熱海梅園

広々とした敷地では毎年「梅まつり」「紅葉まつり」が開催される

梅が彩る自然豊かな公園で散策を

JR伊東線来宮(きのみや)駅から、なだらかな坂道「あたみ梅ライン」を歩くこと約10分。熱海の象徴ともいえる梅花で知られる熱海梅園に着く。1886年(明治19)に開園した熱海梅園は、4万4000平方メートルの広さを誇る都市公園。11月中旬から12月上旬には、第1号の梅が花開き、樹齢100年を超える古木を含め、60品種、469本の梅が咲き誇る。毎年1月上旬から3月上旬にかけて開催される「梅まつり」では、早咲きから中咲き、遅咲きへと開花する梅を期間中存分に楽しむことができる。日によっては熱海芸妓連演芸会や剣舞、大道芸や甘酒の無料サービスなどのイベントも実施。「梅まつり」期間中は有料時間帯あり。イベントの内容については、熱海市観光協会へ問い合わせのこと。

秋には約380本のカエデ類を堪能

早咲きの梅で有名な熱海梅園だが、毎年11月中旬から12月上旬にかけて「もみじまつり」を開催。日本で最も遅いと言われる紅葉を楽しめ、イロハモミジやムサシノ、イチジョウなど約380本のカエデ類が園内を華やかに彩る。タイミングがあえば全国的にも珍しい遅いモミジと早咲きの梅のコラボレーションを楽しめることも。園内中央にある見晴台から眺める絶景、敷地内の「梅園五橋」とモミジのコラボレーションは、写真に収めたくなるほど。期間中はイベントも実施。イベント内容は熱海市観光協会へ問い合わせを(0557-85-2222)。美しい景色を楽しめるライトアップも必見だ(16:30〜21:00)。

敷地内には「梅園五橋」と呼ばれる5本の橋と、澤田政廣記念美術館への橋、あわせて6本の橋がある

梅園五橋の1本「香浮橋」。園内は車いすで行けるルートもあり散策を楽しめる

知る人ぞ知る名所。必見「梅見の滝」

メインルートから少しはずれた場所にある「梅見の滝」は、四季の移ろいを感じることができる穴場のスポット。高さ13m、幅28.5mの人工滝で、「梅まつり」「紅葉まつり」期間中は梅やモミジと共演する美しい滝を眺めることができる。正面からの眺めももちろんよいが、滝裏の洞窟内には道があり、流れ落ちる滝を裏側から見ることも。洞窟内は一方通行。洞窟付近に注意書きの看板が立っているので確認してから進むのがおすすめ。知る人ぞ知る穴場のスポットなので、訪れた際はぜひ立ち寄ってみよう。ポンプ調整のため、流水がストップしている場合もあるので注意を。白糸のような、すがすがしい滝からマイナスイオンをたっぷりと感じよう。

四季折々に見せる姿を変える「梅見の滝」

裏側には洞窟が。滝の裏側を見ることができる

自然の移ろいを感じたあとは施設で学びとひと休み

敷地内には自然を感じるスポットのほか、名所がめじろ押し。2000年(平成12)に熱海で行われた日韓首脳会談を記念して造られた、400年前の庭園を再現する「韓国庭園」や、「肩たたき」や「シャボン玉」などの名曲で知られ、明治から昭和にかけて大衆音楽の普及に大きく貢献した作曲家・中山晋平氏の別荘を移築した「中山晋平記念館」を併設。館内には作曲に使用したピアノや直筆の譜面、当時のレコードなど貴重な物が数多く展示され、無料で楽しむことができる。散策に少し疲れたなら、施設内の足湯でひと休みするのもおすすめだ。「韓国庭園」横の高台にあり、源泉かけ流しの足湯はぜいたくそのもの。営業は「梅まつり」「もみじまつり」開催中のみなので注意を。こちらも無料開放なので気軽に立ち寄ろう。

韓国古建築専門家の監修のもと建築された「韓国庭園」。玉石張り土塀や瓦張り土塀に使われている屋根瓦は韓国から取り寄せた材料で造られている

「中山晋平記念館」では、作曲時に使われたピアノや直筆の譜面などを一般公開

足湯は「梅まつり」「もみじまつり」開催期間のみ運営。タオルは持参(販売もあり)