栂尾山 高山寺

寺院

日本最古の漫画! 鳥獣人物戯画を訪ねて栂尾の山寺へ

京都市北西の山深い地にたたずむ高山寺は、鎌倉時代に文化が花開いた地。世界遺産にも指定されており、所有する国宝や重要文化財は1万点以上。国宝の鳥獣人物戯画(展示は複製)や、石水院を一目見ようと参拝者があとを絶たない。

高山寺の本堂にあたる金堂。江戸時代に仁和寺から移築された 高山寺の本堂にあたる金堂。江戸時代に仁和寺から移築された

鎌倉時代の名僧・明恵上人

高山寺へは、京都駅からJRバスで約1時間。栂ノ尾で下車すると、裏参道の入り口まではすぐだ。創建は奈良時代と伝わるが、鎌倉時代に、明恵上人が後鳥羽上皇から勅額「日出先照高山之寺」を贈られたのを機に、寺名を「高山寺」として中興開山した。

後鳥羽上皇みずからが書き記した貴重な扁額 後鳥羽上皇みずからが書き記した貴重な扁額

この言葉を贈られた明恵は、両親を早くに亡くし叔父を頼って9歳で神護寺に入った。34歳のとき、俗界の喧騒を離れて静かに修行できる場を求め高山寺へやってくる。寺には、木の枝に座り瞑想する明恵上人を写した掛け軸がある。釈迦に深く帰依し、座禅の修行に励み、境内の石や木には座り尽くしたという上人の背後には、リスやスズメの姿が描かれ、動物好きで自然とともに生きた人となりが感じられる。皇族から庶民にまで慕われ、戦で夫を亡くした女性のために尼寺の建立を手がけたり、変わったところでは、夢を記録し分析をするという、今でいう心理学者のような一面もあった。

国宝『明恵上人樹上坐禅像(部分)』※複製を展示 国宝『明恵上人樹上坐禅像(部分)』※複製を展示

明恵上人の学問所跡、国宝の石水院

上人時代の唯一の遺構である国宝の石水院は、後鳥羽上皇から学問所として贈られたものだという。客殿から渡り廊下を通り、石水院に足を踏み入れると、善財童子や奥の菱格子のシルエットが木々の緑に浮かび上がる。この広縁は、寺でいちばん印象的な場かもしれない。

時が経つもの忘れて見入ってしまう神秘的な光景 時が経つもの忘れて見入ってしまう神秘的な光景

清滝川に沿った山の斜面に建てられた石水院からは、渓谷に茂る木々や山の眺望がすばらしい。また、平安から鎌倉時代初期の住宅建築の傑作であるともいわれ、簡素ななかにも、王朝風の蔀戸(しとみど)や繊細な装飾が優美さを添える。書院の高野槇を使った天井板は、約1000年前の材といわれ創建当時のもの。ここで、上人とその弟子たちは、厳しいルールのもと修行に励んだ。

石水院は、明治時代に金堂の東から現在地に移された 石水院は、明治時代に金堂の東から現在地に移された

ユーモアあふれる鳥獣人物戯画

サル、ウサギ、カエルなど動物を擬人化し、漫画的でありながらも写実的に表現した『鳥獣人物戯画』。どのような経緯でこの絵巻が高山寺に伝わったのかは、はっきりしない。わかるのは、明恵上人は文化にとても明るい人物だったということ。当時、中国から最先端のものが入ってくると高山寺に蓄積され、上人の周りには、貴族や武士をはじめとする有力者が集まり文化サロンを形成していた。これだけの絵の腕を持つ者なら、文化人として明恵とも交流があったのかもしれない。動物や自然を愛する上人のもとに、この絵がもたらされたと考えても不思議ではない。

国宝『鳥獣人物戯画(一部)』※複製を展示 国宝『鳥獣人物戯画(一部)』※複製を展示

日本における、茶の発祥の地として知られる栂尾(とがのお)

石水院を出ると、一段上がった辺りに「日本最古之茶園」の碑と茶畑がある。鎌倉時代初期、栄西が宋から持ち帰った茶の種を高山寺に伝え、明恵上人みずからこの地に種を播き、育てたという。僧侶たちの修行の妨げになる眠気を取り去る薬として、寺院で重宝されていた茶。上人は、茶の栽培を広めようと宇治に移し植えたことが、宇治茶の歴史の第一歩だ。また鎌倉から室町時代を通じて、栂尾の茶は本茶とされ、天皇への献茶も行われた。

今も5月になると茶摘みが行われる栂尾茶園 今も5月になると茶摘みが行われる栂尾茶園

参拝の記念には、鳥獣人物戯画グッズがおすすめ。ふきん、手ぬぐい、御朱印帖など、高山寺限定のものが多数ある。また、時間があれば、高雄の神護寺、槇尾の西明寺も合わせて訪れたい。

スポット詳細

住所
京都府京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
電話番号
0758614204
時間
8:30-17:00
料金
[石水院拝観料]800円
[紅葉時入山料]500円
駐車場
あり(50台)
※11月のみ有料

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 錦秋の国宝・石水院&鳥獣人物戯画
    4.0 投稿日:2021.01.23
    三尾めぐり最後に高山寺を訪れました。小さなお寺だと思っていたので、想像していたのとまったく雰囲気が違いました。国宝・石水院は別途拝観料が必要。堂内は撮影禁止ですが、庭園は撮影可。紅葉をバックに善財童子が佇む「廂(ひさし)の間」は光と影のコントラストが美しかったです。そして、高山寺といえば有名なのが《鳥獣人物戯画》。日本の漫画のルーツとされる兎と蛙が描かれた、紙本墨画の絵巻物ですが、こち...
  • 今も昔も、きっと同じ風景だったであろう
    4.0 投稿日:2020.12.25
    京都駅からJRバスに乗って、約1時間で到着。三尾の一番奥にあるお寺です。3分程度ですが、山を登った感じのところにあります。国宝の石水院(高山寺とは別に拝観料が必要)がありました。せっかくなのでと訪問しましたが、ここからの紅葉は素敵でした。少し混雑はしていましたが、おそらく昔から変わらないであろう絵になる景色が広がっていました。本堂は、あれ?と思うくらいの建ちかたなので、少しがっかりするかもしれませ...
  • 石水院から見渡す紅葉は正に見頃でした!
    5.0 投稿日:2020.11.20
    11月中旬、正に紅葉の見頃の高山寺の石水院を堪能しました。市バス利用だったので高雄で下車し階段を下って川沿いに西明寺方向に進み国道に出て20分かかって高山寺に到着。高山寺内はさほど込み合っておらず石水院でお茶を頂いたり眼下の紅葉をじっくり楽しんだりゆっくりと落ち着いて時間を過ごせました。

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