小諸城址 懐古園

公園/緑地

「日本100名城」に名を連ねる風情ある城郭

武田信玄の軍師として活躍した山本勘助と、「仙石さん」と親しまれた初代小諸藩主・仙石秀久が心血を注いだ城郭。石垣と城門が残っており、桜と紅葉スポットとして名高い。文豪・島崎藤村の足跡に触れることもできる。

本丸跡に立つ懐古神社。明治時代、廃城となって荒廃した様子に心を痛めた元藩士が資金を集めて創建した} 本丸跡に立つ懐古神社。明治時代、廃城となって荒廃した様子に心を痛めた元藩士が資金を集めて創建した

JR小諸駅に至近。市を代表する見どころ

北国街道の宿場町として栄えた小諸市の中心にある。JR小諸駅の目の前で、ざっと一周するだけなら1時間程度で見学できるだろう。駅から跨線橋を渡って懐古園へ向かうと、車道より1段低い位置に「三の門」(国指定重要文化財)が見えてくる。安土桃山時代あるいは江戸初期に創建されたが、千曲川の洪水で流出。現存するのは江戸後期の1766年(明和3)に再建されたものだ。門をくぐると左にあるのは「徴古館(ちょうこかん)」。刀剣、甲冑、古文書、勝海舟や山岡鉄舟の書、伝説的な名工・左甚五郎が徳川家光と春日局を彫った『喜内様・お福様の木像』などは必見。

懐古園の入り口でもある「三の門」。城下町よりも低い位置にある城門は珍しい} 懐古園の入り口でもある「三の門」。城下町よりも低い位置にある城門は珍しい

石垣を見上げながら「二の丸跡」へ上がろう。1600年(慶長5)、関ヶ原の合戦に出陣する途中、徳川軍の本陣が小諸城におかれた。このときに二の丸のあった場所で、真田軍の上田城方面を見渡すことができる。ここで徳川秀忠は、のちに「第二次上田合戦」と呼ばれる真田とのやりとりに10日間を費やし、関ヶ原の合戦に間に合わなかった逸話は有名。

昭和に入って復元された二の丸跡の石垣。明治時代、この石垣を崩して巨石を北国街道の整備に使った} 昭和に入って復元された二の丸跡の石垣。明治時代、この石垣を崩して巨石を北国街道の整備に使った

城下町より低地にあっても難攻不落

さらに進むと本丸跡に「懐古神社」が鎮座する。近くには、築城の際に山本勘助の愛用した「鏡石」や、金箔瓦の天守閣がそびえていた「天守台」もある。小諸城の始まりは平安時代に築かれた小室太郎光兼の館だと考えられている。室町時代にこの地方を支配した大井氏の築いた城を、1554年(天文23)に武田信玄が手中に収め、築城の名手として知られた軍師・山本勘助に命じて城郭を整えさせた。これが小諸城の原型となった。1590年(天正18)、小諸藩初代藩主・仙石秀久(せんごくひでひさ)が入城。秀久は信長、秀吉、家康に仕えた武将で、小田原攻めの戦いぶりが秀吉の目にとまり、この地を与えられた。以後30年以上にわたって居城し、城を大改修したという。小諸城のある場所は浅間山の噴火でできた台地が浸食された地形で、城郭の奥は千曲川と断崖、両脇は深い谷になっている。東には堀や桝形を設置して城下町より低いという弱点を補い、難攻不落の城を築き上げている。

本丸手前に架かる黒門橋は車輪が付いていて取り外し可能な橋だったという。人力で掘った谷は今では紅葉の名所だ} 本丸手前に架かる黒門橋は車輪が付いていて取り外し可能な橋だったという。人力で掘った谷は今では紅葉の名所だ

千曲川を見下ろせる「水の手展望台」。かつてここに落城の際に脱出するための門があった} 千曲川を見下ろせる「水の手展望台」。かつてここに落城の際に脱出するための門があった

文豪・島崎藤村の小諸時代

天守台の北には「藤村記念館」がある。信州・木曽の馬籠宿(現在は岐阜県)で生まれた藤村は1899年(明治32)、恩師の木村熊二に招かれて小諸に居を移した。木村が設立した私立の旧制中学「小諸義塾」で国語と英語の教師として教壇に立ったのだ。藤村は27歳からの6年間を小諸で暮らす間に、結婚し、3人の娘を授かり、『千曲川のスケッチ』『雲』などを執筆し、のちに代表作となる『破戒』も書き始めている。ロマン主義の詩人から脱却し、自然主義文学の小説家へと転向した時代といえるだろう。館内には『千曲川旅情のうた』や『破戒 第一章』の直筆原稿、『千曲川のスケッチ』『破戒』の初版本など貴重な資料が展示されている。なお、懐古園の隣、駅の向かいに「小諸義塾記念館」があり、当時の教科書などを展示している。懐古園のチケットで見学できるのでお忘れなく。

