橘寺
「太子建立七ヶ寺」のひとつ、聖徳太子生誕の地に立つお寺
聖徳太子を本尊に祀る太子信仰の総本山
1953年(昭和28)からの発掘調査では、中門、五重塔、金堂、講堂が一直線に並ぶ四天王寺式伽藍配置であったことが明らかとなり、飛鳥時代の寺院跡であることが確認されている。本堂は太子殿とも呼ばれており、本尊は、聖徳太子が35歳のとき、勝鬘経(しょうまんぎょう)について講讃(こうさん)した姿とされる勝鬘経講讃像。ひげはなく、すっとした顔立ちで、旧1万円札の聖徳太子の肖像画・唐本御影(とうほんみえい)とは随分イメージが違う。隣には16歳当時の父親の病気回復を祈願する孝養(きょうよう)太子像も祀られており、副住職の古賀野正空(こがのしょうくう)さんは「古くから宗派を超えた太子信仰が息づいている珍しいお寺です」と話す。本堂の向かって左には、表裏に善と悪の2つの顔をもつ二面石(にめんせき)がある。もともと橘寺にあったものではないという説もあり、なぜこんなところにあるのかと思わずにはいられない。
如意輪観音様の美しい姿にしばし見とれる人も
聖徳太子誕生1450年記念事業にともない、2021年(令和3)から2022年(令和4)にかけて修復工事を行った観音堂。使えるものは当時のものをそのまま使い、耐震強度の弱いものなどは新しいものに変えたそう。瓦の葺き替えで西側の鬼瓦は新しいものに。以前のものは観音堂の横に置かれているので、間近に見ることができる。観音堂に安置されているのは如意輪観音菩薩坐像。平安時代中期から後期に作られた観音様で、6本の手のうちの1本は右の衣のうしろにあり、正面からは見ることができない。六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)の者たちをどのように救おうか、考えている姿だという。確かにどこか物憂げな美しい表情で、ふっくらとしたお顔立ち。本尊・聖徳太子像が注目されがちだが、ぜひ観音堂にも立ち寄ってほしい。
往生院の天井画はまるで花の浄土
聖徳太子の念仏精神を今日に生かすため、念仏や写経、研修道場として1997年(平成9)に再建された往生院。260点以上の見事な天井画は、200名以上の現代画家らが「極楽に咲く花」をテーマに描いたものだ。それぞれの極楽浄土を思い描いたものなので、あらゆる種類の花が咲く天井画は見事というしかない。明日香村を散策して橘寺に立ち寄る人は西門から入る人が多い。実は西門は裏門。同時期に建てられた寺院は、中国の「天子南面」の思想を受け、南向きに建てられているが、橘寺は創建時から東に面して建てられているので東門が正門になる。立地条件なのか、それ以外の理由なのか、はっきりしたことはわかっていない。東門から山のほうを見ると厄除けで有名な岡寺も見える。
秋はイチョウと芙蓉、季節ごとに花を楽しめる境内
また、東門近くには立派なイチョウの木があり、紅葉の時期になると落ち葉で境内は一面黄色に染まる。2度の落雷で幹がひび割れるなどの被害を受けながらも枯れることなく、空に向かって立つイチョウは一見の価値あり。亡くなった先代のご住職が「四季を通じていろいろなお花を見て、皆さんに慣れ親しんでいただければ」と境内に、春は桜、夏は銀盃草、秋は紫式部や芙蓉や酔芙蓉など、多くの花を植えられたそう。また、各お堂では、木魚を叩いたり、きんすを鳴らしたりという体験ができる。遠足などで小学生が来ることも多いので、実際に触れて興味をもってもらい、大人になったときにまた訪れてくれたらという想いがあるという。見どころが多い橘寺。明日香村を訪れた際は、ぜひ橘寺に足を延ばしてみよう。
スポット詳細
- 住所
- 奈良県高市郡明日香村橘532 地図
- エリア
- 飛鳥エリア
- 電話番号
- 0744542026
- 時間
- 9:00-16:30
- 休業日
- 無休
- 料金
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【拝観料】
[大人・大学生]400円
[中・高生]300円
[小学生]200円
※飛鳥王国のパスポートの入山割引は、個人の料金から50円引きになりました。 - 駐車場
- あり(15台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 天井画が有名!
- 天井画が見たくて橘寺を訪れました。往生院の天井にある花の絵画は全部で260あり、この寺の見所となっています。他にも人の心を表した二面石や聖徳太子を乗せた馬の像などがあり、決して大きくはない境内に見所がたくさんあります。聖徳太子ゆかりの地であり、明日香村観光では訪れる人が多いお寺です。
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- 橘の樹
- 聖徳太子がお生まれになったところです。あたり一帯は田畑が広がるのどかなところで、橘寺は一段高い場所にあります。太子殿には聖徳太子のお姿の像がいらっしゃいます。また、田道間守様の像もあり、持ち帰った橘からこの地を橘と呼ぶようになったそうです。太子が乗っていたという馬の銅像や,作ったといわれる池、二面岩など敷地内にいろいろ見どころがあります。往生院の格子天井の花の絵がとてもきれいでした。
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- 聖徳太子の誕生地
- 聖徳太子が生まれた場所と言われる寺。もちろん現在の伽藍は当時のものではないが、周囲の風景は当時からあまり変わっていないのだろう。境内には飛鳥時代の二面石や聖徳太子が造ったと伝わる阿字池などもある。
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