たこ焼道楽わなか 千日前本店

目の前で次々と焼き上げるスタイルに、食欲をそそられる

お笑いの聖地・千日前のど真ん中のたこ焼き手店

大阪ミナミの中心、南海電鉄難波駅前の広場から、なんば南海通のアーケード街を歩いて数分の距離にある「たこ焼道楽わなか千日前本店」。千日前は大正～昭和初期に数多くの演芸場や映画館などが立ち並んだ歓楽街で、現在も「たこ焼き道楽わなか千日前本店」の隣に吉本新喜劇でおなじみの「なんばグランド花月」が、斜め向かいに「よしもと漫才劇場」が立つ。昼夜を問わず賑わう千日前にあって、「たこ焼き道楽わなか千日前本店」はひときわ多くのお客さんを集める人気店であり、赤提灯が並んだ屋台風の店先は行列が絶えない。また店内にも80人ほどが入れるイートインスペースがあり、生ビールを飲みながらゆっくりと味わうこともできる。「なんばグランド花月」での公演前の腹ごしらえにもちょうどよい。

赤い軒に提灯が吊るされた、屋台をイメージさせる外観

『ミシュランガイド』ビブグルマンにも選出

「千日前本店」をはじめ、大阪を中心に14店舗を展開する「たこ焼き道楽わなか」。その歴史は、株式会社わなかの現会長である和中徹氏の父が、現在の「千日前本店」の場所で寿司屋をはじめた1950年(昭和25)にまでさかのぼる。1961年(昭和36)に菓子屋に転じ、そして1986年(昭和61)に徹氏が菓子屋の軒先でたこ焼きの販売を行ったのが、現在の「わなか千日前本店」のルーツとなる。以来35年以上にわたり営業を続け、今では大阪でも屈指のたこ焼きの名店として知られるようになった。『ミシュランガイド京都・大阪』においても、2016年(平成28)から2018年(平成30)にかけ、3年連続でビブグルマンに選出されている。地元の常連客はもちろん、観光客や「吉本グランド花月」の舞台に立つ芸人さんにもファンは多い。

熟練の手さばきで次々と焼かれていく様子は、見ていても楽しい

一つひとつが大ぶりで、外はカリッと仕上がっているのが「わなか」の特徴

素材本来のうまさを味わえる、わなか特製「たこ焼き塩」

「たこ焼道楽わなか千日前本店」では、熟練の焼き師によって次々とアツアツのたこ焼き(8個入り600円)が焼かれ、その見事な手さばきと香ばしいソースのにおいにひかれた人たちが行列を作っている。熱伝導率のよい銅板で強火に一気に焼き上げているので、外はカリっと、中はとろりとした食感。薬味にはネギと天かす、それに紅ショウガではなく無着色の塩ショウガを使っているのが「わなか」の特徴である。定番の特製ソースがうまいのは言うまでもないが、通の間で人気なのは「釜炊き塩」。あっさりとしているので、生地の食感やうまみがダイレクトに伝わってくる。そのほか、特製ポン酢でいただく「たこポン」(8個入り650円)や、子どもに大人気の「たこせん」(200円)、温かいカツオだしでいただく明石焼き風「わんこだこ」(8個入り700円)などのメニューもある。

隠れた人気メニューの「釜炊き塩」。シンプルな塩味が、たこ焼き本来の味と食感を引き立てている

「タコせん」には、ぜいたくにもたこ焼きが2個挟まれている