千本ゑんま堂 引接寺
ゑんま様を祀る、この世とあの世の境目に建つお寺
卒塔婆が千本も立つ通り!?
千本ゑんま堂は、バス停の千本鞍馬口から徒歩すぐの場所にある。正式な寺名は引接寺(いんじょうじ)だが、千本通沿いに位置し閻魔様を祀ることから「千本ゑんま堂」として親しまれてきた。ちなみに千本通の名前の由来は、かつて船岡山の西麓一帯が蓮台野(れんだいの)と呼ばれる葬送の地であったため、そこへ向かう道には亡くなった人を供養するための卒塔婆が無数に並び立っていたのだという。そのあまりの数の多さから、いつしか卒塔婆が千本も立つ通り=「千本通」と呼ばれるようになった。こうしたこの世とあの世の境目ともいえる場所にある千本ゑんま堂だが、そこで祀られる閻魔様もまた、この世とあの世や地獄と極楽の境目にいる存在である。
小野篁が開いたお寺
そもそも千本ゑんま堂は、この世とあの世を自由に行き来したという平安時代の小野篁(おののたかむら)が、閻魔様の命によって創建したのが始まりという。非常に優秀であった小野篁は、昼間は宮中で、夜は閻魔様に仕えたとの伝説が残る人物。閻魔様に仕えるなかで、塔婆を用いて亡き先祖を再びこの世へ迎える供養法である「精霊迎えの法」を授かったという。これは後世に広がるお盆行事につながるものであり、その根本道場として、みずから閻魔法王の姿を刻んで安置したお堂が千本ゑんま堂である。
人間を守る閻魔様の存在
閻魔様は、一見恐ろしい顔をしているが、実は人間界を守護する存在である。一方で、人間界を司る存在であり、亡者・死者の生前の罪に判決を下す裁判官の役割も担う。そのため、人間を悪の道に進ませないよう、あえて怖い顔をして悪の道の恐ろしさを伝えているのだとか。千本ゑんま堂の本堂には、中央に本尊・閻魔法王が、向かって右側には裁きを受ける人のすべての行いが記されている閻魔帳を持つ司命尊像、左側には書記官の役割を担う司録尊像が祀られている。
紫式部にもゆかりがある
境内には、紫式部の供養塔が建つ。これには思いがけない由来があり、実は紫式部は、あの有名な『源氏物語』に多くの創作話、つまり「嘘(フィクション)」を書いたという理由から、あの世で恵まれない待遇を受けていたという。のちに、そのことを心苦しく思った円阿上人が、式部を供養するために建てたと伝わる。
また千本ゑんま堂は、京都三大念佛狂言のひとつ「ゑんま堂狂言」でも知られる。もともとは比叡山の僧である定覚(じょうかく)が布教のために始めた大念仏踊だと伝わり、ほとんどの演目が有声で行われるのが特徴。毎年5月1-4日と、節分会の際に上演されるので、ぜひ足を運んでみよう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- お精霊迎え
- 千本ゑんま堂は、光明山歓喜院引接寺が正式名称です。本日は、お精霊迎えに行きました。京都では旧盆のこの日(2022年8月7日...
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- 開基小野篁はこの世とあの世を行き来出来ました。
- 2021年京都観光検定、夏のテーマが「鬼や妖怪、伝説等」なので実地見学を兼ねてきました。この寺は、通称千本ゑんま堂、開基はこの世とあの世を行き来した小野篁です。境内には大きな閻魔様の像が有ります。有料のようですが、お堂内の閻魔様の像を見ることが出来ます。また紫式部を供養する十重石塔は重要文化財です。
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- 引接寺の合わせ書きとして、千本ゑんま堂と併記すべき寺院です
- 引接寺なんて云っても殆どの人には都の京都でも通じませんよ!当然、「千本ゑんま堂」と云わないと。特に市外の方で京都に観光等に来られた場合は、場所の照会とかアクセスを聞く場合でも、正式名の引接寺とは云わない方が良いですよ、ゑんま堂と云えば相手は子供でも教えてくれますよ。それほど通称名が正式名を凌駕している代表的な寺院です。巨大なゑんま様が睨みを利かせている寺院です。年間を通して、色々な行事、祭事が催行...
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