅道の世界を描いた大地獄絵(巨大な巻物調の掛軸)は公開されています。一定の参拝者が集まると住職さんが、ユーモアと博識を発揮されて面白おかしく、絶好の説法が始まります。全部で9幅、実に全長11...
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- いなかのおてら
- 山辺の道の道中にある由緒あるお寺です。4月下旬に参内し、参道沿いのツツジが咲き始めた頃でした。満開になれば、もっと綺麗だと思います。もみじも青々として綺麗でした。紅葉のシーズンはもっと綺麗だろうと思います。
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- 寺院堂塔は古いと云うだけで然程のことは無いが・・・
- ここは花の季節は素晴らしいことは先刻承知している。花は今は無い季節だが、紅葉が綺麗。何と言っても、参拝の主目的は年に一回の「地獄絵の絵解き説法」。毎年、一定期間だけこの狩野山楽による文化財掛軸を虫干しの意味も込めて展示し、住職の手慣れた絶妙の話術であの世の死後の世界について説法がなされる、一日に何回もされている様子。住職と云うよりもプロの話術家と感じる素晴らしい説法。思わず引き込まれるように聞き耳...
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