答志島
三重県最大の規模を誇る「御食国(みけつくに)」の島
人口約1900人の島に、12万人の観光客
鳥羽港の北東約2.5kmに位置する答志島は、周囲26.3km、総面積6.98㎢と三重県で最も広い島だ。80%が自然林で占められ、鳥羽市の木で、県の天然記念物にも指定されているヤマトタチバナの原木が生えている。3つの集落に合わせて770世帯余り、約1900人の島民が生活する一方で、年間約12万人の観光客が訪れるほどの賑わいを見せる。海水浴場や答志スカイラインからの眺望といった観光スポットのほか、集落に張り巡らされた迷路のような路地を散策するツアーも人気。鳥羽駅すぐ近くの鳥羽マリンターミナルから市営定期船に乗れば、いちばん近い桃取(ももとり)漁港までは約12分で到着するという、アクセスの良さも人気の秘密だ。
島の歴史を物語る遺跡や無形民俗文化財
北東部の和具(わぐ)漁港近くには「大畑(おばたけ)遺跡」が広がり、島の歴史の古さを物語っている。弥生前期から平安時代の住居跡や土器類が多く発見され、志摩地域の役所である国衙(こくが)が置かれていた可能性があるという。現在、遺跡のほとんどは集落となり、旅館や民家が建っているが、島の歴史に思いを馳せつつ散策するのも楽しいだろう。また、大畑遺跡を見下ろす標高80mの山頂付近にある「岩屋山古墳(いわややまこふん)」も見ものだ。全長22m、高さ2.5mと、この地方屈指の大きな横穴式石室がほぼ完全な形で残っている。市の無形民俗文化財に指定された、血縁関係のない男子が共同生活する「寝屋子(ねやこ)」と呼ばれる制度が残るなど、長い歴史に培われた風習が今も続いているのも興味深い。
島内を巡るツアーや食に新たな動きが
島内では、路地裏の食べ歩き散策のほか、関ヶ原の戦いに敗れ自刃した鳥羽城主、九鬼嘉隆(くきよしたか)の史跡巡り、島名産のワカメの収穫作業などを見てまわるウォーキングツアーなどが人気だ。随時募集が行われているので、事前に観光情報サイトをチェックしておきたい。そして、何といっても島の宿泊施設や飲食店で味わえる、新鮮な魚介類ははずせない。2018年(平成30)には新たにブランド化された「答志島トロさわら」が出荷されるようになった。サワラといえば塩焼きなどで味わうことが多いが、産地の答志島では新鮮さゆえ、刺身やたたきが主流。脂が乗って、中トロのような味わいを楽しめる。もちろん、この地方定番の伊勢えびやアワビなども抜群の鮮度で堪能できる。
アクセスの良さを生かした観光計画を
夏場には、水質の良い和具サンシャインビーチを目当てに、多くの観光客が集まる。最近は島の氏神「美多羅志(みたらし)神社」にある龍に似た御神木を拝むために来島する人も増えてきたという。鳥羽駅からも気軽に訪れることができるため、答志島だけでなく神島にも合わせて訪れたい。また「鳥羽水族館」や「ミキモト真珠島」など、鳥羽駅周辺のスポットも含めて観光計画を立てるのもいいだろう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン