寺島蔵人邸
凜とした空気が漂う中級武士の住まい。落ち着きのある庭園は必見
かつての正門前に残る唯一の武家屋敷
金沢城といえば、兼六園から近い石川門が有名だ。しかし、江戸時代に正門として使われていたのは北側にある大手門であり、門前には加賀藩の武士たちが住まいを構えていた。今ではコンクリート造りの建物が並ぶエリアだが、唯一、往時の風格あるたたずまいを伝えているのが、大手門から5分ほど歩いた場所にある武家屋敷 寺島蔵人邸である。蔵人は禄高450石の中級武士だ。加賀藩前田家12代斉広(なりなが)に重用され、江戸時代後期に農政や財政の実務を担った。正義感が強く、藩政改革にも熱心に取り組んだ。屋敷は蔵人の祖父の代、1776年(安永5)に建てられたもの。現在は約1180平方メートルの敷地に2階建ての家屋や土蔵、土塀、庭園が残されている。邸内で最も広い座敷の床の間には、蔵人の描いた竹石図に、15代利嗣(としつぐ)が蔵人をしのぶ和歌を書き添えた掛け軸が飾られており、その功績の大きさを感じさせる。
春と秋は庭園のドウダンツツジが人気
座敷の正面には見事な庭園が広がる。池泉(ちせん)回遊式だが、池には水が張られていないため、庭園は「乾泉(かんせん)」と名付けられている。庭園には高さ3mはあろうかというドウダンツツジをはじめ、ツバキやサザンカ、ヤマブキなど、200本を超える花木が四季それぞれの美しさを見せる。特に圧巻なのは、樹齢350年以上のドウダンツツジで、毎年春には小さな白い花を鈴なりに咲かせ、秋には赤や黄に色づく葉が訪れる人の目を楽しませてくれる。庭園に臨む縁側の左手にある4畳の部屋では、文人画家として活躍した浦上玉堂が蔵人邸に逗留した際、得意としていた七弦琴を弾いたとされる。蔵人自らが指揮して、音の響きがよくなるよう天井の形などを工夫したそうで、書画や工芸にも造詣が深く、応養(おうよう)などの号で多くの作品を残した蔵人の粋人ぶりがうかがえる。
蔵人や有名画家の書画を展示
うぐいす張りの廊下を渡った先にある展示室には、蔵人の書画や見事な象眼(ぞうがん)を施した鐙(あぶみ)などの遺愛品、狩野探幽(かのうたんゆう)、池大雅(いけのたいが)、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)といった著名な画家の作品など、寺島家伝来の所蔵品の数々が、定期的に内容を替えながら展示されている。見学後はぜひ茶室へ。茶室は庭園の名前にちなんで「乾泉亭」と名付けられている。にじり口ではなく、貴人口が設けられているため、立ったまま出入りが可能だ。街なかとは思えない静けさのなか、「乾泉」の文字が描かれた茶碗で抹茶をいただきながら庭を眺めていると、心なごむひとときを過ごせるに違いない。
スポット詳細
- 住所
- 石川県金沢市大手町10-3 地図
- エリア
- 金沢市エリア
- 電話番号
- 0762242789
- 時間
- 9:30-17:00(最終入館16:30)
- 休業日
- 火(祝の場合は翌平日)、年末年始(12/29-1/3)
- 料金
- [入場料]310円
- 駐車場
- なし
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
- Wi-Fi
- あり(KANAZAWA FREE Wi-Fi)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 0-30分
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 中級武士の屋敷
- 浅野川大橋の近くの橋場町交差点から少し南に行って路地を入ったところにあります。中級武士の屋敷で、似た感じのお屋敷は前日などにも見ていたので軽く外観だけみたのですが、後になって水墨画なども展示されているのを知ってみておけばよかったなと思いました。
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- 武家屋敷
- 森八本店さんの裏手に、寺島蔵人邸(てらしまくらんどてい)がありました。藩政改革に努めた加賀藩中級武士寺島蔵人の武家屋敷で、一般公開されています。敷地内には、家屋・土蔵・土塀・庭園があります。静かでひっそりしていて和めます。美しい庭園は、春のドウダンツツジの開花、秋の紅葉の時期が見頃だそうです。
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- 金沢城から直ぐに行けます穴場の観光地
- 金沢市大手町にあります。金沢城からも近いです金沢観光の穴場スポットです、江戸時代の加賀藩の中級武士の邸宅です、落ち着いたたたずまいです庭園も素晴らしいです。
TripAdvisorクチコミ評価
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