河津桜

ひと足先に春に出合う。ピンクの花桜に包まれる約4kmの春色ロード

桜の名所として全国に名を馳せる「河津桜まつり」は河津を代表する最大イベント。毎年多くの観光客が訪れ、美しく花開く色濃いピンクの桜を観賞し写真に収める姿がみられる。

ピンクに染まる河津川沿い

1955年(昭和30)頃、ここ河津町で発見された河津桜は、鮮やかなピンク色の花びらが美しく、伊豆の温暖な気候と早咲きの特色を生かし、2月上旬から開花し約1か月を経て満開を迎える早咲きの桜。開花の過程をゆっくりと楽しみながら満開の期間も長く楽しめるのが特徴だ。例年は2月初旬から3月初旬にかけてが開花時期となるが、五-六分咲き頃から満開後の10日間くらいまで観賞できるので開花情報をチェックしよう。

濃いピンク色の河津桜と鮮やかな菜の花のコントラストが美しい

河津七滝ループ橋周辺の隠居の桜や上条の桜に始まり、河津川に架かる峰大橋から海岸近くの浜橋まで、約4kmの川沿いには約850本の河津桜が立ち並び、毎年2月に開催される「桜まつり」の会場に。「菜の花ロード」では河津桜のあでやかなピンク色と黄色い菜の花のコントラストが美しい景観も楽しめる。そのほか、河津桜のトンネルとなるかわづいでゆ橋付近と浜橋から館橋までの区間、各所名木では夜間のライトアップ(18-21時)も行われるのでぜひ夜桜も堪能したい。

毎年90万人もの人が訪れる。幻想的なライトアップも必見

桜のトンネル

河津駅から踊子花街道を北上すること徒歩約15分。そこには河津桜の原木が毎年鮮やかな花を咲かせる。河津町田中の故・飯田勝美さんが河津川沿いで芽吹いた桜の苗を見つけ、庭先に植えた1955年(昭和30)から残されている河津桜の原木。当初は飯田さんの屋号から「小峰桜」と言われていたが、その後の調査で新種と判明し1974年(昭和49)に河津桜と命名、翌年には河津町の木に指定されている。個人宅のため駐車スペースがないので徒歩で訪れよう。

河津桜の原木は高さ・樹幅ともに約10m、幹周り約115cm。1月下旬-2月下旬に開花

「河津桜まつり」開催に合わせ、河津川沿いや河津桜まつり本部など周辺には露店や地場産品の販売ブースも設置され観光客たちで大賑わい。桜餅や桜たい焼き、小桜まんじゅうや桜しるこなど桜にちなんだフードのほか、「富士宮やきそば」や「静岡おでん」といった地元グルメ、花見の定番・甘酒や味噌田楽など魅力ある店が勢ぞろい。花見派も花より団子派も楽しめること間違いなし。周辺には日帰り温泉施設や足湯処、河津バガテル公園など観光スポットも充実している。

日帰り温泉施設「踊り子温泉会館」と夜桜