八幡市立松花堂庭園・美術館

美術館

江戸時代の超一流の文化人・松花堂昭乗に思いを馳せて

江戸時代、寛永の三筆に数えられた松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)。書に秀でただけでなく、茶道や絵画などにも才を発揮した昭乗は、隠居後に石清水八幡宮のある男山の山麓に草庵を結んだ。その足跡をたどることのできるのが庭園美術館だ。

エントランス正面の建物は庭園の受付 エントランス正面の建物は庭園の受付

松花堂昭乗と八幡市の歴史を紹介する美術館

京阪石清水八幡宮駅からは路線バスで約10分。松花堂庭園・美術館を巡るには、まず松花堂昭乗の人となりを美術館で学ぶことから始めたい。かつて、石清水八幡宮を取り巻くように並び立っていた多くの僧坊。そのなかのひとつ瀧本(たきもと)坊の住職を引退した昭乗は、近くの泉坊に草庵を構え「松花堂」と名づける。昭乗のもとには、小堀遠州(こぼりえんしゅう)をはじめ時代を代表する文化人が会し、さながら文化サロンのようであったという。館内には、松花堂や泉坊の内装品をはじめとする昭乗ゆかりの品が展示されており、なかでも、のちの松花堂弁当の起源となった「松花堂好四ツ切塗箱」は必見。透明度の高い漆を塗る技法が用いられており、昭乗の美意識に触れることができる。

地下にある美術館の展示室。落ち着いて鑑賞できる 地下にある美術館の展示室。落ち着いて鑑賞できる

広大な庭園には八幡市ゆかりの竹林も

庭園の広さは、およそ2万2000平方メートル。日本庭園としてはかなり広い部類だ。明治の廃仏毀釈により、昭乗ゆかりの松花堂と泉坊書院が、石清水八幡宮のある男山から現在地に移されたのが1891年(明治24)。今では国の史跡、名勝に指定されている(2021年10月現在、松花堂および泉坊書院は修復中のため見学不可)。

竹林に囲まれた石畳の散策路。鯉のエサも受付で販売 竹林に囲まれた石畳の散策路。鯉のエサも受付で販売

園内では、300本以上のツバキ、梅や桜、アジサイ、モミジなどが季節の彩を添えるが、注目したいのは竹。細くしなやかな真竹、変わり模様の亀甲竹など種類は40を超え、さらに茶室や垣根の建材としても使用されている。そういえば、エジソンが男山の竹を使い電球の発明に成功したのは有名なエピソードだ。

庭園内のいたるところで、竹の造作を見られる 庭園内のいたるところで、竹の造作を見られる

茶人としての昭乗を垣間見られる茶室

庭園には、江戸時代の起こし絵図、今でいう3D図面をもとに建てられた3棟の茶室がある。現代的な「竹隠」、千利休の孫であり昭乗とも交流のあった宗旦(そうたん)好みの「梅隠」、小堀遠州が昭乗のために造った茶室・閑雲軒(かんうんけん)を再現した小間のある「松隠」だ。利休のわび茶とは異なる新しい茶の湯の芸術を、男山で展開した昭乗。それは、友人である小堀遠州の「きれいさび」の影響を色濃く受けたものだ。驚くべきことに、閑雲軒は、崖の斜面に張り出すように設けられた「空中茶室」ともいうべき構造であったことが発掘調査で判明している。それを、茶室・数寄屋建築研究の第一人者であった中村昌生氏が、松隠の小間として再現したというわけだ。

床が通常の日本家屋よりも高い位置にある松隠 床が通常の日本家屋よりも高い位置にある松隠

松花堂発祥の地で味わう京料理と八幡土産

昭乗の美意識は、日常の暮らしで使う小物にも反映された。その代表が、美術館で展示されていた「松花堂好四ツ切塗箱」だ。農家の種入れとして使われていたものを、煙草盆、絵の具箱として工芸品にまで高めたといわれる。後世、それにヒントを得た京都吉兆の創業者・湯木貞一が、試行錯誤を繰り返し生み出したのが「松花堂弁当」。敷地内には京都吉兆松花堂店があり、庭園を眺めながら、京料理に舌つづみを打てる。

松花堂ミニ懐石「雅」。八寸(左上)の彩が食欲をそそる 松花堂ミニ懐石「雅」。八寸(左上)の彩が食欲をそそる

また、ミュージアムショップでは、八幡市ならではの土産物を買うこともできる。この地が古くから栄えてきた理由には、木津川の流域であったという背景がある。その木津川河川敷の砂地で栽培され、山茶より色合いも鮮やかな浜茶を、ぜひおすすめしたい。

ふくよかな香り立ちの抹茶「浜之風」30g缶入1100円 ふくよかな香り立ちの抹茶「浜之風」30g缶入1100円

スポット詳細

住所
京都府八幡市八幡女郎花43-1
電話番号
0759810010
時間
9:00-17:00(入園・入館は16:30まで)
休業日
月(祝の場合は翌平日)、年末年始
料金
【庭園入園料】
[大人]300円
[学生(高校・大学生)]220円
[子供(小・中学生)]150円
※2018年地震・台風被害を受け、名勝範囲見ていただけないため

【美術館入館料】
[大人]400円から
[学生]300円から
[18歳以下]無料(大学生除く)
駐車場
あり(35台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(Free Wi-Fi KYOTO)
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり(パンフレット)
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
0-120分(個人による)
車椅子での入店
可(庭園を除く)
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • 松花堂弁当の由来となった庭園
    3.0 投稿日:2022.02.11
    松花堂弁当の名前の由来となった庭園。今でも園内に料亭「吉兆」があって、予約をすれば松花堂弁当が食べられる。庭園は内園と外園に分かれているが、内園は2018年の地震で影響を受け、現在修復中で見学できない。それにしても修復に時間がかかり過ぎている気がする。内園の主な見所は、いくつかある茶室。そのほか美術館もある。
  • 小さな庭園
    4.0 投稿日:2020.11.29
    松花堂弁当の発祥ですね。庭園はこじんまりとしていて常緑樹中心に、モミジや椿が少し植わっている感じで、素朴というか侘びさびを感じるようなつくり。美術館については、訪れた時には個人収蔵品の企画展を行っていました。
  • 松花堂弁当の松花堂
    5.0 投稿日:2020.10.24
    あの松花堂弁当の松花堂ですね。地下の展示室が美術館です。庭園は古い建物などもあり、季節ごとの花木が手入れもゆき届き、美しい風情です。

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