北八ヶ岳ロープウェイ

ロープウェイ等

アルプスの眺望と謎多き溶岩台地の散策を満喫

八ヶ岳中信高原国定公園にあり、ビーナスラインのドライブの途中、60~90分あれば寄り道できる。ロープウェイ山頂駅の上に広がる坪庭は、岩石の隙間に高山植物が咲く独特の景観。地質学的なおもしろさも魅力だ。

全長2147m、標高差466m。100人乗りの大型ロープウェイが標高2237mまで7分で運び上げてくれる} 全長2147m、標高差466m。100人乗りの大型ロープウェイが標高2237mまで7分で運び上げてくれる

オールシーズン楽しめるリゾート

蓼科湖から白樺湖へ向かってビーナスラインを上る途中、大きな標識にしたがって脇道へそれること約5分。北八ヶ岳ロープウェイは、八ヶ岳連峰の北端にそびえる北横岳(きたよこだけ)と縞枯山(しまがれやま)の鞍部に架けられており、20分ごとに運行している(混雑時は増便)。高度を増すにつれて視界が開け、日本アルプスが見えてきて爽快だ。ロープウェイの下の斜面は冬に「ピラタス蓼科スノーリゾート」となる。ピラタスとはスイス中央部にそびえる山の名で、北八ヶ岳同様にアルプスの展望台として名高いことから命名された。スイスのピラタスとの大きな違いは、北横岳から流れてきた溶岩でできた地形と、その台地を緑が覆っていること。5~6月の新緑、6月後半のレンゲツツジ、6月末~7月の高山植物、9月下旬~10月中旬の紅葉、冬にはパウダースノーのゲレンデ、2月頃になると樹氷も見られる。一年を通して楽しみ満載だ。

標高1771mにあるロープウェイ山麓駅はスイスシャレー風。ロゴマークにもエーデルワイスがあしらわれている} 標高1771mにあるロープウェイ山麓駅はスイスシャレー風。ロゴマークにもエーデルワイスがあしらわれている

山頂駅の展望デッキ「スカイアイ2237」からは八ヶ岳と日本アルプスの雄大な山並みが望める} 山頂駅の展望デッキ「スカイアイ2237」からは八ヶ岳と日本アルプスの雄大な山並みが望める

自然が造り出した奇跡の坪庭

山頂駅にはカフェと展望デッキがある。しばしパノラマを満喫したら、ぜひ坪庭を散策してみよう。1周1.1kmで、30~40分で回ることができる。一部に急な石段もある砂利道だが、気をつければ幼児でも歩けるだろう。斜面に露出するゴツゴツとした岩の隙間にハイマツ、コメツガ、シラタマノキなどの低木がしがみつくように生えている。6月下旬になるとコイワカガミ、キンロバイ、ツマトリソウ、オトギリソウなどの高山植物も顔をのぞかせる。風が強く、夏でも気温が低く、養分に乏しい溶岩台地は植物の生育には厳しい環境。こうして一面が緑に覆われているのは驚くべき光景なのだ。時折、観光客に混じって本格的な登山靴を履いた人とすれ違う。ここは八ヶ岳北部の登山拠点になっているので、早朝のロープウェイは登山客だらけ。特に坪庭の目の前にそびえる北横岳(標高2480m)へのルートは2~3時間で山頂まで往復できるので家族連れに人気。

八ヶ岳山麓はコケの種類が非常に多い。有名な白駒池ほどの規模ではないが、坪庭でも美しいコケを見ることができる} 八ヶ岳山麓はコケの種類が非常に多い。有名な白駒池ほどの規模ではないが、坪庭でも美しいコケを見ることができる

坪庭の途中には休憩所が3か所あり、山々の眺めがよい場所にベンチが備えられている} 坪庭の途中には休憩所が3か所あり、山々の眺めがよい場所にベンチが備えられている

坪庭の周辺は不思議がいっぱい

ロープウェイや坪庭から右上に見えている標高2403mの縞枯山は、その名のとおり山腹の樹木がしましまに枯れている。オオシラビソなどの亜高山帯針葉樹が、帯状のエリアでいっせいに枯れるという不思議な現象だ。しかも縞枯れの帯は毎年少しずつ上へ移動しているという。研究によると、100年ほど経った樹木がなぜかいっせいに立ち枯れ、地面が乾燥すると、その上部に生えている木が養分を吸い上げられなくなり、強風にもさらされるため、やがて枯れてしまう。最初に枯れたエリアには新たな若木が育つため、枯れたエリアが移動したように見えるという。溶岩台地で根の浅いことが影響しているようだが、詳細は謎のままだ。

国内で見られる縞枯れ現象のなかで最も規模が大きく、遠くからでもひと目でわかる} 国内で見られる縞枯れ現象のなかで最も規模が大きく、遠くからでもひと目でわかる

不思議なことはもう1つある。坪庭から活火山である北横岳を見上げると、山頂近くまで針葉樹林が広がっているのが見える。背の低いハイマツ帯より上に背の高い木が自生するという逆転現象が起きているのだ。中部地方の場合、ハイマツは標高2500~3000mの高山帯を代表する植物で、森林限界の上にあるのが普通。しかしここでは森林限界より下の標高2200m付近にハイマツ帯が広がる。この現象もまた養分の少ない土壌のせいだといわれ、学術的にも注目されているが、いまだに原因ははっきりとわかっていない。

わずかな土壌にもかかわらずハイマツやコケモモが一面を埋め尽くしている} わずかな土壌にもかかわらずハイマツやコケモモが一面を埋め尽くしている

土壌の栄養分が乏しい場所で優勢になるコメツガ} 土壌の栄養分が乏しい場所で優勢になるコメツガ

スポット詳細

住所
長野県茅野市北山4035-2541 map map 地図
電話番号
0266672009
時間
[夏期]8:00-17:00
[冬期]9:00-16:00
[春・秋平日]8:40-16:40
[春・秋土日祝]8:20-17:00
休業日
4月初め-中旬、11月中旬-12月中旬
料金
【利用料(往復)】
[中学生以上]2,600円
[小学生]1,300円
駐車場
あり(600台)
※無料
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY)
Wi-Fi
あり(KR_Free)
喫煙
平均予算
【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間
60-120分
車椅子での入店
乳幼児の入店
備考
※気象状況により予告なく運休、営業時間の変更をする場合あり

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • お花畑へ直行
    4.0 投稿日 : 2023.06.10
    ロープウェイですぐに坪庭、高原のお花畑へ。行きはロープウェイで、帰路は歩きでというのがお勧め。コマクサの群生を見ることもできるし、種々の高山植物を楽しむことができる。高山植物を摘まないように、観光客のマナーが求められる。
  • 雪山の散策
    4.0 投稿日 : 2023.03.05
    チケット販売時間が分からずチケット購入に時間が掛かってしまった。運行開始前に上手く買えればさらに良かった。
  • 7分で山頂へ
    4.0 投稿日 : 2021.10.05
    標高1771mの山麓駅はまるでスイスのような美しい建物です。広い600台の駐車場があります。標高2237mの山頂駅へは100人乗りの大型ロープウェイで7分で到着します。「山のCAFE」の中を通って行くと展望台(スカイアイ2237)があります。行った日は雲が多いけどいい天気で、暑いくらいで日差しが強かったです。

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました