熊野若王子神社

神社

後白河法皇も参詣した紀州熊野の聖域へと続く京の起点

桜や紅葉の名所として東山のふもとにたたずむ神社。平安時代に後白河法皇が紀州熊野権現を勧請し創建された。境内には皇室や熊野参詣をしのぶ伝説が残る。御神木の梛にはさまざまな悩みを「なぎ倒す力」があるといい信仰を集める。

哲学の道の南端でもある若王子橋からすぐ} 哲学の道の南端でもある若王子橋からすぐ

はるばる紀州から霊験あらたかな熊野権現を勧請

かつて極楽浄土があるとして上皇や法皇、さらには一般庶民まで身分・性別を問わずに目指した紀州熊野権現。ぞろぞろと列をなして歩く姿は「蟻の熊野詣」と形容されるほどだった。そんななか、生涯に34回も熊野を訪ねたと記録される後白河法皇は、都のなかにもその信仰のよりどころが必要と考え、熊野権現を分霊してこの地へ祀ることにした。これが熊野若王子(くまのにゃくおうじ)神社の始まりで、1160年(永暦元)のことであった。社名の若王子というのは、御祭神でもあり、皇祖神でもある天照大神の別名「若一王子」にちなむ。また、屋根瓦や建築の装飾には神武天皇を熊野から大和へと導いた3本足の八咫烏(やたがらす)が見られ、このようなところからも皇室との結びつきがうかがえる。

本殿の裏山は春になると薄紅に染まる桜の名所} 本殿の裏山は春になると薄紅に染まる桜の名所

商売繁盛のゑびす神と熊野詣の起点としての千手滝

本殿でお参りを済ませたら境内を散策してみよう。本殿の左側には、開運商売繁盛のご利益のある恵比須社が鎮座する。元は夷川通に祀られていたえびす像だが、応仁の乱の混乱で通りに投げ出され、この地に遷されたと伝わる。左手に鯛、右手に釣り竿を持つ姿だが、やや厳しい表情が印象的だ。もうひとつの見どころは、山中の千手滝不動尊。後白河法皇も、まずこの滝で身を清めてから熊野詣に出発。現在の泉涌寺(せんにゅうじ)近くにある新熊野神社で休息をとり、伏見から舟で淀川を下り約1か月かけてはるばる紀州の熊野権現を目指したという。また、かつての境内であった若王子山の山中には同志社英学校(現在の同志社大学)の設立者・新島襄とその妻・八重が眠りについている。

険しい表情をした黒い等身大のえびす坐像は厳かな気を放っている} 険しい表情をした黒い等身大のえびす坐像は厳かな気を放っている

本殿からは山道を歩くこと約15分で千手滝に到着} 本殿からは山道を歩くこと約15分で千手滝に到着

あらゆる苦難をなぎ祓ってくれる御神木の梛

かつて参道には、樹齢400年ともいわれた梛の御神木がそびえていたが、現在は切り倒されている。しかし、境内は若い梛の木に囲まれておりその歴史が受け継がれている。授与品のなかでも「あらゆる苦難をばったばったとなぎ祓う」として人気があるのは「梛お守」。「植物はね、種が芽を出して双葉になるときエネルギーがいるんです。梛は双葉の形でずっと葉を付け続ける。この強いパワーにあやかり、戦国時代は武将たちが甲冑に梛の葉を入れたといわれています。榊の原点ともいわれていて長持ちするので、当社では榊の替わりに梛を使っていますよ」と宮司の伊藤さんが教えてくれた。薄いペパーミントグリーンのお守りの中には梛の葉が入っており、身に着けておくとどんな悩みごとでもなぎ倒してくれる心強い味方だ。

常に双葉の形で葉を付ける梛は強い生命力の象徴} 常に双葉の形で葉を付ける梛は強い生命力の象徴

梛お守り800円。八咫烏のデザインされた袋に入れてもらえる} 梛お守り800円。八咫烏のデザインされた袋に入れてもらえる

スポット詳細

住所
京都府京都市左京区若王子町2 map map 地図
電話番号
0757717420
時間
9:00-17:00
休業日
無休
駐車場
あり(3台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、Apple Pay、PayPay、LINE Pay、d払い、ALIPAY、Origami Pay(オリガミペイ)、WeChat Pay)
Wi-Fi
あり
喫煙

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • 京都三熊野のひとつ
    4.0 投稿日 : 2023.03.23
    哲学の道の起点にある小さな神社。後白河法皇が熊野権現を禅林寺(永観堂)の守護神として勧請された。京都三熊野のひとつでここには熊野那智大社がおかれ、京都に熊野三権現を現された。御朱印も京洛東那智とあり八咫烏の朱印が。平安時代、熊野信仰が盛んで熊野御幸の起点になっていた。御祭神の天照大神の別号 若一王子 にちなみ若王子神社と呼ばれているそうです。裏山を更に行くと新島襄のお墓があります。
  • 永観堂の守護神
    3.0 投稿日 : 2022.06.02
    哲学の道の銀閣寺とは反対の起点にある神社。後白河法皇が熊野権現を勧請して建立した永観堂の守護神。この神社の右手を10分ばかり歩くと、千手乃滝という滝がある。
  • 熊野詣の京都の起点の神社でした
    3.0 投稿日 : 2022.05.25
    銀閣寺から満開の哲学の道を南に向かって歩きました。途中、哲学の道の東側の山すそにあった法然院や大豊神社に立ち寄った後、こちらの神社に向かいました。 こちらの神社は「熊野」の名が示すように、熊野詣でに向かう人たちは、まずこちらの神社で浄めを行ってから旅立ったそうです。境内の庭園は少し荒れた感じでしたが、西暦1160年に開かれたという長い歴史が伝わってきました。

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アクセス

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