横浜公園

横浜スタジアムで知られる歴史ある公園

1876年(明治9)に開園した横浜公園は、横浜では山手公園に次いで2番目に古い公園。広々とした芝生広場や趣ある日本庭園では、地元の人たちが思いおもいの時間を過ごしている。

横浜公園というより横浜スタジアムでわかる人が多いかもしれない

旧横浜市役所に隣接する街なかにありながら、約6万3800平方メートルの面積を有する横浜公園。市内では山手公園の次に古い西洋式公園で、日本人にも開放されていたものとしてはなんと日本最古となる。横浜港が開港された時代、関内であったこの場所には港崎遊郭があったが、1866年(慶応2)に発生した大火災によって焼失。明治維新の最中であったため復興が遅れたが、1875年(明治8)に土木技師リチャード・ブラントン設計のもと、この跡地に公園と公園から港に向かう新道路が建設され、それぞれが現在の横浜公園と日本大通りとなった。

きれいに手入れされた芝生広場が広がっている

1978年(昭和53)には、老朽化した横浜公園平和球場を取り壊して横浜スタジアムが建設され、さらに日本庭園や水場をあしらったモニュメント広場が整備された。横浜スタジアムは現在、横浜DeNAベイスターズの本拠地となっており、ファンの聖地として試合のある日は大いに賑わう。また、「彼我庭園」と呼ばれる日本庭園は、地元の人たちの憩いの場として親しまれている。横浜公園は開園当時、外国人「彼(ひ)」と日本人「我(が)」の双方が利用できたことから「彼我公園」と呼ばれていたが、1909年(明治42)に「横浜公園」と改称されたため、のちに造られた日本庭園部分に「彼我」という名を残した。

彼我庭園は周囲の喧騒を忘れる静かな空間

池のそばのベンチは散策中のひと休みに最適

横浜公園は、チューリップの名所としても有名。公園内には、約74品種、約12万球のチューリップが植えられており、品種により開花期が異なるものの、例年3月下旬から4月中旬に見頃を迎える。色や品種ごときれいに植え分けられたチューリップがいっせいに咲く様子は圧巻だ。この時期にはイベントも開催され、市内外から多くの人が訪れる。

地元の人たちに愛されるアットホームな雰囲気の公園だ