大悲閣千光寺

寺院

嵐山の喧騒を離れ、保津峡を眼下に望む天空の寺へ

嵐山の中腹にたたずむ大悲閣千光寺。山の斜面にせり出した懸崖造の客殿からは、眼下に保津峡、彼方に京都市街の眺望が広がる。嵐山の秘境ともいえるロケーションが魅力の禅宗寺院だ。

客殿の大パノラマ。彼方には霊峰・比叡山も望める} 客殿の大パノラマ。彼方には霊峰・比叡山も望める

自然豊かな保津川のほとりを歩く

嵐山のシンボル・渡月橋から徒歩20分ほど。橋の南詰から大堰川、さらに上流の保津川へと向かって遊歩道を歩いていく。車がほとんど通らない道なので、聞こえるのは川のせせらぎや鳥の声。次第に渡月橋界隈の喧騒が遠のいていく。「大悲閣道」と刻まれた石碑のかたわら、2本の石柱を通り抜ければ境内で、参道となる200段の石段が続く。大悲閣千光寺の創建は1614年(慶長19)、保津川を開削して舟運の発展に尽力した豪商・角倉了以(すみのくらりょうい)による。開削工事にともない亡くなった人々を供養するため、当時、清凉寺の近くにあった千光寺を現在地に移し、二尊院の僧・道空(どうくう)を住職としたのが始まりだ。

「大悲閣道」の石柱横から200段の石段を上がっていく} 「大悲閣道」の石柱横から200段の石段を上がっていく

本堂を目指してつづら折の参道を進む

つづら折の参道を、ときどき立ち止まって息を整えながら上がっていく。境内には、了以の息子であり儒学者の角倉素庵が建てた了以の顕彰碑や、禅僧・夢窓疎石が坐禅をしたと伝わる坐禅石が残る。斜面にせり出すような客殿が頭上に見えればゴールはもうすぐだ。本堂(観音堂)に祀られる本尊・千手観世音菩薩像は、角倉了以が大切にしていた念持仏。了以はこの地に隠棲して余生を送ったのだが、彼の遺言により作られた角倉了以像が、本尊の隣に安置されている。法衣姿で斧を持ち、片膝を立てた姿で、今も保津峡を見守っているかのようだ。

「大悲閣」と称する客殿} 「大悲閣」と称する客殿

千手観世音菩薩像は平安時代中期の恵心僧都の作と伝わる。向かって右が角倉了以像} 千手観世音菩薩像は平安時代中期の恵心僧都の作と伝わる。向かって右が角倉了以像

客殿からのパノラマビューに感動

切り立った岩肌に建つ客殿からは、保津峡のダイナミックな渓谷美を望める。彼方には比叡山や大文字山を擁する東山三十六峰、京都市街の眺望までも広がり、空に浮かんでいるような心地に。春は桜の薄紅色、夏はすがすがしい緑、秋には真紅のモミジ、冬には純白の雪が彩りを添え、季節ごとに訪れたくなるスポットだ。ちなみに、保津川対岸の亀山展望台や小倉山の大河内山荘庭園の展望所からは、嵐山の中腹にたたずむ大悲閣千光寺を遠望できるので、時間が許すなら大悲閣千光寺や保津峡を異なる場所から眺めてみるのもおすすめだ。

客段の舞台から嵐山側を望む} 客段の舞台から嵐山側を望む

保津川下りの船やトロッコ列車が眼下に見える} 保津川下りの船やトロッコ列車が眼下に見える

スポット詳細

住所
京都府京都市西京区嵐山中尾下町62 map map 地図
電話番号
0758612913
時間
[開門時間]10:00-16:00
料金
[入山料]400円

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 急な参道を登った先の素晴らしい眺望
    4.0 投稿日 : 2022.11.20
    星のや近くにある参道入口から急な坂道を10分くらい登った先にあります。途中二股の分かれ道が二か所ありますが、いずれも左を選べば辿り着けます。大きなお寺が多い京都ですが、ここは小さなお寺です。でも大きなスケールで京都市街を見晴らすことができます。
  • 嵐山の秘境になっています!
    5.0 投稿日 : 2022.10.04
    嵐山に訪れても、この大悲閣・千光寺まで立ち寄る人は少ないでしょう。私は学生時代に時々訪れていましたので、懐かしく感じました。急な階段を登り切った場所に本堂がありますので、境内からは京都の町中の景色も遠望する事が出来ます。一度は訪ねてみるべき場所ですね。
  • 秘境寺
    5.0 投稿日 : 2022.05.05
    大悲閣 千光寺(だいひかくせんこうじ)は、黄檗宗系の単立寺院です。受付時間は10:00〜16:00までで、拝観料は大人400円です。渡月橋少し歩きます。かつ最後は凄い登りの階段があるので、決して楽ではないです。その分あまり他に人は来ないのでゆっくりできるのがいいところです。

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アクセス

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