聖護院

寺院

150面を超える江戸時代の障壁画を所蔵する修験道の総本山

平安時代後期に修験道の第一人者・増誉によって創建された寺院。第4世として皇室より静恵法親王が迎えられて門跡寺院となる。狩野派の絵師による襖や障壁画が残り、特別公開のときに鑑賞することができる。

約900年前に創建されたが、4回の火災で市内を転々とし、江戸時代に旧地に戻ってきた} 約900年前に創建されたが、4回の火災で市内を転々とし、江戸時代に旧地に戻ってきた

熊野御幸の功績により寺院を創建

東大路通と丸太町通が交差する「東山丸太町」の交差点の北西に、千年の歴史を有する熊野神社が鎮座する。現在の社殿は1666年(寛文6)に再建されたものであるが、この再建の命を出したのが聖護院の道寛(どうかん)法親王だ。熊野神社は聖護院の鎮守を担ってきた社で、両者の関係は非常に深い。交差点から東大路通を北に進み、ひと筋目の春日北通を東に行くと聖護院に到着する。門前には「聖護院門跡」と刻まれた大きな石柱が建ち、格式の高さを感じるだろう。平安時代後期の1090年(寛治4)、白河上皇の護持僧(ごじそう)であり、修験僧として名を馳せた増誉(ぞうよ)が、熊野御幸の先達を務めた功績により賜った寺院で、「聖体(天皇)を護った」という意味の「聖体護持(せいたいごじ)」から「聖護院」の名となっている。役行者(えんのぎょうじゃ)を開祖とする修験道の総本山である。

かつては全国の修験道を統括する立場として2万余りの末寺を抱えていた} かつては全国の修験道を統括する立場として2万余りの末寺を抱えていた

山門をくぐると堂々とした松の木が迎えてくれる} 山門をくぐると堂々とした松の木が迎えてくれる

修験道と宮中文化が融合する

また「門跡(もんぜき)」とは、皇族・公家が住職を務める寺院のこと。聖護院は第4世の静恵法親王(第77代・後白河天皇の皇子)以来、明治維新までの37代のうち、25代は皇族より、12代は摂家(公家)より迎えており、修験道の総本山であると同時に天皇家との関わりも深い寺院だ。なかでも江戸時代中期の第119代・光格天皇は、もとは聖護院に住持していたが1779年(安永8)に皇位を継承し、その後、天明の大火で御所が炎上した際は聖護院を避難場所としている。また幕末には第121代・孝明天皇が仮皇居にした由緒がある。このようなことから寺院一帯は史跡に指定され、天皇家ゆかりの品を数多く所蔵している。かつては周辺に「聖護院の森」と呼ばれる森が広がり、秋には紅葉が錦織物のように美しいことから「錦林(きんりん)」と呼ばれていたといい、現在も「錦林」の名は地名として受け継がれている。

本堂、宸殿の前には清らかさを感じる白砂の庭が広がる} 本堂、宸殿の前には清らかさを感じる白砂の庭が広がる

本尊・不動明王からパワーを授かろう

参拝は山門をくぐった右手にある塀重門の先に立つ本堂へ進もう。本尊として妄念や煩悩を焼き尽くしてくれる不動明王が祀られている。通常はここまでとなるが、毎年秋には特別公開が行われ、このときに見どころとなるのが狩野派の障壁画だ。宸殿には江戸時代初期に活躍した狩野探幽の養子・益信と、京狩野の3代目・狩野永納による煌びやかな金碧障壁画130面が残り、江戸狩野と京狩野、両方の絵師が描いた作品を鑑賞することができる。公開時には寺院に受け継がれてきた修験道に関する仏像や宝物も公開され、詳しい案内とともに見学できるのでウェブサイトで日程をチェックしておこう。ちなみに京野菜として人気の「聖護院大根」や京土産の定番「八ツ橋」は、かつて周辺に広がっていた聖護院村で作られていたことから「聖護院」の名が冠せられているそうだ。

不動明王の縁日にあたる毎月28日(10時と14時)、本堂にて護摩祈祷会が行われる} 不動明王の縁日にあたる毎月28日(10時と14時)、本堂にて護摩祈祷会が行われる

御朱印には本尊・不動明王を表す梵字が記され、修験道の持ち物である法螺貝の印が押されている} 御朱印には本尊・不動明王を表す梵字が記され、修験道の持ち物である法螺貝の印が押されている

スポット詳細

住所
京都府京都市左京区聖護院中町15 map map 地図
電話番号
0757711880
時間
[参拝(9-3月)]9:30-16:30
[参拝(4-8月)]9:30-17:00
休業日
無休
料金
[参拝]無料
[拝観料]公開期間中 大人800円
駐車場
あり(約5台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 紅葉の時期も静かな境内
    3.0 投稿日 : 2021.11.20
    金戒光明寺への道すがら立ち寄りました。枝垂桜の紅葉は大方散ってしまいましたが、散り残った姿にもあはれを催す風情がありました。
  • 格式は極めて高いが敷居は低い、極めて良い寺院です
    4.0 投稿日 : 2021.07.01
    門跡寺院で良いお寺なんですが・・・ここは問題ないが、宿坊の御殿荘って何で2つも口コミページを作る必要があるのか?極めて疑問に思っている。一つで必要十分、ここの門扉は開放されていて堂宇の拝観はいつでも出来る。但し、建物内に入るのは不詳です。門跡寺院なので気品が感じられる雰囲気、造りの堂宇です。
  • 特別拝観の期間を除いては拝観料がかかりませんとのことでした
    3.0 投稿日 : 2021.03.14
    平安神宮の裏手、住宅街にあります。入口に聖護院門跡と大きな石柱があります。特別拝観の時期ではないため、拝観料はかかりませんと親切に説明していただきました。二階に上がり、仏像を眺めました(本堂かな?)。入口で靴を脱いで上がるとやや奥に受付があり、手書きの御朱印を頂くことができます。

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アクセス

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最寄り

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