松阪農業公園ベルファーム

ガーデン入口のゲートハウスをくぐると、グラスハウスに続くユリノキ並木がお出迎え。夏はほどよい木陰に、秋には落ち葉がカラカラと音を立て、ガーデン散策へと誘ってくれる

三重県の食と農業に親しむ施設や体験が充実

伊勢自動車道松阪ICから東に約500m、松阪市街地から少し離れた郊外に造られた「松阪農業公園ベルファーム」は、市民の憩いの場として人気のスポット。ピクニックなどを楽しめる芝生広場、遊歩道が整備された池、食育体験のできる農場・体験工房、季節ごとに違った風景を見せてくれるイングリッシュガーデンなどで構成されている。いつも多くの人で賑わっている入り口付近では産直市場、カフェ、三重県の食を紹介するショップが営業。週末を中心にマルシェやウォーキング、季節の花を愛でるイベントなども開催されている。

ピクニックやボール遊びに最適な、芝生の広がるわいわい広場。ゴロンと寝転がって空を眺めるだけでも気持ちいい。遊具を備える公園もある

写真左手の建物が三重県特産加工品などを販売する「松阪商会」。右手の建物が産直市場の「ベルファーム農家市場」。奥の建物が「ガーデンカフェルーベル」

9つのエリアがあるイングリッシュガーデン

園内いちばんの見どころは、約1万4000平方メートルの敷地をもつイングリッシュガーデン。春はチューリップやフジ、夏はバラやアジサイ、秋はパンパスグラスやリコリス、冬は二ホンスイセンや冬咲きのチューリップなど、一年を通してさまざまな花を見られ、季節の移ろいを感じられる。イングリッシュガーデンとは18世紀頃のイギリスで生まれた西洋式庭園のひとつで、風景式庭園ともいわれるように自然の美しさを大切にした庭造りが特徴。ここではチェルシーガーデンやローズガーデンなど9つのエリアを設け、地元のガーデンボランティアと一緒に、松阪の気候に合った花の選定と手入れを行っている。

ローズガーデンの様子。イングリッシュローズを中心に約60品種、約500株を植栽。5月、最も華やかな季節を迎える

三重県の食が集まるショッピングスポット

農業公園という名前のとおり、農業も大きなテーマのひとつ。産直市場「ベルファーム農家市場」では、「三里四方の野菜を食す」というコンセプトに基づいて農産物や加工品を集めている。ナバナ、キャベツ、モロヘイヤなど松阪でよく作られている農作物に加え、松阪の伝統野菜「松阪赤菜」や「きわみいもきわみん」などベルファームブランドの野菜にも注目だ。農家市場内にある「国産小麦パンのお店 やさい畑」では、国産小麦100％の生地に季節の食材を合わせたパンが購入できる。「ベルファーム農家市場」の向かいにある「松阪商会」では、松阪牛の精肉や加工品が人気。松阪市内の人気和菓子や松阪木綿などの特産品も販売している。

「ベルファーム農家市場」の店内の様子。旬の野菜がずらりと並べられている

松阪牛の生産から出荷、販売、卸までを手がける地元業者、瀬古食品が担当

広々とした園内の散策は午前中がおすすめ

イングリッシュガーデンには午前中に花が開く植物もあるため、散策は午前中がおすすめ。「ベルファーム農家市場」の新鮮な野菜や果物を使ったフレーバーなど常時約10種類から選べる「ガーデンカフェルーベル」の手作りジェラートを手に、のんびりと散策したい。午後からは、松阪市街地へ向かい「松阪城下町」を巡るも良し、松阪ICから津方面や伊勢方面へ足を延ばしても良し。松阪市街地までは、車で約10分。「三重県立美術館」や「三重県総合博物館(MieMu)」など津市の人気施設までは、伊勢自動車道を活用すれば約30分で移動できる。

「ガーデンカフェルーベル」のジェラート。写真はダブル530円