格調高いデザインは東宮御所や東京国立近代美術館も手がけた谷口吉郎。馬籠宿の「藤村記念館」も彼の設計だ} 格調高いデザインは東宮御所や東京国立近代美術館も手がけた谷口吉郎。馬籠宿の「藤村記念館」も彼の設計だ

藤村の胸像の近くには『千曲川旅情のうた』や、歌でもおなじみの『椰子の実』の詩碑も立つ} 藤村の胸像の近くには『千曲川旅情のうた』や、歌でもおなじみの『椰子の実』の詩碑も立つ

バラエティに富んだ見どころ

園内にはほかに、狼煙(のろし)の煙などを見る監視台で、富士山も見える「富士見展望台」、大正時代に植えられた桜の名所「馬場」などがある。また、藤村記念館の先から酔月橋を渡ると「小山敬三美術館」があり、世界的建築家・村野藤吾のデザインした白い建物のなかに、昭和に活躍した小諸出身の洋画家・小山敬三の絵画が展示されている。特に『浅間山黎明』や城シリーズは必見。一方、富士見展望台の南には1926年(大正15)に開園した「小諸市動物園」がある。長野県最古、日本で5番目に古い動物園で、水中で泳ぐペンギンを横から観察できる水槽が人気。その奥にはちょっとレトロな「児童遊園地」もある。最後に、駅を挟んだ東側に立つ「大手門」もお見逃しなく。小諸城の正門として1612年(慶長17)に造られたもので、国の重要文化財に指定されている。なお、ここに紹介した施設はすべて懐古園の入園チケットで見学できる。

馬場にあるあずまや。「日本さくら名所100選」に選ばれた小諸八重紅枝垂は、市内のみで植栽されている品種だ} 馬場にあるあずまや。「日本さくら名所100選」に選ばれた小諸八重紅枝垂は、市内のみで植栽されている品種だ

スポット詳細

住所
長野県小諸市丁311 map map 地図
電話番号
0267220296
時間
9:00-17:00

【美術館・博物館】
9:00-17:00
[12/1-3月下旬]9:00-16:30(最終入館16:00)

【動物園】
9:30-16:30

【遊園地】
9:30-16:30(雨天休園)
休業日
[12月-3月中旬]水
年末年始(12/29-1/3)
料金
【共通券】
[大人]500円
[中学生以下]200円
※遊園地の乗り物は1回200円

【散策券】
[大人]300円
[中学生以下]100円
※入園のみ、博物館などには無効

【単独券】
[大人]200円
[中学生以下]100円
駐車場
あり(約200台)
※有料
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
可(PayPay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
※散策券を自動券売機で購入時のみ利用可
Wi-Fi
あり(NTT)
平均予算
【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • 天気がよく散策が楽しかった
    4.0 投稿日 : 2024.01.18
    敷設の駐車場に車を停め散策をしました。石垣がメインの城址ですが、天守跡まで行くと高台にあることがわかり景色も楽しめました。途中にある懐古稲荷は小さな八代でした。奥に懐古神社があり、城跡に神社が移築というよくあるケースになっていました。どこをまわるかによって入場券の種類が違うようでした。
  • 紅葉がとてもとてもきれいでした!!!
    5.0 投稿日 : 2023.11.03
    小諸城跡を中心とした公園で大変きれいに整備されていました。見どころたくさんありましたが、紅葉の時期だったのでほんとうに素晴らしかったです!長野県に来たならばぜひとも行きたい観光スポット。
  • 緑豊かな美しい情景のなかに小諸城の面影を感じながら散策できます
    5.0 投稿日 : 2023.08.30
    明治4年の廃藩置県で廃城となった小諸城。その城跡は、大正時代に整備されて、小諸城址懐古園となりました。 私たちは、懐古園の入り口でもある三の門から園内に入り、緑豊かな美しい園内に点在する神社や歴史的な遺物を眺めながらめぐりました。園内は、小諸城の面影を堪能できるばかりでなく、展望台からは眼下に流れる千曲川も見えました。帰りは、隣接する動物園を通って戻りましたが、途中には記念館もあるなど、見どこ...

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました