鎧埼灯台
志摩半島最東端から海を見守る
鎧埼灯台に向かう車でのアクセスは慎重に
鎧崎の周囲は細く入り組んだ道が多いため、車でのアクセスは注意が必要。漁協の南側を通る堤防沿いの道を道なりに進むと駐車スペースがあるので、そちらを利用しよう。この駐車スペースの東方向に見られるのが鎧崎で、海に浮かぶ森のような風景。駐車スペースから鎧埼灯台までは、徒歩10分ほどでたどり着くことができる。道中には「伊勢神宮御料鰒調製所(いせじんぐうごりょうあわびちょうせいしょ)」や「倭姫命御巡行舊跡(やまとひめのみことごじゅんこうきゅうせき)」がある。
神宮に奉納する「熨斗鰒」を調製
第11代垂仁天皇の第4皇女である倭姫命が天照大神鎮座の地を求めて国崎(くざき)に立ち寄り、その際に岬で鎧をはずしたことから「鎧崎」と命名されたと伝えられている。この近海は上質なアワビが獲れることでも有名。灯台へ向かう道中には伊勢神宮へ奉納される熨斗鰒(のしあわび)を作る「伊勢神宮御料鰒調製所」がある。現在でも毎年6月、10月、12月の3回に分けて奉納されている。また、倭姫命が国崎を訪れた際、「お弁」という海女からアワビを献上されたことが神宮に奉納される由来となったとされる。お弁は灯台から徒歩10分ほどの場所にある「海士潜女神社」(あまかづきめじんじゃ)に祀られており、地元の海女やダイバーから信仰を集めている。
木々のトンネルを抜けると灯台が出現
伊勢神宮御料鰒調製所から少し進むと、木々のトンネルに差しかかる。しばしトンネルを歩くと突如として視界が開け、白亜の灯台と太平洋が出現。鎧崎は「伊勢の神崎、国崎の鎧、波切大王なけりゃよい」と昔から船頭たちに唄われた海の難所。岩に波が砕け散る荒々しい海の風景と音が心に強く残る。鎧埼灯台は1963年(昭和38)に建てられた、八角形コンクリート造りの灯台で高さは9.61m。小高い場所に立っており、海面からの高さを含めると26.57mになる。難所として恐れられた鎧崎周辺の海を、穏やかに見守る姿が印象的だ。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン