燈台の聖母 トラピスト修道院

教会

北海道銘菓トラピストクッキーが生まれた、厳格な男子修道院

トラピスト修道院は、函館市内から車を40分ほど走らせた北斗市内にある。美しい風景と、修道院で作られるクッキーやソフトクリームを目当てに、函館観光に合わせて訪れる人が多い人気スポットだ。

ポプラ並木の道の先にあるのが、トラピスト修道院だ} ポプラ並木の道の先にあるのが、トラピスト修道院だ

函館に向かう旅人が目指した岬に立つ修道院

ポプラ並木の奥には、牧草地がどこまでも広がっている。駐車場で車を停めて、坂道の上まで歩いていこう。見学できるのは入り口付近と裏山にある「ルルドの洞窟」だ。閉ざされた門の奥では、厳律シトー会の「祈れ、働け」という教えのもと、修道士たちが農耕や牧畜を行い、祈りを捧げて暮らしている。入り口横には、修道院の歴史などが紹介された小さな展示室がある。トラピスト修道院は、日本初のカトリック男子修道院。1896年(明治29)11月21日に開院した。修道院の近くには葛登支(かっとし)岬がある。本州から函館に向かう船が最初に目標として岬で、そこにある燈台にちなみ「燈台の聖母トラピスト修道院」と呼ばれている。

トラピスト修道院の入り口の門。展示室はこの門の両側にある} トラピスト修道院の入り口の門。展示室はこの門の両側にある

駐車場の付近には、売店と信徒の礼拝堂「当別カトリック教会」がある(内部見学不可)} 駐車場の付近には、売店と信徒の礼拝堂「当別カトリック教会」がある(内部見学不可)

多くの人々の心を照らしてきた修道院

トラピスト修道院は創立後まもなくホルスタイン種乳牛の輸入を開始し、「道南の酪農の源流を求めるとトラピストに至る」といわれるほど、北海道の酪農の発展に貢献してきた。今では北斗市民の誇りである修道院だが、必ずしも順風満帆にここまできたわけではない。1914年(大正3)に勃発した第一次世界大戦では、酪農工場が閉鎖寸前にまで追い込まれたこともある。また一方で、その教えは多くの人々の心に光を灯してきた。童謡『赤とんぼ』や『野ばら』の作詞を手がけた三木露風は、1920年(大正9)から、この修道院で文学講師を務めており、在職中に洗礼も受けている。また男爵イモの開発者である川田龍吉男爵も、修道院に隣接する当別教会で洗礼を受けている。

三木露風の住まいの跡地を示す看板は、売店から少し離れた場所にある。探してみよう} 三木露風の住まいの跡地を示す看板は、売店から少し離れた場所にある。探してみよう

祈りの場は、修道院の門の外にも設置された

修道院ができたことで、カトリックの教えに触れる住民が増えてきたが、修道院内部には女性をはじめ、入れない人が多い。そこで誰でも礼拝ができるようにと、修道士のイヴォ神父が設計し、1917年(大正6)に当別カトリック教会が完成した。レンガ造りの教会は、1993年(平成5)の奥尻島近海を震源とする北海道南西沖地震で、壁に亀裂が入り解体せざるを得なくなった。現在の聖堂は、トラピスト修道院創立100年を記念して新築したものだ。内部には12使徒のステンドグラスがはめ込まれている。教会は朝日が昇る東を向いているのが正式。以前にあった教会は、この向きが少し違っていたそうだ。なお通常は教会内に入ることはできない(内部の写真は取材用に許可を得て撮影)。

当別カトリック教会の内部。トラピスチヌ修道院 「旅人の聖堂」と同じ、東大名誉教授の香山壽夫(こうやまひさお)氏の設計だ} 当別カトリック教会の内部。トラピスチヌ修道院 「旅人の聖堂」と同じ、東大名誉教授の香山壽夫(こうやまひさお)氏の設計だ

丸窓にはめられているのが12使徒のステンドグラス。初代の聖堂にあったものを移築した。フランスで制作された貴重なものだ} 丸窓にはめられているのが12使徒のステンドグラス。初代の聖堂にあったものを移築した。フランスで制作された貴重なものだ

見学後は修道士手づくりスイーツでひと休み

見学を終えたら売店に立ち寄ろう。有名なトラピストバターも購入できる。原料を乳酸菌で発酵させた深い味わいのバターだ。このバターの風味を強く感じるトラピストクッキーや、白いバター飴は全国にファンがいる。白いバター飴を作ろうとして「失敗してできた」というバター飴「SUN」はこの売店の限定品。太陽の光を思わせる黄色みがかった色が特徴だ。また限定で忘れてはならないのが、ソフトクリームだ。クリームとコーンにトラピストバターが練り込まれているので、カップも選べるがコーンがオススメ。なお「ルルドの洞窟」は修道院の裏手の墓地まで車で進み、そこから山道を15分ほど登ったところにある。途中の山道はクマが出ることもあるので注意が必要だ。

「トラピストクッキーをスプーンのようにして食べてくださいね」と売店のスタッフ} 「トラピストクッキーをスプーンのようにして食べてくださいね」と売店のスタッフ

スポット詳細

住所
北海道北斗市三ツ石392 map map 地図
電話番号
0138752108
時間
【修道院直営売店】
[4月-10/15]9:00-17:00
[10/16-3月]8:30-16:30
休業日
[修道院直営売店]12/25、年末年始
料金
無料
駐車場
あり(30台)
※売店付近
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、nanaco、WAON、楽天Edy)
Wi-Fi
あり(売店内)
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
0-30分(売店及び付近散策)
車椅子での入店
可(売店内※正門まではスロープなし)
乳幼児の入店
可(売店内)
備考
※新型コロナウイルス感染防止の為、当分の間内部見学は中止しています

情報提供: ナビタイムジャパン

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