釧路マーシュ&リバー

釧路湿原を流れる釧路川をガイドとともにカヌーで下る

釧路川はカヌーツーリングの名所

北海道東部にある釧路川は、屈斜路(くっしゃろ)湖を源に、釧路市沿岸の太平洋へと流れている川。河口近くは釧路市の住宅街や工業地帯などが広がる都市河川だが、上流から釧路湿原にかけての景色はまた違った顔を見せる。上流域では森のなかを抜け、途中、ラムサール条約登録湿地に指定されている釧路湿原を蛇行しながら悠々と流れているのだ。このように、市街地を通る一部分を除いて、川の流域には人工物がほとんどなく、手つかずの大自然が広がっているのが大きな特徴。また、上流から下流まで高低差が少なく、その流れは比較的ゆったりしている。大自然に囲まれた景観と流れのゆるやかさから、未経験者でも安心してカヌーを楽しめるスポットとして人気が高く、釧路川でのカヌー体験を目当てに、国内外から季節を問わず観光客が訪れている。

水面はとても穏やか。ゆるやかな流れなので揺れることはほとんどなく安心して楽しめる

釧路湿原を通り抜けるコースが人気

釧路川でのカヌーツーリングは、おもに森のなかを流れる上流域と、釧路湿原のなかを蛇行する流域、この2エリアで楽しめる。カヌー体験ツアーを催行する会社は複数あり、催行場所や催行時間、プライベートツアーか否かなどそれぞれ特徴が異なるので、都合のいいプランを選ぼう。釧路川で初めてカヌーツーリング体験をする人におすすめなのが、釧路湿原のなかを下るルート。なかでも細岡(ほそおか)カヌーポートから岩保木(いわぼっき)水門カヌーポートまで約8kmの区間をカヌーで下るコースは、釧路湿原が間近に見え、その雄大さを実感できるおすすめコースだ。今回はこのコースを楽しめる「釧路マーシュ&リバー」のプランを紹介。経験豊富なカヌーガイドが1艇に1名同乗するため、未経験者でも安心だ。所要時間は約2時間。出発時間によって「モーニングカヌー」「昼どきカヌー」「アフタヌーンカヌー」の3つがあり、料金は大人9500円(2名以上の参加の1名あたりの料金)、子ども(4歳～小学生)5500円。1名での参加の場合はプラス3000円が必要。ちなみに「モーニングカヌー」は例年5月上旬から12月までの催行となる。詳細はウェブサイトで確認を。

「釧路マーシュ&リバー」は、JR釧路駅から車で約20分の距離にある

カヌーの上から眺める大自然の絶景と野生動物

さて事務所で受付を済ませたら、ガイドの車で細岡カヌーポートへ。救命胴衣を付け、カヌーの乗り降りの仕方や漕ぎ方のレクチャーを受けたら早速乗船だ。ガイドのサポートを受けながら、両岸に木々や葦原が生い茂る釧路川をゆったりと下っていく。聞こえてくるのはさらさらと流れる川の音と、ときおり姿を見せる水鳥が羽ばたく音だけ。河岸にエゾシカやタンチョウなど、野生動物が現れることも。まるで野生動物が暮らす大自然のなかへ、ほんの少しおじゃまさせてもらっている気分になる。コース後半になると河岸の木々はほとんどなくなり、泥炭地の草原が遥か彼方まで広がる。ここがこのコースのハイライトであり、これぞ釧路湿原という雄大な景色。川面から眺めるその景色に、きっと感銘を受けることだろう。感動の余韻を残しつつ、左岸に岩保木水門が見えてきたらついにゴールだ。大自然を体感できるカヌーツアーは、旅のすばらしい思い出になるはずだ。

ガイドが同乗し、解説しながらカヌーの操舵をしてくれる。写真撮影も可能だ

ゴール付近の様子。体験中の様子を撮影してメールで送ってくれるサービスもある

河岸にいたタンチョウ。見られるかどうかはその日の運次第

真冬の風景も圧巻！　釧路川支流のアレキナイ川などでカヌーツーリングを楽しめる