網走市立郷土博物館分館 モヨロ貝塚館
謎に包まれた「モヨロ人」を訪ねる、古代ロマンあふれる旅
北海道独自の歴史「オホーツク文化」の痕跡
網走川のほとりにあるモヨロ貝塚は、オホーツク文化期の遺跡である。オホーツク文化とは、本州の古墳時代~平安時代の頃に、オホーツク海沿岸を中心に発展した文化のこと。海獣の狩猟や漁労を生業とし、海の沿岸側にしか遺跡が見つからないことから、モヨロ人は「海洋の民」と呼ばれている。モヨロ貝塚遺跡の入り口に立つ「モヨロ貝塚館」で、この地域に暮らしたというモヨロ人について学ぼう。1300年前に生きたモヨロ人は、海獣類や牡蠣を食べ、犬を家畜とし、クマを崇め、祈りを捧げた人々だったと考えられている。復元した顔つきは、まぶたが厚く、頬骨は高いが、全体的に平坦でがっちりとしていた。この人々が、大陸に起源をもつ民族であり、オホーツク海を越えてやってきた北方の渡来民族であったことを示している。
ストーリー性があり飽きさせない展示が続く
館内は、地上2階、地下1階建て。展示の冒頭では、モヨロ貝塚とオホーツク文化についての映像が流れている。道外出身だと知らない人も多い「オホーツク文化」については、ここで学んでおこう。次にあるのが大きな復元住居だ。六角形の竪穴式住居に、20人ほどが暮らしていた。実際に入れるようになっているので、その広さを体感してみよう。オホーツク文化の特徴に、大陸との交易がある。それらの資料を眺めながら進むと、モヨロ人の墓にたどり着く。モヨロ人は亡くなると胎児のように手足を折り曲げて埋葬され、頭には必ず甕(カメ)が被せられた。ストーリー性のあるドラマティックな展示が、モヨロ貝塚館の大きな見どころだ。
今なお、謎のヴェールに包まれたモヨロ人
モヨロ貝塚の発掘に尽力したのが、考古学者の米村喜男衛(よねむらきおえ)だ。米村は独学で考古学を学び、理容師として網走で生計を立てながら、モヨロ貝塚の発掘作業を続けた。モヨロ貝塚館では屋外遺跡も見学できる。オホーツク文化を伝える遺跡として住居、墓、貝塚が残っている。モヨロ人はサハリンやアムール川流域から、狩猟にともない南下してきたと考えられている。ここは網走川のほとり。7~8世紀の頃、この網走川を隔てて、モヨロ人と擦文系の人が住んでいた。「モヨロのオホーツク文化と在地の擦文文化との融合で生まれたのがアイヌ文化の源流となった」といわれている。オホーツク文化の終えんについては未だ不明なことも多く、「謎の民族」と呼ばれるゆえんにもなっている。
スポット詳細
- 住所
- 北海道網走市北1条東2 地図
- エリア
- 網走・紋別エリア
- 電話番号
- 0152432608
- 時間
-
9:00-17:00
[11-4月]9:00-16:00 - 休業日
-
[7-9月]無休
[10-6月]月、祝、年末年始(12/29-1/3) - 料金
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【入館料】
[大人]300円
[大学生・高校生]200円
[小・中学生]100円
※団体(20名以上)は2割引 - 駐車場
- あり(23台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり(abashiri-Wi-Fi)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン