函館市縄文文化交流センター
世界遺産になった縄文の出土品と北海道初の国宝を鑑賞しよう
北海道と東北は、縄文時代に交流があった
「函館市縄文文化交流センター」は、「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」を併設した博物館。近隣にある「史跡 大船(おおふね)遺跡」と、同センターの裏手に広がる「史跡 垣ノ島(かきのしま)遺跡」からの出土品を展示、研究を行っている。本州と北海道は、津軽海峡を隔てて遠く離れているように感じるが、この一帯ではよく似た形式の土器が発掘されるという。「これらの似たような土器が発掘されているエリアを『津軽海峡土器文化圏』または『円筒土器文化圏』と呼んでいます。紀元前1万年頃の縄文早期に作られていた底面が尖った土器に始まり、紀元前400年頃の縄文晩期に向かって、土器が徐々に洗練され精巧な形に変化する、その過程までもが同じような歩みを見せているのです」と教えてくれたのは同センター学芸員の太田哲也さんだ。現在も津軽海峡が間に横たわる東北と北海道だが、縄文時代には活発な行き来があったという証拠だろう。
この地域に暮らした縄文人はグルメだった?
館内の展示は「縄文文化」「縄文の生活」「縄文の精神」の3つのテーマに分かれている。同センターが位置する函館市南茅部(みなみかやべ)地域は、古くから良質な天然真昆布の生産地としても知られている。「南茅部付近には鮭が遡上する川もあり、淡水の確保も容易だったので、非常に暮らしやすい場所だったのでしょう。南茅部だけで90か所以上の遺跡が見つかっています」と太田さん。遥か昔も、ここでは海の資源を比較的容易に得ることができたのだろう。たとえば「貝塚」は、その土地の暮らしがわかる点で重要視される遺跡だが、その理由について太田さんは解説する。「骨などの有機物は、酸性土壌だと土に還ってしまうため遺物として残りにくいのですが、貝塚がある土壌はアルカリ性に保たれます。そのため、さまざまな痕跡が残りやすいんです」。函館市内の貝塚からは牡蠣、アワビ、サザエなど、函館を訪れる観光客がお目当てとするような貝類の殻が見つかっているそうだ。
平和で、精神性の高い暮らしをしていた
「農耕や牧畜を行う文明は世界各地にあります。これらの文明は、広い豊かな土地を得ようとして争いが絶えませんでした。一方、漁労・狩猟・採取で暮らしていた縄文人は、条件のよい土地に定住し、非常に平和な暮らしをしていたようで、殺傷痕のある人骨や、人を殺すための道具は見つかっていません」。争いを好まず、平和に暮らしていたと想像される縄文人は、もしかすると世界史的にはユニークな存在だったのかもしれない。貝塚では火を焚き儀礼を行った痕跡が見られることから、貝塚はただのゴミ捨て場ではなく「ヒトやモノに魂が宿ると考え、貝塚はその魂を天に送る場所だったのでは?」という説もあるそうだ。このセンターには、北海道で初の国宝「中空土偶」が展示されている。中が空洞になった土偶で、高さが41.5cmと、土偶のなかでもかなり大型のものだ。こちらも縄文時代の精神文化を考えるうえで欠かせない、非常に貴重な資料となっている。
縄文人も食べたかも? クルミのスイーツ
中空土偶の展示コーナーを過ぎると、発掘調査の記録が掲示されている。中空土偶の発見場所では発掘調査が行われ、小さな翡翠(ひすい)のかけらなどが見つかった。悠久の時間に思いを馳せたあとは、お隣の「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」に立ち寄って名物の「じょうもんクルミソフト」でひと息入れよう。道の駅は、24時間利用が可能なお手洗いと小さなお土産売り場があるだけだが、国内で唯一「国宝のある道の駅」として知られている。道の駅の駅長に扮した中空土偶のイラストがプリントされた「どぐう駅長クッキー」1枚170円などのユニークなお土産も販売している。
スポット詳細
- 住所
- 北海道函館市臼尻町551-1 地図
- エリア
- 函館エリア
- 電話番号
- 0138252030
- 時間
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[4月-10月]9:00-17:00
[11月-3月]9:00-16:30 - 休業日
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月(祝の場合は翌平日)、毎月最終金、12/29-1/3
※その他臨時休館あり - 料金
- [入館料]一般300円、学生・生徒・児童150円、未就学児無料
- 駐車場
- あり(33台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 平均予算
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【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円 - 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 国宝「中空土偶」は必見
- 函館市内から車で1時間程度です。縄文遺跡のそばに建つ博物館でなんといっても目玉は、国宝「中空土偶」です。意外と大きくツノが欠けている以外はほぼ原型のままです。太平洋に臨む縄文遺跡が当時のままのような景色で残っています。
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- 函館の縄文遺跡見学
- 2021年世界文化遺産登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の北海道内6遺跡のうち、千歳市・洞爺湖町・伊達市の4ヶ所は昨秋見学した。函館市内2ヶ所を巡るにあたり交通の便が良くないことを承知していたので、取り敢えず函館駅構内の観光案内所に向かった。ところが明日から縄文遺跡巡りの観光バスを試験運行するという情報を得た。翌朝バス乗り場に着いたらNHK函館放送局の記者とカメラマンが待っていてインタビュー...
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- 垣ノ島遺跡に隣接してます
- 2021年7月下旬に世界文化遺産の構成資産に登録された垣ノ島遺跡に隣接しています。道の駅も併設されていました。色々な関連資料があったので調べた後に遺跡を見に行くと理解が深まると思います。ちなみに垣ノ島遺跡では土器などの遺跡を掘り当てるアトラクションもありましたので興味のある方は申し込まれてはと思います。
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