スパゲッティ・ハウス ヨコイ 住吉本店

人気No.1の「ミラカン」1,100円(税込)。赤ウインナーのほか、ハムやベーコン、玉ねぎなどもたっぷり

洋食のシェフが考案した日本生まれのイタリアン

名古屋のご当地グルメとして昔から親しまれている「あんかけスパゲッティ」。専門店も多いが、名古屋では喫茶店で味わうランチの定番メニューとしても知られる。極太のスパゲッティにトマトベースのスパイシーなソースがかかるこの料理は、もともと洋食のシェフだった初代の横井博が考案したもの。日本にイタリアンを根付かせたいという想いのもと、多くの試行錯誤を重ねて完成させた。比較的濃い味が多いなごやめしの例にもれず、このあんかけスパゲッティも黒胡椒を利かせたスパイシーさが特徴だ。もともと食に対するこだわりが非常に強かった横井。ミートソースとデミグラスソースがもつ肉と野菜のうまみを凝縮した濃厚な味わいをベースに、スパイスなどで日本人になじみやすい味にするため、何度もチャレンジしてソースを完成させた。麺も同様、もちもちの食感を出すためにイタリアでは使わない強力粉を加えるなど、常識にとらわれず試作を続けた。さまざまなチャレンジを経て作り出した「あんかけスパゲッティ」は、完成までに2年を要したという。

住吉本店の店内にはその頃のレトロな雰囲気が残っている

試行錯誤を重ねたソースと偶然から生まれた極太麺

絶妙なとろみと黒胡椒が利いたヨコイのあんかけソース。イタリアンのミートソースに洋食のデミグラスソースをブレンドし、片栗粉のとろみを加え、スパイスの調合を試行錯誤を繰り返し完成した。鼻孔をくすぐるスパイシーな香りと、口に含んだときに広がる絶妙な辛さの決め手は、ソースにからませた黒胡椒。細かく挽くことにより辛さと抜けるような香りが際立ち、存在感を発揮する。野菜やトマト、肉を2日がかりで煮込み、冷蔵庫で1週間ほど熟成したソースのうまみをよりいっそうひき立てている。また、日本一太いパスタともいわれる直径2.2mmの極太麺は、偶然の産物。麺を絞り出す機械の先端(ダイス)が摩耗し広がっていたことで、通常より太い麺ができあがったという。何度も試作を繰り返したからこその偶然の発見だ。加えて、麺にトッピングされる懐かしの赤ウインナーはソースの味に合わせた特注品。数多くのこだわりが、長年愛され続けるあんかけスパゲッティを作り上げた。

名古屋の繁華街・栄に位置する住吉本店。1階に並ぶのぼり旗と、2階に見える大きな看板が目印

初代がネーミングしたオリジナルメニューが並ぶ

あんかけスパゲッティとひと言でいっても、種類は豊富。なかでも「ミラカン」は、ウインナー、ハム、ベーコン、オニオン、ピーマン、マッシュルームが載ったヨコイの人気No.1メニューだ。また、創業時から続く「ミラネーズ」や名古屋名物の海老フライをトッピングした「海老ネーズ」なども根強い人気。ミートボールや鶏の唐揚げなどがトッピングされたボリューム満点のメニューもそろう。さらに、初代考案の「ハッシュドビーフ」などのサイドメニューも充実。何度行っても飽きない品数の多さも魅力だ。また、ディナータイム限定のセットも住吉本店ならでは。好みのスパゲッティに日替わりのおつまみとビールかワインが付いた「ジェントルマン」、人気の9種類のなかから4種類をセレクトし、少量ずつ味わえる「ガールズスパ」など、同店だけの夜メニューもおすすめだ。名古屋市内に3店舗展開している「ヨコイ」。あんかけスパゲッティのお店は数多くあるが、ぜひ元祖の味を堪能してほしい。

あんかけスパゲッティと海老フライのコラボメニュー「海老ネーズ」1,250円(税込)

洋食シェフの初代が考案し、常連客の裏メニューとして受け継がれてきた「ハッシュドビーフ」1,000円(税込)

家庭でもオリジナルの味を楽しめる。「ヨコイのソース(創業)4人前」880円(税込)、「ヨコイのソース(現在)4人前」800円(税込)、「ヨコイスパゲッティ 2.2mm/450g」300円(税込)