台ヶ原金精軒

甘味処

創業120年の老舗が作る確かな味の和菓子

旧甲州街道沿いに立つ老舗和菓子店。この地に生まれた創業者が故郷の水と素材で創り上げた味が、今もかたくなに守り続けられている。季節販売の商品も多いので、まめに足を運び、旬の味を楽しもう。

山梨県のブランド米「梨北米」と地産の大豆、アルプスの天然水で造られる生信玄餅} 山梨県のブランド米「梨北米」と地産の大豆、アルプスの天然水で造られる生信玄餅

地域の中心として栄えた台ケ原

1902年(明治35)に創業し、120年の歴史を誇る台ケ原金精軒(だいがはらきんせいけん)
。創業者の小野小源太は、現在の武川町三吹で生まれ、隣町ともいえる台ヶ原に店を構えた。台ヶ原は甲州街道40番目の宿場として栄え、本陣、脇本陣、旅籠が軒を連ねていた。いわばこの地域の経済、文化の中心となっていた場所であり、創業にはうってつけだったといえるだろう。台ヶ原は明治後期に現在のJR中央本線が開業したことによって物流のメインルートからははずれるが、今も旧甲州街道沿いには昔ながらの造りの家並みが残り、昔日の姿を思わせてくれる。この台ヶ原へは、鉄道利用であれば中央本線日野春駅、または長坂駅から車で20分。中央自動車道利用なら韮崎IC、須玉IC、小淵沢ICから、これも20分の距離だ。

生信玄餅は4個入り(1080円)、信玄餅は2個入り(496円)から30個入り(5994円)まで、さまざまなものが用意されている} 生信玄餅は4個入り(1080円)、信玄餅は2個入り(496円)から30個入り(5994円)まで、さまざまなものが用意されている

店内はいかにも和菓子店らしい落ち着いたたたずまいを見せる} 店内はいかにも和菓子店らしい落ち着いたたたずまいを見せる

造りたての味が今も提供され続けている店

台ケ原金精軒の和菓子は創業時から一貫して、地産の水、米、小麦を使って造られ続けているという。終戦後の極度に物資がなかった時代にもその姿勢は変わらなかったといい、今も毎年地大豆を栽培し、自家焙煎、自家挽きのきな粉を水信玄餅に付けて提供し続けている。これも長い伝統を誇る老舗の心意気といったところだろうか。創業時から変わることのない人を大切にする姿勢があったからこそ、どのような時代であっても、皆がこの店を支持してきたのである。今も朝な夕なに常連さんが店を訪れ、週末ともなれば、お店の駐車場には他県ナンバーの車がずらりと並ぶ。遠くに住む人が自動車専用道を降りてでも味わいたい、手作りの菓子だけが備える確かな味がここにあるということだろう。

「大吟醸粕てら」は、大吟醸酒の酒粕を使って作られる。カステラとは思えないしっとりとした味わいだ。(1994円)} 「大吟醸粕てら」は、大吟醸酒の酒粕を使って作られる。カステラとは思えないしっとりとした味わいだ。(1994円)

和菓子屋が作るスイートポテト「ほくときらり」は、しっとりとクリーミーな味わい。(1458円)} 和菓子屋が作るスイートポテト「ほくときらり」は、しっとりとクリーミーな味わい。(1458円)

小さな和菓子に込められた作り手の想いを味わおう

台ヶ原金精軒の和菓子はどれもが手作り。当然、季節によって提供される品目が異なる。人気商品のなかには季節限定、販売日限定のものもあるから、事前の確認を忘れずに。お店に出向く日が決まったなら、予約を入れるのもよいだろう。もちろん、店先でずらりと並ぶ艶やかな姿の和菓子を眺め、あれこれ迷いながらのショッピングも楽しい。人気商品が早い時間に売り切れてしまうこともあるので、その点は忘れずにおこう。思えば今、スーパーマーケットなどに並ぶ食品は大量生産のものばかり。そんな没個性の時代だからこそ、お菓子くらいは本当に質のよいものを選びたい。一品一品に丹精を込めて作られた小さな和菓子のほんのりとした甘さが、存分に心を温めてくれるはずだ。

生地と餡にほうじ茶を使ったまんじゅう「焙の香」(324円)。爽やかな余韻を楽しもう} 生地と餡にほうじ茶を使ったまんじゅう「焙の香」(324円)。爽やかな余韻を楽しもう

明治中期にこの場所で創業。店構えには長いときを経て醸し出された風格が漂う} 明治中期にこの場所で創業。店構えには長いときを経て醸し出された風格が漂う

甲府と下諏訪を結んだ甲州街道裏街道の宿場町

台ヶ原金精軒は旧甲州街道に面して立つ。近世に整備されたという甲州街道は江戸と甲府を結ぶ表街道と、甲府と下諏訪を結ぶ裏街道からなり、下諏訪で中仙道と合流した。計44の宿場が置かれ、鉄道が開通するまでは、物流、文化交流のメインルートとして機能していた。現在の国道20号線がほぼ旧甲州街道をトレースしているが、所どころには残された旧道が並行し、その所どころに古い街並みが残っているので、出かけてみたい。台ヶ原周辺にも道祖神、一里塚跡などがあり、遠い昔の旅の姿を連想することができる。清酒「七賢」で知られる山梨銘醸も近く、こちらはお酒好きの人であればぜひ立ち寄ってみたいスポットだ。台ヶ原を貫く旧甲州街道は、ゆるい坂道が続いている。慌てることなくゆっくりと歩きたい。(価格は2022年(令和4)12月時点)

店の前を旧中山道が延び、昔の面影をとどめる家並みが続いている} 店の前を旧中山道が延び、昔の面影をとどめる家並みが続いている

スポット詳細

住所
山梨県北杜市白州町台ヶ原2211 map map 地図
電話番号
0551352246
時間
9:00-17:00
休業日
駐車場
あり(15台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、銀聯)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、LINE Pay)
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間
0-30分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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アクセス

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最寄り

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