ヤマザキ マザック美術館

美術館

ヴァトーからモネ、ピカソまでフランス絵画の精髄を展示

ロココからエコール・ド・パリの時代にいたる絵画と、アール・ヌーヴォーの家具などを展示するヤマザキマザック美術館。当時のサロンをほうふつとさせる優美なしつらえのなかで、ゆっくりと鑑賞を楽しみたい。

絵画展示フロアの「赤の間」。同館の絵画は額装からガラス板などを外し、筆跡や色彩を直に見られるように展示されている} 絵画展示フロアの「赤の間」。同館の絵画は額装からガラス板などを外し、筆跡や色彩を直に見られるように展示されている

創立者が収集した絵画など約180点がそろう

ヤマザキマザック美術館の創立者であり、初代館長でもあった故・山崎照幸(やまざきてるゆき)氏は、愛知県に本社を置く大手工作機械メーカー「ヤマザキマザック株式会社」の会長を務めた人物。同館には、山崎氏が1960年(昭和35)代から40年ほどかけて、ヨーロッパで1点ずつ大切に収集してきた絵画やガラス工芸品、家具など、およそ180点が常設展示されている。絵画のコレクションは、山崎氏が特に好んだという力強い作風のものが中心。18世紀にフランス宮廷で花開いたロココの時代から1920年(大正9)代のエコール・ド・パリの作品まで、ほぼ年代順に展示されており、鑑賞しながらフランス絵画の歴史をたどっていくことができる。

地下鉄東山線新栄町駅から直結する「マザックアートプラザ」内にあり、アクセス良好} 地下鉄東山線新栄町駅から直結する「マザックアートプラザ」内にあり、アクセス良好

フランス絵画を3つの時代区分に分けて展示

絵画展示フロアは同館の5階。それぞれの展示室は、時代ごとに大きく3つに分けられている。まずは、最も作品数の充実しているロココの時代からロマン主義にかけての「赤の間」。優美で品位あふれる赤い壁を背景に、18世紀から19世紀にかけてのヴァトーやブーシェ、アングル、ドラクロワといった珠玉の作品群を展示している。続いて黄色を基調とした「黄の間」は、モネやドニなど19世紀の印象派の作品が中心。そして青い壁が瀟洒な「青の間」には、20世紀前半のピカソやモディリアーニ、ローランサン、デルヴォーなどの作品が数多く展示されている。

印象派の作品などが並ぶ「黄の間」。重厚な木の床など、しつらえの高級感にも注目したい} 印象派の作品などが並ぶ「黄の間」。重厚な木の床など、しつらえの高級感にも注目したい

「青の間」には、エコール・ド・パリの時代の作品が多数} 「青の間」には、エコール・ド・パリの時代の作品が多数

アール・ヌーヴォーの家具や工芸品も充実

そして4階は、アール・ヌーヴォーのガラス工芸作品と家具などを鑑賞できる展示フロア。19世紀末から20世紀の初頭にかけて、ヨーロッパの新しい芸術運動をリードしたガレやマジョレルが手がけた家具、ドームによるガラス工芸品などが並んでいる。特に注目したいのは、デザイナーであるデュマのダイニングルームを再現した一角。当時の高雅な室内の雰囲気をそのままに伝えている。なお、同館は音声ガイドの無料サービスも実施中。作品の物語性や歴史などをもっと詳しく知りたい人は、ぜひ利用してみよう。

装飾的なアール・ヌーヴォーの家具で統一されたデュマのダイニングルーム} 装飾的なアール・ヌーヴォーの家具で統一されたデュマのダイニングルーム

中央に見えるのは約100年前のディスクオルゴール。毎日14時に美しい演奏を聴くことができる} 中央に見えるのは約100年前のディスクオルゴール。毎日14時に美しい演奏を聴くことができる

マザック工作機械ギャラリーにも立ち寄ろう

同館は年に4回ほどのペースでコンサートも開催している。公演が行われるのは、5階の絵画展示フロア。絵画に囲まれながらの音楽鑑賞という、同館ならではの特別な時間を満喫できる。また、スタッフによると、ふだんは美術鑑賞を楽しんだあとで隣接する「マザック工作機械ギャラリー」に立ち寄る人が多いのだとか。「ヤマザキマザック」の工作機械や加工部品などが展示されているので、世界のモノ作りの最先端に触れてみるのもおもしろい。さらに地下鉄で一駅移動すれば、名古屋の繁華街である栄・伏見エリア。「中部電力 MIRAI TOWER」や「オアシス21」など、数多くの人気スポットが集中しているので、ぜひ足を延ばしたい。

美術館に隣接する「マザック工作機械ギャラリー」。人間工学に基づいた最新の工作機械を見学できる} 美術館に隣接する「マザック工作機械ギャラリー」。人間工学に基づいた最新の工作機械を見学できる

スポット詳細

住所
愛知県名古屋市東区葵1-19-30 map map 地図
電話番号
0529373737
時間
[平日]10:00-17:30(最終入館17:00)
[土日祝]10:00-17:00(最終入館16:30)
休業日
月(祝の場合は翌平日)、展示替期間、年末年始
料金
【入館料】
[一般]1,000円
[小学生-高校生]500円
[小学生未満]無料
※特別展はその都度定める料金
駐車場
あり(約50台)
※専用ではありません
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、TS3、DinersClubInternational)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、Apple Pay、Google Pay、manacaなどの交通系IC)
※Apple Pay及び、Google Payはアプリの設定次第で決算出来ない場合あり。
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
60-120分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 企業美術館で、収蔵品は充実している
    4.0 投稿日 : 2023.04.10
    100年以上前のオルゴールの演奏が、1回だけ2時から始まります。たまたまその時間に訪問したのですが、素晴らしい音色でした。収蔵品のことについては皆さんが書いていらっしゃる通りです。入館料は1000円ですが、他の美術館では有料のオーディオガイドが無料だったり、ドニチエコ切符で100円割引きになるなどの点から考えると、むしろリーズナブルだといえます。
  • 佐伯祐三、荻須高徳、ユトリロの特別展開催中、素晴らしい!
    5.0 投稿日 : 2023.02.13
    佐伯祐三、荻須高徳、ユトリロの特別展開催で観覧に・・・静かな雰囲気で自分の足音だけがコツコツと板張りのフロアに谺し、より荘厳な雰囲気が!!!常の展示会が作品が見られないのは少し残念だが、それを補って尚あまりある感動大作が・・・今回の最大の感動作品は佐伯祐三の絵画で、緑が印象的!!!来月には東京ステーションギャラリーで佐伯祐三展観ますが、一層の感動が期待できてわくわく感が三倍増に!その...
  • 印象派コレクション
    5.0 投稿日 : 2022.11.30
    地下鉄に隣接する私設美術館は少々入場料高めなれど、オーディオガイド付きでゆっくりと観賞できる。パリに生きた画家たちと言う特別展中であったが、お目当ての佐伯祐三作品は少なく、同郷の荻須高徳の作品が多かった。

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アクセス

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最寄り

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