東寺(教王護国寺)

寺院

平安京の正門・羅城門の東で都を守ってきた寺院

創建から1200年以上もの歴史を紡いできた真言密教の東寺は、平安京の唯一の遺構。再興した堂々たるたたずまいの伽藍群や、空海(弘法大師)がわかりやすく密教の世界を表現した立体曼荼羅は圧巻。

九条通から望む東寺の五重塔と水をたたえた堀} 九条通から望む東寺の五重塔と水をたたえた堀

平安時代に空海の歩いた境内に思いを馳せて

京都駅の八条口から南西へ約15分歩くと、大宮通に面した東寺の東の入り口・慶賀門(けいがもん)に到着する。東寺は正式名称を教王護国寺(きょうおうごこくじ)といい、東寺真言宗の総本山で、京都のシンボルともいわれる五重塔がそびえ立つ。796年(延暦15)、平安京の正門・羅城門(らじょうもん)の東に国家鎮護の官寺(かんじ)、すなわち国立のお寺として創建された。のちに嵯峨天皇から空海に与えられ、真言密教の根本道場となる。伽藍群は再建されているもののお寺の位置は創建時から変わらず、空海のいた時代がしのばれる。1994年(平成6)、「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録された。

九条通に面する南大門から拝する金堂} 九条通に面する南大門から拝する金堂

豊臣秀頼が再興の金堂には癒やしの薬師如来が安置

まずは空海が住まいを構えた場所にたたずむ御影堂(みえどう、国宝)へお参りしよう。弘法大師像(国宝)が安置され、空海は今も生きているとして、毎朝一の膳、二の膳とお茶を供える生身供(しょうじんく)が行われている。お参りのあとは拝観受付を済ませて金堂(国宝)、五重塔(国宝) 、講堂を巡っていこう。本堂は境内の南にある金堂だ。空海が東寺を託されたときは、このお堂だけが存在していたという。現在の金堂は、豊臣秀吉の息子・秀頼が再興して1603年(慶長8)に完成した雄大豪壮な建築。静かな堂内に安置される薬師如来は心と体の病を癒やす仏様で、桃山時代の仏師・康正(こうしょう)の名品だ。

講堂とともに東寺の中核をなす本堂の金堂} 講堂とともに東寺の中核をなす本堂の金堂

空海の計画が現実化した立体曼荼羅の仏の世界

金堂の東にそびえる五重塔は落雷などで4度も焼失している。現在の塔は、1644年(寛永21)に江戸幕府3代将軍・徳川家光の寄進により再建されたものだ。高さ55m、木造の建造物としては日本一の高さを誇り、揺れの力を逃がす特殊な構造のため地震で倒壊したことはない。一層目の軒下4隅には、天邪鬼(あまのじゃく)が屋根を支えているので探してみよう。現在の講堂は室町時代の再建となり、大日如来を中心に21体の仏像が安置されている(国宝16体、重要文化財5体)。これを立体曼荼羅(りったいまんだら)と呼び、空海が密教の世界観を立体的に表したものという。仏様の数と、それぞれの表情や動きのある姿が印象的だ。

どこから見ても絵になる五重塔は現在5代目} どこから見ても絵になる五重塔は現在5代目

講堂は白壁と朱色の柱が調和する穏やかな印象} 講堂は白壁と朱色の柱が調和する穏やかな印象

宮本武蔵の描いた絵が残る塔頭の観智院

塔頭の観智院(かんちいん)は、北大門を出た先の東側にある。本尊は五大虚空蔵菩薩像(ごだいこくうぞうぼさつぞう)、真言宗の教えである真言密教の経典を数多く所蔵する。江戸初期に再建された客殿(国宝)には、剣豪として名を馳せた宮本武蔵による『鷲の図』『竹林の図』が残る。客殿前に広がるのは2017年(平成29)に新たに作庭された「長者の庭」だ。枯山水様式で「涅槃禄の庭」と称される。東寺の御朱印は食堂(じきどう)に数種類が用意されていて、お守りなどの授与品は拝観受付の建物内で扱っている。見どころがたくさんある東寺だが、毎月21日の縁日に境内で開かれる弘法市も人気があるので、お参りと合わせて出かけたい。

櫛笥小路(くしげこうじ)に面した観智院} 櫛笥小路(くしげこうじ)に面した観智院

空海ゆかりの「幸運の朱馬」(左)、「開運の朱馬守」(右)} 空海ゆかりの「幸運の朱馬」(左)、「開運の朱馬守」(右)

スポット詳細

住所
京都府京都市南区九条町1 map map 地図
電話番号
0756913325
時間
[開門]5:00-17:00
[金堂・講堂]8:00-17:00(16:30受付終了)
[観智院]9:00-17:00(16:30受付終了)
休業日
無休
料金
[金堂・講堂]500円
[観智院]500円
駐車場
あり
※毎月21日駐車不可
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(拝観受付周辺のみ)
コンセント口
なし
喫煙
可(指定の場所のみ)
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

アニメスポット情報

アニメーション映画・HELLO WORLDに登場する五重塔のモデルであると言われている。

※ナビタイム調べ

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クチコミ

  • 桜のライトアップを見に行く
    5.0 投稿日 : 2023.04.23
    春の夜間特別拝観 桜のライトアップを見に行きました。何度も参拝していますが、ライトアップは初めて、日中とは雰囲気が違って、桜の美しさに酔いしれました、東門で拝観料を払って、通常有料拝観区域に入ります。夕暮れから漆黒の闇へと刻々と変わる空をバックに桜と五重塔を眺め撮影しました。金曜の夜、どこからこんなに人が来たんだ?と思うほど人がいましたが、敷地が広いので、それほど気にならずに夜桜見物できま...
  • ライトアップが素晴らしい。
    5.0 投稿日 : 2023.04.10
    3月末のライトアップを見に行きました。18時開門の少し前から行列。1000円。日没前から日没後の空の色の移り変わり、夜の帳が降りてからのライトアップ、満開の桜、池に映る東寺どれも大変美しく素晴らしかったです。
  • 見応えある五大明王像
    5.0 投稿日 : 2023.03.18
    12年ぶりの参拝。国宝の五重塔があまりにも有名ですが個人的には同じく国宝の五大明王像に改めて感銘を受けました。日本最古の「忿怒」の顔のお不動を中心にそれを囲む明王像それぞれに生き生きとした躍動感があり必見です。再び来ることが困難な外国の方などにとっては撮影禁止なのが残念な気もします。

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